謎会話ログ≪1≫
【どう足掻いても結局はヒューマンホラーサスペンス】
満「うーん、僕はやっぱり、幽霊なんていう不確実な存在よりも生きている人間の方が怖い存在だと思うよ?まぁ、僕がそもそも幽霊を信じていない所為もあるかもしれないけど……」
論名「確かに、普通に生きている分には攻撃的な幽霊に遭遇する確率よりも狂った人間に遭遇する確率の方が高そうですから、分からない話ではありませんね。」
満「でしょ?所詮は一度朽ちた思考の残滓に過ぎず、感じられない人には一切感じられないらしい曖昧な存在である幽霊より、確実に実体があって誰にでも見えて誰にでも触れられる生きた人間とそれのタガが外れた行動の方がよっぽど恐ろしい……と、僕は思うかな。」
論名「成程。あ、でも『生きている内からタガが外れている人間が死んで幽霊になったケース』だったらどうだと思いますか?生者に仇をなす幽霊……悪霊や怨霊と呼ばれる性質が悪い霊は往々にして生前の理性のタガが外れているらしいですし、だとすれば生きている内からそれが外れている人間が死後幽霊となった場合は生きていた頃を超える恐ろしさを発揮できる可能性がある、と考える事もできる気が……しませんか?」
満「確かに、一理ある気もするね……でも、それってソイツの生前の『タガの外れ方』にもよるんじゃない?ほら、悪霊や怨霊って『特定の対象に怨みや憎しみを中心とした強い執着』を持っているのが基本みたいだし、そういう意味でタガの外れていた人間なら死して更に恐ろしくなるのも分かるけど……生きた人間のタガの外れ方って、必ずしもそうじゃないでしょ?」
論名「あぁ……殺人事件の動機における『誰でもよかった』と『コイツだから殺した』の違いみたいなものですかね?」
満「そうそう!生者としてタガが外れているのは両者とも同じでも、死後にもし幽霊化という段階があった時により強い殺傷力を持つのは後者――明確な呪いの対象がある怨恨殺人犯の方だと思うんだよね!」
論名「感情の強さ、明確さ、という意味ではそうかもしれませんね。でも、それって『殺したい相手を殺しきれないまま死んだ場合』に限られませんか?」
満「あー、確かにそれは……いや、案外そうじゃないかもしれないよ?」
論名「というと?」
満「……だって、多くの人間には色々な『繋がり』があるじゃないか。それは血縁の様な直接的な繋がりだったり、学校や職場での友人関係の様な横の繋がりだったり……或いは、直接の繋がりは無いが同じカテゴリーに分類できる人間、という意味だったり……其処を辿れば呪う範囲は無限に広がるでしょ?」
論名「あぁ、タガが外れた人間ならその辺まで怨恨の範囲を広げる可能性は十分ありそうですよね。……例え、生者であるとしても。」
満「でしょ?そう考えると、何方がより怖いかと言うよりも『幽霊が怖くなるのはそもそも生きた人間が怖い所為』って結論が一番正解に近そうだよねー。ねぇ、未彩ちゃんはどう思う?」
未彩「……中学校の校舎内、それも自分に関連のある学年の教室が並ぶ廊下で堂々とその様な立ち話をしている貴方達が一番怖い、と俺は思います。」
登場人物:
藤咲 満 (他人事の様に平然と喋っているお前こそ正に怨恨系の殺人鬼で生きている人間が一番怖い事の証明なんだよなぁ……)
清上院 論名 (コイツなら呪う幽霊も狂う人間も怖くない、に一票)
清上院 未彩 (今回は一番のマトモ枠)
満「うーん、僕はやっぱり、幽霊なんていう不確実な存在よりも生きている人間の方が怖い存在だと思うよ?まぁ、僕がそもそも幽霊を信じていない所為もあるかもしれないけど……」
論名「確かに、普通に生きている分には攻撃的な幽霊に遭遇する確率よりも狂った人間に遭遇する確率の方が高そうですから、分からない話ではありませんね。」
満「でしょ?所詮は一度朽ちた思考の残滓に過ぎず、感じられない人には一切感じられないらしい曖昧な存在である幽霊より、確実に実体があって誰にでも見えて誰にでも触れられる生きた人間とそれのタガが外れた行動の方がよっぽど恐ろしい……と、僕は思うかな。」
論名「成程。あ、でも『生きている内からタガが外れている人間が死んで幽霊になったケース』だったらどうだと思いますか?生者に仇をなす幽霊……悪霊や怨霊と呼ばれる性質が悪い霊は往々にして生前の理性のタガが外れているらしいですし、だとすれば生きている内からそれが外れている人間が死後幽霊となった場合は生きていた頃を超える恐ろしさを発揮できる可能性がある、と考える事もできる気が……しませんか?」
満「確かに、一理ある気もするね……でも、それってソイツの生前の『タガの外れ方』にもよるんじゃない?ほら、悪霊や怨霊って『特定の対象に怨みや憎しみを中心とした強い執着』を持っているのが基本みたいだし、そういう意味でタガの外れていた人間なら死して更に恐ろしくなるのも分かるけど……生きた人間のタガの外れ方って、必ずしもそうじゃないでしょ?」
論名「あぁ……殺人事件の動機における『誰でもよかった』と『コイツだから殺した』の違いみたいなものですかね?」
満「そうそう!生者としてタガが外れているのは両者とも同じでも、死後にもし幽霊化という段階があった時により強い殺傷力を持つのは後者――明確な呪いの対象がある怨恨殺人犯の方だと思うんだよね!」
論名「感情の強さ、明確さ、という意味ではそうかもしれませんね。でも、それって『殺したい相手を殺しきれないまま死んだ場合』に限られませんか?」
満「あー、確かにそれは……いや、案外そうじゃないかもしれないよ?」
論名「というと?」
満「……だって、多くの人間には色々な『繋がり』があるじゃないか。それは血縁の様な直接的な繋がりだったり、学校や職場での友人関係の様な横の繋がりだったり……或いは、直接の繋がりは無いが同じカテゴリーに分類できる人間、という意味だったり……其処を辿れば呪う範囲は無限に広がるでしょ?」
論名「あぁ、タガが外れた人間ならその辺まで怨恨の範囲を広げる可能性は十分ありそうですよね。……例え、生者であるとしても。」
満「でしょ?そう考えると、何方がより怖いかと言うよりも『幽霊が怖くなるのはそもそも生きた人間が怖い所為』って結論が一番正解に近そうだよねー。ねぇ、未彩ちゃんはどう思う?」
未彩「……中学校の校舎内、それも自分に関連のある学年の教室が並ぶ廊下で堂々とその様な立ち話をしている貴方達が一番怖い、と俺は思います。」
登場人物:
藤咲 満 (他人事の様に平然と喋っているお前こそ正に怨恨系の殺人鬼で生きている人間が一番怖い事の証明なんだよなぁ……)
清上院 論名 (コイツなら呪う幽霊も狂う人間も怖くない、に一票)
清上院 未彩 (今回は一番のマトモ枠)