【女々しい自分を許容できるなら一人称を男性用にする訳が無いとかそういう話】


未彩「ハァ……。」
満「未彩ちゃん、どうしたの？なんだか悩まし気だけど……。」
未彩「あぁ、藤咲先生ですか。実は……最近、自分の『女々しさ』が嫌になる事が多々ありまして……」
満「え？女々しさ？」
未彩「はい。」
満「……あの、未彩ちゃん？『女々しい』って漢字でどう表記するか知ってる？」
未彩「『女』という漢字を2文字連続、或いは女の次に繰り返しを意味する漢字をならべてから平仮名で『しい』と表記……ですよね？」
満「うん、そうだね、それで……未彩ちゃん、君の性別は？」
未彩「え？女で……あっ。」
満「確かに直接的に性別を指す言葉ではないし、現代では対象者の性別を問わず使う事も多々ある言葉ではあるけど……それでも基本的には男性らしさのテンプレートに沿わない男性に対しての軽蔑・罵倒を前提とした表現だから、男性じゃない未彩ちゃんはあんまり気にしなくても大丈夫なんじゃないかな？」
未彩「……だとしても、そういった軽蔑表現の素になる様な粗悪な女らしさのテンプレートをなぞる形に自分がなってしまっていると思うと、俺は自分が嫌で堪りませんがね(※遠い目)」
満「うーん、難しいね……(※苦笑)」


登場人物：
清上院 未彩 (できるだけサッパリ生きていたいけど本質が合わないので上手くいかずに困る系の女子生徒)
藤咲 満 (この話だとサッパリ系に見えなくもないが、実は根っこの部分は結構女々しいというか未練がましいというか、とにかく執念深い傾向がある男性教師)