運命論者の悲み
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「うーん」
「何唸ってんだ?」
私は今自身の仕事部屋にて、
書類と睨めっこ中だ。
「あの人虎君もとい中島敦君。
中々おもしろいんだよ」
私の部屋で寛いでいる中也君は、
ソファに座りローテーブルに足を投げながら
報告書を読んでいる。
私は龍君と彼の戦いを見てから
彼にとても興味が湧いた。
だって、調べた情報によると、
彼は孤児院出身。
見た目もヒョロっとしていて、
可愛いお顔だった。
とても龍君に勝てる気がしない。
だが、異能は虎になること。
しかも、いっちゃんの話を聞けば、
足一本取られてもすぐに生えてきたらしい。
再生の力もあるのか。
「お話してみたいなぁ」
心の中で呟いたつもりが口に出てしまった。
途端に、グシャという紙のつぶされる音が聞こえる。
あ、まずい。
「おい、手前まさか敵地におしゃべりしに、
のこのこと出向いてやるわけじゃねぇよなぁ?ああ?」
ソファの方を見ると、
せっかく部下が丁寧に書いたであろう報告書を、
破る勢いで握りしめている中也君がいた。
部下たちの心中お察しします。
「嘘嘘。冗談だよ」
私はすぐに中也君に両手を向けて、
否定した。
内心、本気だったのだが。
行ってバレたら嫌なので、やめておこう。
「当たり前だろ」
中也君はふんと鼻を鳴らし、
報告書の続きを読んでいる。
会いたいのは口実で、実は人虎君と戦いたいなんて思ってることは隠しておこう。
「首領」
「どうしたの?」
「先日のこと、首領はお見通しだったわけですね」
「ああ、芥川君たちのところへ行かせたことね。
そうだよ。怒ってる?」
「いえ、むしろ感謝していますよ」
「なら良かった」
エリスちゃんに頼まれて、
一緒におやつを食べようと言われていたので
私は首領の部屋に来ていた。
紅茶を飲みながらエリスちゃんとお話していたところ、
首領がわざとらしく
「この間買ったフリルのついたワンピース、着てほしいなぁ」
と言った。
多分、ここで私が「見たい!」と言えば
エリスちゃんはその服を着て披露してくれるだろう。
なるほど、そのために呼んだのか。
首領をチラッと見ると、
眉を下げて微笑んでいる。
「エリスちゃん、私も見たいな」
「ええー葉月も見たいのー?
じゃあいいよ!
リンタロウの頼みだったら着たくなかったけど」
やっぱり。
首領は顔のまわりに花びらが見えそうなほど
デレッデレの顔になった。
そして、エリスちゃんが着替えに行った時、
首領にこの間の話を持ちかけたのだ。
「太宰君には会えたのかな?」
「はい。相変わらず不思議な方です」
「あれ、随分と他人行儀だね?
以前は彼の後ろをついてまわっていたのに」
「敵ですので」
首領は私のことを試している。
返答次第では首が飛んでもおかしくない。
(物理的に)
私が彼に対して「敵」と言ったことで、
首領は満足気に頷いた。
「葉月ー!どうー?」
タイミング良くエリスちゃんが戻られた。
「とてもよくお似合いです。本当に可愛い」
誰かさんの趣味とはいえ、
ワンピースはエリスちゃんに似合っている。
首領はここぞとばかりに
写真を撮っている。
ポートマフィアには変な人ばっかりだなぁ。
そんなことを思いつつ、首領を見つめる。
皆変わったな。
いつまでもあの時のままではいられない。
時は過ぎ行くものだから。
「では、私はこれで」
「ええー、行っちゃうの?」
「はい、今度はショッピングしましょう」
「本当に!?やったー!」
エリスちゃんとショッピングのお約束をして、
首領の部屋を出た。
自分の部屋に戻る時、いっちゃんを見かけた。
でも、声をかけなかった。
いや、かけられなかった。
あんなにも険しい表情をしていたから。
「何唸ってんだ?」
私は今自身の仕事部屋にて、
書類と睨めっこ中だ。
「あの人虎君もとい中島敦君。
中々おもしろいんだよ」
私の部屋で寛いでいる中也君は、
ソファに座りローテーブルに足を投げながら
報告書を読んでいる。
私は龍君と彼の戦いを見てから
彼にとても興味が湧いた。
だって、調べた情報によると、
彼は孤児院出身。
見た目もヒョロっとしていて、
可愛いお顔だった。
とても龍君に勝てる気がしない。
だが、異能は虎になること。
しかも、いっちゃんの話を聞けば、
足一本取られてもすぐに生えてきたらしい。
再生の力もあるのか。
「お話してみたいなぁ」
心の中で呟いたつもりが口に出てしまった。
途端に、グシャという紙のつぶされる音が聞こえる。
あ、まずい。
「おい、手前まさか敵地におしゃべりしに、
のこのこと出向いてやるわけじゃねぇよなぁ?ああ?」
ソファの方を見ると、
せっかく部下が丁寧に書いたであろう報告書を、
破る勢いで握りしめている中也君がいた。
部下たちの心中お察しします。
「嘘嘘。冗談だよ」
私はすぐに中也君に両手を向けて、
否定した。
内心、本気だったのだが。
行ってバレたら嫌なので、やめておこう。
「当たり前だろ」
中也君はふんと鼻を鳴らし、
報告書の続きを読んでいる。
会いたいのは口実で、実は人虎君と戦いたいなんて思ってることは隠しておこう。
「首領」
「どうしたの?」
「先日のこと、首領はお見通しだったわけですね」
「ああ、芥川君たちのところへ行かせたことね。
そうだよ。怒ってる?」
「いえ、むしろ感謝していますよ」
「なら良かった」
エリスちゃんに頼まれて、
一緒におやつを食べようと言われていたので
私は首領の部屋に来ていた。
紅茶を飲みながらエリスちゃんとお話していたところ、
首領がわざとらしく
「この間買ったフリルのついたワンピース、着てほしいなぁ」
と言った。
多分、ここで私が「見たい!」と言えば
エリスちゃんはその服を着て披露してくれるだろう。
なるほど、そのために呼んだのか。
首領をチラッと見ると、
眉を下げて微笑んでいる。
「エリスちゃん、私も見たいな」
「ええー葉月も見たいのー?
じゃあいいよ!
リンタロウの頼みだったら着たくなかったけど」
やっぱり。
首領は顔のまわりに花びらが見えそうなほど
デレッデレの顔になった。
そして、エリスちゃんが着替えに行った時、
首領にこの間の話を持ちかけたのだ。
「太宰君には会えたのかな?」
「はい。相変わらず不思議な方です」
「あれ、随分と他人行儀だね?
以前は彼の後ろをついてまわっていたのに」
「敵ですので」
首領は私のことを試している。
返答次第では首が飛んでもおかしくない。
(物理的に)
私が彼に対して「敵」と言ったことで、
首領は満足気に頷いた。
「葉月ー!どうー?」
タイミング良くエリスちゃんが戻られた。
「とてもよくお似合いです。本当に可愛い」
誰かさんの趣味とはいえ、
ワンピースはエリスちゃんに似合っている。
首領はここぞとばかりに
写真を撮っている。
ポートマフィアには変な人ばっかりだなぁ。
そんなことを思いつつ、首領を見つめる。
皆変わったな。
いつまでもあの時のままではいられない。
時は過ぎ行くものだから。
「では、私はこれで」
「ええー、行っちゃうの?」
「はい、今度はショッピングしましょう」
「本当に!?やったー!」
エリスちゃんとショッピングのお約束をして、
首領の部屋を出た。
自分の部屋に戻る時、いっちゃんを見かけた。
でも、声をかけなかった。
いや、かけられなかった。
あんなにも険しい表情をしていたから。