Murder on D Street
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「あの眼鏡をかけると、
乱歩さんは超推理のスイッチが入る」
太宰君が言うと、人虎君は目を大きく開いて乱歩さんを見る。
太宰君は乱歩さんのすぐ後ろに立っている。
どうしたのかな?
「異能力超推理」
乱歩さんは眼鏡をかけてそう言うと、
眉間に皺を寄せて瞬きもせずに考えている。
そしてほんの数秒後、
「なるほど」
そう言って眼鏡の位置を整えた。
「なにがなるほどだ。
犯人がわかったとでもいうのか」
箕浦さんはまだ信じていないようだ。
私は、特に何も見えなかったから、
少し彼の言う異能力が本物か疑ってしまう。
それに、ここには太宰君がいる。
「もちろん。犯人は君だ」
乱歩さんはゆっくりと人差し指を上げる。
そしてその指の先には、、、。
「そう、犯人は君だ。杉本巡査」
え、、、。
「はぁ?」
「乱歩さん?」
「ふははは、杉本巡査は俺の部下だぞ」
杉本君、人虎君共にわけがわからない様子でいる。
箕浦さんは呆れたように笑った。
「杉本巡査が彼女を殺した」
乱歩さんはもう一度しっかりと言った。
「莫迦言え!大体こんな近くに都合よく犯人がいるなど、」
「犯人だからこそ捜査現場に居たがる。
それに言わなかったっけ?
どこに証拠があるかもわかるって」
箕浦さんは苦虫を噛み潰したような顔をしている。
そこからはあれよあれよと乱歩さんが証拠を言い当ててしまった。
乱歩さんは箕浦さん、杉本君と一緒に警察に同行した。
要は、杉本君はスパイだったわけだ。
そして殺された彼女とは恋人同士だった。
とても悲しい事件だ。
それぞれの立場に踊らせられたのだろう。
もし二人に何も無ければ、
今も恋人として手を繋いでいたはずだ。
「世話になったな。
それに実力を疑って悪かった。
難事件に当たったらまた頼む」
帰り際、箕浦さんは頭を下げた。
「僕の力が必要になったら、
いつでもご用命を。
次からは割引価格でいいよ」
乱歩さんがそう言うと、
「そいつは助かる」
と言って箕浦さんは笑った。
この人こんな風に笑うんだ。
その様子を見ていた私は心が暖かくなるのを感じた。
「凄かったですね、乱歩さん」
どうせ駅までは一緒だからと思って、
私は彼らと一緒に帰った。
その途中、人虎君が嬉しそうに言った。
「まさか、全部当てちゃうなんて。
異能力超推理本当に凄いです!」
「私も半分くらいはわかったかなー」
太宰君は言った。
「何がです?」
「だからさっきの事件だよ。
乱歩さんがどうやって推理したか」
「だってそれは異能力によって瞬時にわかるって」
私もわかってしまった。
でも人虎君はどうやら乱歩さんの異能力を信じているようだ。
「おお、君はまだ知らなかったか。
実はね乱歩さんは異能力者じゃないのだよ」
「はぁい!?」
太宰君に告げられ、人虎君は変な声を漏らす。
「乱歩さんは異能力者揃いの探偵社では珍しい、
なんの異能力も所持しない一般人なんだ」
そして太宰君の話を聞くと、
乱歩さんは二十六歳らしい。
申し訳ないが、とてもそうは見えない。
いい意味で。
また、太宰君はあの時やっぱり人間失格を使っていたらしい。
だから乱歩さんは異能力を使ったわけではない。
だとしたら、とてつもない頭脳だ。
杉本君の話や死体の様子だけを見て判断したというのか。
探偵社って、ポートマフィアに負けず劣らず凄い人の集まりだ。
乱歩さんはその探偵社の中でも愛されているらしい。
「あ、そういえば、葉月さん。
何のお仕事されているんですか?」
ふいに人虎君に尋ねられた。
「ああ、私はしがない一般人だよ」
「そうなんですか?」
まさかここで本業を暴露するわけにはいかない。
「ええー。葉月は私の恋人なのだよ」
「えっ!?」
「違います。さっき知り合いと言ったじゃないですか」
太宰君が変なことを言うからまた誤解されるのだ。
私は思いっきり否定した。
その時、私の携帯が音を立てて鳴った。
画面を見ると、中也君と表示されている。
「もしもし?中也君?」
「手前!今どこにいんだよ!」
「あ、お買い物に来ていたはずが、ちょっと他の用事ができちゃって」
説明しようとしたら、太宰君に携帯を取られてしまった。
「もしもしー?中也ー?」
「なっ!手前、青鯖がなんで葉月の携帯を持ってんだよ!」
「だって、今私と一緒にいるのだから」
「はぁ!???」
中也君の声がここまで聞こえる。
相当怒鳴っているのだろう。
帰ったら怒られちゃうかな、、、。
「何してたんだよ!」
「デェトだよ、デェト」
「ちょっと太宰君!変なこと言わないで!」
無理やり太宰君から携帯を奪い返し、中也君に謝る。
中也君は早く帰ってこいと言ったが、
帰ったら絶対に何か言われる、、、。
今日は疲れたのに、、、。
でも、まあ少しばかり楽しかったからいいかな。
探偵社の三人の中に、一般人として混じって
少し羨ましいなんて思ってしまった。
家族ってこんな感じかななんて。
私にはこういう暖かい場所は似合わないのに。
それに、私の居場所はここじゃない。
「それじゃあ、中也君にこれ以上怒られると困るので」
そう言って三人に手を振って別れた。
人虎君が満面の笑みで手を振り返してくれたことに感激だ。
敵とか味方とか関係ない。
これもひとつの大事な出会いだ。
私は彼らの笑顔を胸の奥底にしまって、家に帰った。
乱歩さんは超推理のスイッチが入る」
太宰君が言うと、人虎君は目を大きく開いて乱歩さんを見る。
太宰君は乱歩さんのすぐ後ろに立っている。
どうしたのかな?
「異能力超推理」
乱歩さんは眼鏡をかけてそう言うと、
眉間に皺を寄せて瞬きもせずに考えている。
そしてほんの数秒後、
「なるほど」
そう言って眼鏡の位置を整えた。
「なにがなるほどだ。
犯人がわかったとでもいうのか」
箕浦さんはまだ信じていないようだ。
私は、特に何も見えなかったから、
少し彼の言う異能力が本物か疑ってしまう。
それに、ここには太宰君がいる。
「もちろん。犯人は君だ」
乱歩さんはゆっくりと人差し指を上げる。
そしてその指の先には、、、。
「そう、犯人は君だ。杉本巡査」
え、、、。
「はぁ?」
「乱歩さん?」
「ふははは、杉本巡査は俺の部下だぞ」
杉本君、人虎君共にわけがわからない様子でいる。
箕浦さんは呆れたように笑った。
「杉本巡査が彼女を殺した」
乱歩さんはもう一度しっかりと言った。
「莫迦言え!大体こんな近くに都合よく犯人がいるなど、」
「犯人だからこそ捜査現場に居たがる。
それに言わなかったっけ?
どこに証拠があるかもわかるって」
箕浦さんは苦虫を噛み潰したような顔をしている。
そこからはあれよあれよと乱歩さんが証拠を言い当ててしまった。
乱歩さんは箕浦さん、杉本君と一緒に警察に同行した。
要は、杉本君はスパイだったわけだ。
そして殺された彼女とは恋人同士だった。
とても悲しい事件だ。
それぞれの立場に踊らせられたのだろう。
もし二人に何も無ければ、
今も恋人として手を繋いでいたはずだ。
「世話になったな。
それに実力を疑って悪かった。
難事件に当たったらまた頼む」
帰り際、箕浦さんは頭を下げた。
「僕の力が必要になったら、
いつでもご用命を。
次からは割引価格でいいよ」
乱歩さんがそう言うと、
「そいつは助かる」
と言って箕浦さんは笑った。
この人こんな風に笑うんだ。
その様子を見ていた私は心が暖かくなるのを感じた。
「凄かったですね、乱歩さん」
どうせ駅までは一緒だからと思って、
私は彼らと一緒に帰った。
その途中、人虎君が嬉しそうに言った。
「まさか、全部当てちゃうなんて。
異能力超推理本当に凄いです!」
「私も半分くらいはわかったかなー」
太宰君は言った。
「何がです?」
「だからさっきの事件だよ。
乱歩さんがどうやって推理したか」
「だってそれは異能力によって瞬時にわかるって」
私もわかってしまった。
でも人虎君はどうやら乱歩さんの異能力を信じているようだ。
「おお、君はまだ知らなかったか。
実はね乱歩さんは異能力者じゃないのだよ」
「はぁい!?」
太宰君に告げられ、人虎君は変な声を漏らす。
「乱歩さんは異能力者揃いの探偵社では珍しい、
なんの異能力も所持しない一般人なんだ」
そして太宰君の話を聞くと、
乱歩さんは二十六歳らしい。
申し訳ないが、とてもそうは見えない。
いい意味で。
また、太宰君はあの時やっぱり人間失格を使っていたらしい。
だから乱歩さんは異能力を使ったわけではない。
だとしたら、とてつもない頭脳だ。
杉本君の話や死体の様子だけを見て判断したというのか。
探偵社って、ポートマフィアに負けず劣らず凄い人の集まりだ。
乱歩さんはその探偵社の中でも愛されているらしい。
「あ、そういえば、葉月さん。
何のお仕事されているんですか?」
ふいに人虎君に尋ねられた。
「ああ、私はしがない一般人だよ」
「そうなんですか?」
まさかここで本業を暴露するわけにはいかない。
「ええー。葉月は私の恋人なのだよ」
「えっ!?」
「違います。さっき知り合いと言ったじゃないですか」
太宰君が変なことを言うからまた誤解されるのだ。
私は思いっきり否定した。
その時、私の携帯が音を立てて鳴った。
画面を見ると、中也君と表示されている。
「もしもし?中也君?」
「手前!今どこにいんだよ!」
「あ、お買い物に来ていたはずが、ちょっと他の用事ができちゃって」
説明しようとしたら、太宰君に携帯を取られてしまった。
「もしもしー?中也ー?」
「なっ!手前、青鯖がなんで葉月の携帯を持ってんだよ!」
「だって、今私と一緒にいるのだから」
「はぁ!???」
中也君の声がここまで聞こえる。
相当怒鳴っているのだろう。
帰ったら怒られちゃうかな、、、。
「何してたんだよ!」
「デェトだよ、デェト」
「ちょっと太宰君!変なこと言わないで!」
無理やり太宰君から携帯を奪い返し、中也君に謝る。
中也君は早く帰ってこいと言ったが、
帰ったら絶対に何か言われる、、、。
今日は疲れたのに、、、。
でも、まあ少しばかり楽しかったからいいかな。
探偵社の三人の中に、一般人として混じって
少し羨ましいなんて思ってしまった。
家族ってこんな感じかななんて。
私にはこういう暖かい場所は似合わないのに。
それに、私の居場所はここじゃない。
「それじゃあ、中也君にこれ以上怒られると困るので」
そう言って三人に手を振って別れた。
人虎君が満面の笑みで手を振り返してくれたことに感激だ。
敵とか味方とか関係ない。
これもひとつの大事な出会いだ。
私は彼らの笑顔を胸の奥底にしまって、家に帰った。
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