ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
結局あの後本部に戻ってからが忙しかった。
中也君は別の仕事に赴いたから、
終わったら直接家に帰るとメールが来た。
私たちは、
報告書を書いたり、首領に直接報告したり
やることがいっぱいあった。
龍君が太宰君に会ったことを報告した時
首領は、ほらねと言わんばかりに
こちらを見て微笑んだ。
やっと全ての仕事を終えたのが、午後八時。
夕飯は食べる暇がなかったので、
お腹が空いて仕方ない。
ビルを出てすぐに中也君に電話をした。
「もしもし中也君?今終わったから帰るね」
「遅かったな。飯食ったか?」
「ううん、食べられなかった」
「んじゃあ軽く作っとくから、
気をつけて帰れよ」
「ありがとう」
電話を切って、再び歩き出した。
横浜の夜道は綺麗だ。
様々な色の光で照らされている。
この景色を見ると、
いつも中也君に会いたくなる。
こうして自分の帰りを待ってくれる人がいることが幸せだから。
いつもよりも少しゆっくり歩いて、
横浜の夜を堪能した。
「ただいま」
「おう、おかえり」
家について、リビングに行くと、
テーブルの上に、
野菜のスープとおにぎりが置いてある。
「まず手洗えよ」
「はーい」
思わず料理に飛びついていきそう勢いで
テーブルに駆けつけると
案の定中也君に注意された。
ラフな服に着替え、手を洗い
ようやく席についた。
「もう夜遅いからな。
あんまり重いもん食べると太る」
「ふふ、ありがとう。いただきます」
中也君がそういうことを気にしているなんて
知らなかった。
中也君は私よりもずっと、
美容とか健康とかファッションとかに気をつかっている。
野菜スープは、疲れた体に染み渡る。
おにぎりは程よくほかほかしていて、
安心する。
「んで、芥川たちとはどうなった?」
「ああ、あれね。
武装探偵社の新人の虎さんを捕まえに行ったらしいよ」
「武装探偵社!?虎!?」
中也君は声を荒らげて、椅子から飛び上がった。
「どういうことだよ!」
「それがね、
新人君の異能が虎に変身するもので、
どうやら闇市で莫大な懸賞金がかけられているらしいよ。
それを捕まえに行ったと」
私はなるべくわかりやすく伝えようとした。
しかし、中也君は目を大きく開いたまま
興奮している。
「だから違ぇよ!
虎はどうでもいいんだよ!
いや、よかねぇな。
そうじゃなくて!」
ひとりでノリツッコミをする余裕はあるようだ。
「何?」
「探偵社ってことは、
あいつがいるんだろ!」
中也君の気にしていることがよくわかる。
何しろ彼がいるのだから。
中也君は一度息を深く吐いてから
椅子に座った。
急に静かになってしまった。
「会ったのかよ」
「うん」
「そーかよ」
太宰君のことを指しているのはよくわかる。
中也君は、私と太宰君が会うことをよく思っていない。
太宰君は言わば裏切り者だ。
私がどんなに兄のように慕っていたとしても、
今だってずっと大事な存在なのだとしても
ポートマフィアを抜けた裏切り者。
中也君は元々太宰君とあまり仲良くはなかったので、
それも相まっているのだろう。
「何もされてねぇか」
さっきはあんなに騒いでいたのに
こうも静かになられると調子が狂う。
「心中しようって言われたよ」
私は微笑んで言った。
「チッ、あの青鯖!」
中也君はわなわなと震えている。
「大丈夫。何もされてないよ」
「本当だろうな」
「龍君たちもいたからね。
それに、私はどこにも行かない」
「っ!?」
中也君は驚いたように顔を上げた。
中也君はきっと心配している。
私があんなにも太宰君を慕っていたからこそ、
いつか私も彼について行ってしまうのではないか、と。
作兄の時だって、
中也君は何か言いたそうに、
でも言わずに唇を噛み締めて、
こちらを見るのだ。
「私の居場所はここ」
私は食べ終わった後の食器を重ね、
椅子から立ち上がった。
そして向かいに座る中也君の元に立った。
中也君はこちらを見上げている。
私は彼の頭を自分の胸元に引き寄せた。
優しく抱くような形になった。
「っおい!」
中也君は一瞬びくりと肩を跳ねさせた。
でも私はやめずに、
いつものオシャレな帽子を取ってある
彼の頭を撫でた。
オレンジ色の美しい髪に指を通す。
しばらくされるがままだった中也君は、
私の腰に腕を回した。
「ずっとここにいろ」
小さな声でそう言って、
私にぎゅっとしがみついた。
それが愛おしくて、切なくて
胸の奥がキュッと痛む。
「うん」
私も彼の頭に擦り寄るように頭を寄せた。
きっと明日になれば、
またいつも通り強くてかっこいい中也君に戻る。
でもせめて今は甘えてくれる中也君を
そばで見ていたい。
ふと窓に移る光の輝きに目をやる。
月の光、ビルの明かり、港の明かり。
横浜の夜の光は優しく私たちを包んでくれる。
中也君は別の仕事に赴いたから、
終わったら直接家に帰るとメールが来た。
私たちは、
報告書を書いたり、首領に直接報告したり
やることがいっぱいあった。
龍君が太宰君に会ったことを報告した時
首領は、ほらねと言わんばかりに
こちらを見て微笑んだ。
やっと全ての仕事を終えたのが、午後八時。
夕飯は食べる暇がなかったので、
お腹が空いて仕方ない。
ビルを出てすぐに中也君に電話をした。
「もしもし中也君?今終わったから帰るね」
「遅かったな。飯食ったか?」
「ううん、食べられなかった」
「んじゃあ軽く作っとくから、
気をつけて帰れよ」
「ありがとう」
電話を切って、再び歩き出した。
横浜の夜道は綺麗だ。
様々な色の光で照らされている。
この景色を見ると、
いつも中也君に会いたくなる。
こうして自分の帰りを待ってくれる人がいることが幸せだから。
いつもよりも少しゆっくり歩いて、
横浜の夜を堪能した。
「ただいま」
「おう、おかえり」
家について、リビングに行くと、
テーブルの上に、
野菜のスープとおにぎりが置いてある。
「まず手洗えよ」
「はーい」
思わず料理に飛びついていきそう勢いで
テーブルに駆けつけると
案の定中也君に注意された。
ラフな服に着替え、手を洗い
ようやく席についた。
「もう夜遅いからな。
あんまり重いもん食べると太る」
「ふふ、ありがとう。いただきます」
中也君がそういうことを気にしているなんて
知らなかった。
中也君は私よりもずっと、
美容とか健康とかファッションとかに気をつかっている。
野菜スープは、疲れた体に染み渡る。
おにぎりは程よくほかほかしていて、
安心する。
「んで、芥川たちとはどうなった?」
「ああ、あれね。
武装探偵社の新人の虎さんを捕まえに行ったらしいよ」
「武装探偵社!?虎!?」
中也君は声を荒らげて、椅子から飛び上がった。
「どういうことだよ!」
「それがね、
新人君の異能が虎に変身するもので、
どうやら闇市で莫大な懸賞金がかけられているらしいよ。
それを捕まえに行ったと」
私はなるべくわかりやすく伝えようとした。
しかし、中也君は目を大きく開いたまま
興奮している。
「だから違ぇよ!
虎はどうでもいいんだよ!
いや、よかねぇな。
そうじゃなくて!」
ひとりでノリツッコミをする余裕はあるようだ。
「何?」
「探偵社ってことは、
あいつがいるんだろ!」
中也君の気にしていることがよくわかる。
何しろ彼がいるのだから。
中也君は一度息を深く吐いてから
椅子に座った。
急に静かになってしまった。
「会ったのかよ」
「うん」
「そーかよ」
太宰君のことを指しているのはよくわかる。
中也君は、私と太宰君が会うことをよく思っていない。
太宰君は言わば裏切り者だ。
私がどんなに兄のように慕っていたとしても、
今だってずっと大事な存在なのだとしても
ポートマフィアを抜けた裏切り者。
中也君は元々太宰君とあまり仲良くはなかったので、
それも相まっているのだろう。
「何もされてねぇか」
さっきはあんなに騒いでいたのに
こうも静かになられると調子が狂う。
「心中しようって言われたよ」
私は微笑んで言った。
「チッ、あの青鯖!」
中也君はわなわなと震えている。
「大丈夫。何もされてないよ」
「本当だろうな」
「龍君たちもいたからね。
それに、私はどこにも行かない」
「っ!?」
中也君は驚いたように顔を上げた。
中也君はきっと心配している。
私があんなにも太宰君を慕っていたからこそ、
いつか私も彼について行ってしまうのではないか、と。
作兄の時だって、
中也君は何か言いたそうに、
でも言わずに唇を噛み締めて、
こちらを見るのだ。
「私の居場所はここ」
私は食べ終わった後の食器を重ね、
椅子から立ち上がった。
そして向かいに座る中也君の元に立った。
中也君はこちらを見上げている。
私は彼の頭を自分の胸元に引き寄せた。
優しく抱くような形になった。
「っおい!」
中也君は一瞬びくりと肩を跳ねさせた。
でも私はやめずに、
いつものオシャレな帽子を取ってある
彼の頭を撫でた。
オレンジ色の美しい髪に指を通す。
しばらくされるがままだった中也君は、
私の腰に腕を回した。
「ずっとここにいろ」
小さな声でそう言って、
私にぎゅっとしがみついた。
それが愛おしくて、切なくて
胸の奥がキュッと痛む。
「うん」
私も彼の頭に擦り寄るように頭を寄せた。
きっと明日になれば、
またいつも通り強くてかっこいい中也君に戻る。
でもせめて今は甘えてくれる中也君を
そばで見ていたい。
ふと窓に移る光の輝きに目をやる。
月の光、ビルの明かり、港の明かり。
横浜の夜の光は優しく私たちを包んでくれる。