かごいっぱいの花と共に私は帰路についた。

ザーーー……

激しい雨に降られたが、全てを洗い流してほしくて、濡れることを気にとめず歩いた。

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拠点に着くと、クラピカは膝を抱えて雨に打たれていた。

その姿は今にも消えてしまいそうで、思わず駆け寄った。

｢クラピカッ！！！｣
｢……ミア…。｣
消え入りそうな声で、私の名前を呼ぶ。
この激しい雨の中、彼は目の前にいるはずなのに、遠く感じる。
ここにつなぎ止めるように、ぎゅっと抱きしめる。

｢大丈夫…、大丈夫だよ…。｣
腕の中のクラピカは力なく私に身を任せる。
｢クラピカは一人じゃないよ…。私がずっと、ずっとそばにいるから…。｣
｢………。｣

ザーーー……

彼は何も言わず、二人でただ雨に打たれた。

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雨は止み、再び静寂が訪れた。

私とクラピカは摘んできた花を墓に供えながら、今までの思い出と別れを告げるように、1つ1つの墓に丁寧に言葉をかけた。

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日はすっかり落ちて、空には星が輝きはじめた。

心残りはたくさんあるけれど、ずっとここにいても何も変わらない。

昨日までの自分に別れを告げよう。

そう思い、短刀で腰まで伸ばしていた髪を切る。
｢ミア…？｣
｢…今までの弱い自分とお別れしたの。私なりのけじめ、｣
｢なるほどな。けじめ…か。｣
私の髪に触れ、そう呟くクラピカ。

わずかに浮かんだ悲しそうな顔はすぐに消え、
｢では、行こうか。｣
そう言って、私に手を差し出す。

｢うん。｣
支え合うように手を重ね、歩き出した私たち。

真っ暗な夜空には、二つの星がお互いを照らすように輝いていた。