プロローグ
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考え事をしているうちに、知らぬ間に最後の坂道に到着した。
東の空は白みはじめ、辺りは薄明るくなる。
ーミアには笑顔で出発してもらわねば。
ピコに乗り坂道を進むと、そこには全く想像しなかった光景が広がっていた。
一面に広がる、どす黒い赤。
打ち捨てられた仲間の亡骸。
昨日、確かにそこにあった穏やかな生活は跡形もなくなり、代わりに凄惨な現場だけが広がっていた。
これは……、
なんだ?
悪い夢にでも、うなされているのだろうか。
ピコから飛び降り、ふらつきながら現場へ走る。
現場に近づくほど鉄の匂いが濃くなり、これが夢ではないことを示しているようだった。
坂の上から見た時よりも、鮮明かつ残酷な現実が広がっていた。
……いやだ。
…いやだ。
こんなの嘘だ。
その場にへたり込み、呆然とする。
気が動転して、思考がついて行かない。
認めたくない。
この肉塊と化したものが、かつての自分の仲間であり愛した家族だということを。
「そん……な……。」
私は、一人残されたというのか。
この世界に。
絶望に打ちひしがれていると、見慣れた後ろ姿が目に入った。
「…!? ミアッ!!」
彼女に向かって駆け出す。
いつも以上に小さく見える背中から、彼女も同じ気持ちなのではないかと感じた。
地面に座り込んだ彼女の正面に回り込み、名前を呼ぶ。
「ミア…?」
「ーーょぅ…。ーーちゃった…。ーーからーぃ……。」
焦点の合わない目で虚空を見つめ、ブツブツと何か言っている。
「…あははっ!!」
「ミア…!目を覚ましてくれ…ッ」
問いかけても返答はない。
こちらの声は聞こえていないようで、見えない誰かと会話しているようだ。
怖かった。
ミアも遠い所へ行ってしまうのではないか。
肩を掴み、必死に名前を呼ぶ。
お願いだ、ミアだけは。
「ミア!ミア!」
……
「…っ!!」
私の声に気がついたのか、目には光が戻る。
「クラ…ピカ…。」
ミアはぼろぼろと涙をこぼしながら、こちらに目を向けた。
幼い頃から見慣れた海のような瞳……。
しかし、その片目には燃えるような緋色の光が宿っていた。
東の空は白みはじめ、辺りは薄明るくなる。
ーミアには笑顔で出発してもらわねば。
ピコに乗り坂道を進むと、そこには全く想像しなかった光景が広がっていた。
一面に広がる、どす黒い赤。
打ち捨てられた仲間の亡骸。
昨日、確かにそこにあった穏やかな生活は跡形もなくなり、代わりに凄惨な現場だけが広がっていた。
これは……、
なんだ?
悪い夢にでも、うなされているのだろうか。
ピコから飛び降り、ふらつきながら現場へ走る。
現場に近づくほど鉄の匂いが濃くなり、これが夢ではないことを示しているようだった。
坂の上から見た時よりも、鮮明かつ残酷な現実が広がっていた。
……いやだ。
…いやだ。
こんなの嘘だ。
その場にへたり込み、呆然とする。
気が動転して、思考がついて行かない。
認めたくない。
この肉塊と化したものが、かつての自分の仲間であり愛した家族だということを。
「そん……な……。」
私は、一人残されたというのか。
この世界に。
絶望に打ちひしがれていると、見慣れた後ろ姿が目に入った。
「…!? ミアッ!!」
彼女に向かって駆け出す。
いつも以上に小さく見える背中から、彼女も同じ気持ちなのではないかと感じた。
地面に座り込んだ彼女の正面に回り込み、名前を呼ぶ。
「ミア…?」
「ーーょぅ…。ーーちゃった…。ーーからーぃ……。」
焦点の合わない目で虚空を見つめ、ブツブツと何か言っている。
「…あははっ!!」
「ミア…!目を覚ましてくれ…ッ」
問いかけても返答はない。
こちらの声は聞こえていないようで、見えない誰かと会話しているようだ。
怖かった。
ミアも遠い所へ行ってしまうのではないか。
肩を掴み、必死に名前を呼ぶ。
お願いだ、ミアだけは。
「ミア!ミア!」
……
「…っ!!」
私の声に気がついたのか、目には光が戻る。
「クラ…ピカ…。」
ミアはぼろぼろと涙をこぼしながら、こちらに目を向けた。
幼い頃から見慣れた海のような瞳……。
しかし、その片目には燃えるような緋色の光が宿っていた。