君だけ見てる、僕を見て。
一方、電脳空間では先ほどのやりとりに似た、しかしもう少しはマトモなやりとりが再び行われようとしていた。
やっとの思いでカウンターへと着いたロックマンとロールが見た物は、ハチマキをして必死になってレジ打ちをするナンバーマンの姿であった。
一方アクアマンの姿は見えず、おそらく裏方を任されているのだろうとロックマンとロールが思った時、ナンバーマンが片手でレジを打ちながら二人に話しかけてきた。
「おお! ロックマンとロールではないか! ちょうどいい所へ来てくれた! ロールにはもう一つの仮設レジでレジ打ちを、ロックマンには裏方でアクアマンのサポートを頼みたい!」
先ほどの現実世界の日暮とは違い、ナンバーマンは自分の仕事をこなしながらもロックマン達へ的確な指示を下してくれた。
それに少し安堵しながら、ロールはナンバーマンの言う仮設レジ、つまりはもう一つのレジへ、そしてロックマンはカウンターよりも更に奥の部屋に入る。
ロックマンが奥の部屋に入ると、薄暗いそこではアクアマンが何やら困った顔でうろうろしていた。
ロックマンはアクアマンへ話しかける。
「アクアマン、手伝いに来たんだけど、何か困ってるのかい?」
「あ、ロックマンっぴゅ!」
ロックマンが話しかけると、アクアマンはうろうろとしていたその脚を止めてロックマンへ向き直った。
そして手の動きを交えながら大袈裟に、うろうろとしていた理由を説明する。
「そうっぴゅ! 棚の上のバトルチップデータがとれなくて困ってるっぴゅ!!」
今にも泣きだしそうに目をうるうるとさせるアクアマンに若干の危機感を抱きながら、ロックマンは訊く。
「じゃあ僕が取ってあげるよ。どのデータ?」
「あっちの方の、えっと、スーパーバルカンのデータっぴゅ!」
アクアマンが丸い手を指した先はとても高い位置で、ロックマンでもそのままでは届かないような位置だった。
ここがもし現実世界で、頼まれたのが熱斗だとしたら、あんなものは脚立を使っても無理だ、といわざるをえないだろうが、此処は電脳世界だ。
ロックマンは場所を確認し、視線の先に目的のチップデータを捕らえると、少し予備動作をつけて高く跳躍した。
そして目的のチップデータを手に持つとそのまま足から降下する。
あまり音や振動を立てずに静かに着地したロックマンの手には、スーパーバルカンのチップデータがしっかりと握られていた。
ロックマンはそれをアクアマンに手渡す。
「はい、取れたよ。」
「ありがとっぴゅ! さっそくお客さんに渡すっぴゅ~!」
泣きそうな顔を笑顔に変えたアクアマンは簡単に礼を言うと、部屋を出てカウンターへと走って出て行った。
どうやらロックマンの仕事は、アクアマンにバトルチップデータを渡す、もしくはアクアマンと同じくデータを持ってナンバーマンもしくはロールの所へ運ぶ、という事になりそうだ。
さて、これからもどんどん頑張るかな、とロックマンが思っていると、アクアマンがまた走って戻ってきた。
どうやら多くの注文を受けたらしく、手には簡単なメモデータが握られている。
「ロックマン、これはボク一人じゃ運びきれないっぴゅ~! 手伝ってほしいっぴゅ!」
そう言いながらアクアマンはロックマンにメモデータを一枚手渡す。
そこには確かに多くのチップの名前が記されており、アクアマンだけでは手に負えないのは一目瞭然だった。
どうやら本格的にアクアマンのサポートが仕事になりそうだ、と思いながら、ロックマンは訊いた。
「分かったよ。で、この中でアクアマンじゃ取れないデータはどれ?」
「えっと、これと、これと、これとこれっぴゅ! お願いっぴゅ!」
そう言うとアクアマンは自分が取れるチップデータを探しにロックマンの傍から離れて行ってしまった。
ロックマンは、最初はアクアマンにチップの場所だけは訊くつもりだったのだがそれができなくなってしまった事を少し残念に思いつつも、すぐに考えを切り替え近くの棚に触れた。
その棚からデータを読み取り、近くの物から順に、どれが何処にあるのかを頭の中に叩きこむように記憶する。
そしてアクアマンから言われた四つのチップデータの場所を確認したロックマンは、先ほどのようにそれに向けて跳躍した。
勿論、降下する時にはそのデータを手に持って、他のデータを崩さないように音と振動はなるべく抑えて。
そして一つ目のデータを手に持ったまま、二つ目、三つ目、四つ目と順々に跳躍して手にしていく。
三つ目と四つ目は同じチップが複数だったのでロックマンの手もなかなかいっぱいになり、これは確かにアクアマンだけでは運びきれないなと密かに思う。
そして、アクアマンに指示された全てのチップデータを持ったロックマンは、同じく自分の持てる分のチップデータを持ったアクアマンと共に部屋を出て、カウンターへ向かう。
そこでナンバーマンに声をかけようとしたロックマンをアクアマンが引きとめた。
「ロックマン、今回は、ロールちゃんの方っぴゅ!」
「あ、そうなんだ、ゴメンゴメン。」
アクアマンにそう言われて、ナンバーマンに声をかけないまま、ロックマンはロールの元へと向かう。
するとレジには今ロックマンとアクアマンが持っているチップを注文した客がいて、ロールとの時間つぶしの会話を楽しんでいた。
やっとの思いでカウンターへと着いたロックマンとロールが見た物は、ハチマキをして必死になってレジ打ちをするナンバーマンの姿であった。
一方アクアマンの姿は見えず、おそらく裏方を任されているのだろうとロックマンとロールが思った時、ナンバーマンが片手でレジを打ちながら二人に話しかけてきた。
「おお! ロックマンとロールではないか! ちょうどいい所へ来てくれた! ロールにはもう一つの仮設レジでレジ打ちを、ロックマンには裏方でアクアマンのサポートを頼みたい!」
先ほどの現実世界の日暮とは違い、ナンバーマンは自分の仕事をこなしながらもロックマン達へ的確な指示を下してくれた。
それに少し安堵しながら、ロールはナンバーマンの言う仮設レジ、つまりはもう一つのレジへ、そしてロックマンはカウンターよりも更に奥の部屋に入る。
ロックマンが奥の部屋に入ると、薄暗いそこではアクアマンが何やら困った顔でうろうろしていた。
ロックマンはアクアマンへ話しかける。
「アクアマン、手伝いに来たんだけど、何か困ってるのかい?」
「あ、ロックマンっぴゅ!」
ロックマンが話しかけると、アクアマンはうろうろとしていたその脚を止めてロックマンへ向き直った。
そして手の動きを交えながら大袈裟に、うろうろとしていた理由を説明する。
「そうっぴゅ! 棚の上のバトルチップデータがとれなくて困ってるっぴゅ!!」
今にも泣きだしそうに目をうるうるとさせるアクアマンに若干の危機感を抱きながら、ロックマンは訊く。
「じゃあ僕が取ってあげるよ。どのデータ?」
「あっちの方の、えっと、スーパーバルカンのデータっぴゅ!」
アクアマンが丸い手を指した先はとても高い位置で、ロックマンでもそのままでは届かないような位置だった。
ここがもし現実世界で、頼まれたのが熱斗だとしたら、あんなものは脚立を使っても無理だ、といわざるをえないだろうが、此処は電脳世界だ。
ロックマンは場所を確認し、視線の先に目的のチップデータを捕らえると、少し予備動作をつけて高く跳躍した。
そして目的のチップデータを手に持つとそのまま足から降下する。
あまり音や振動を立てずに静かに着地したロックマンの手には、スーパーバルカンのチップデータがしっかりと握られていた。
ロックマンはそれをアクアマンに手渡す。
「はい、取れたよ。」
「ありがとっぴゅ! さっそくお客さんに渡すっぴゅ~!」
泣きそうな顔を笑顔に変えたアクアマンは簡単に礼を言うと、部屋を出てカウンターへと走って出て行った。
どうやらロックマンの仕事は、アクアマンにバトルチップデータを渡す、もしくはアクアマンと同じくデータを持ってナンバーマンもしくはロールの所へ運ぶ、という事になりそうだ。
さて、これからもどんどん頑張るかな、とロックマンが思っていると、アクアマンがまた走って戻ってきた。
どうやら多くの注文を受けたらしく、手には簡単なメモデータが握られている。
「ロックマン、これはボク一人じゃ運びきれないっぴゅ~! 手伝ってほしいっぴゅ!」
そう言いながらアクアマンはロックマンにメモデータを一枚手渡す。
そこには確かに多くのチップの名前が記されており、アクアマンだけでは手に負えないのは一目瞭然だった。
どうやら本格的にアクアマンのサポートが仕事になりそうだ、と思いながら、ロックマンは訊いた。
「分かったよ。で、この中でアクアマンじゃ取れないデータはどれ?」
「えっと、これと、これと、これとこれっぴゅ! お願いっぴゅ!」
そう言うとアクアマンは自分が取れるチップデータを探しにロックマンの傍から離れて行ってしまった。
ロックマンは、最初はアクアマンにチップの場所だけは訊くつもりだったのだがそれができなくなってしまった事を少し残念に思いつつも、すぐに考えを切り替え近くの棚に触れた。
その棚からデータを読み取り、近くの物から順に、どれが何処にあるのかを頭の中に叩きこむように記憶する。
そしてアクアマンから言われた四つのチップデータの場所を確認したロックマンは、先ほどのようにそれに向けて跳躍した。
勿論、降下する時にはそのデータを手に持って、他のデータを崩さないように音と振動はなるべく抑えて。
そして一つ目のデータを手に持ったまま、二つ目、三つ目、四つ目と順々に跳躍して手にしていく。
三つ目と四つ目は同じチップが複数だったのでロックマンの手もなかなかいっぱいになり、これは確かにアクアマンだけでは運びきれないなと密かに思う。
そして、アクアマンに指示された全てのチップデータを持ったロックマンは、同じく自分の持てる分のチップデータを持ったアクアマンと共に部屋を出て、カウンターへ向かう。
そこでナンバーマンに声をかけようとしたロックマンをアクアマンが引きとめた。
「ロックマン、今回は、ロールちゃんの方っぴゅ!」
「あ、そうなんだ、ゴメンゴメン。」
アクアマンにそう言われて、ナンバーマンに声をかけないまま、ロックマンはロールの元へと向かう。
するとレジには今ロックマンとアクアマンが持っているチップを注文した客がいて、ロールとの時間つぶしの会話を楽しんでいた。