謎会話ログ≪1≫
【それは金銭の掛からない、しかし金銭よりも特別に貴重で互いに何処までも貪欲に欲しくなるモノ】(※【KitS 3】後日談ネタ9)
※藤咲 満のヤンデレ化に注意※
未彩「藤咲先生。」
満「未彩ちゃん! 来てくれてありがとう。」
未彩「いえ。それで……此処(屋上)に呼び出すという事は、何か重要な話を……?」
満「うん、そういう事。……未彩ちゃん、そろそろ誕生日だよね? 確か、7月10日でしょ?」
未彩「えっ? ……あぁ、ハイ、まぁ……そう、ですが……」
満「だよね! 良かったー、間違えてなくて!」
未彩「えっと、あの……それが一体どうし」
満「ねぇ、プレゼントは何が良いかな?」
未彩「は?」
満「こういうのってサプライズの方が良いって話も多いみたいだけど、僕としては情報不足や誤認識で相手が要らない物を押し付けるよりも直接訊いて相手が欲しい物を渡す方が良いかなって思ったからさ……ねぇ、未彩ちゃんが欲しい物、教えて?」
未彩「え、いや、あの……」
満「あぁ、あんまり遠慮しなくて大丈夫だよ?僕はこれでも社会人だからね。並みの物なら普通に買ってあげられると思う、って事はこの前の物(モバイルバッテリー)で分かって」
未彩「待ってください!! 俺は別に貴方に何か買って欲しいなんて少しも思っていません!!」
満「……僕から祝われたり、何か送られるのは……嫌?(それ……理由によっては赦さないよ?)」
未彩「(ッ!? 今、空気が鋭く変わった様な気が……いや、それよりも……)俺が嫌なのは、俺に対する扶養義務の無い人間に俺の為の金銭的負荷を掛ける事です。要するに、両親以外にその様な……自分の為に何かを買って欲しいと要求したくないという事で……藤咲先生が俺の誕生日などという超個人的な日付を気にしてくれた気持ち自体は勿論嬉しいと感じています。ですが、だからと言って金銭的な要素が絡む要求をする事は、俺にはとても、できません……(正直、以前の件も辞退できるならしたかったぐらいだと言うのに、これ以上俺なんかに金銭的なリソースを割かれるのは……それ相応の価値を返せる訳ではない俺には、流石に……)」
満「……。(んー……そういう真面目なところも好きなんだけど、これは悲しいなぁ……その意味では、サプライズの方が良かったのかも。前回みたいにすれば拒否の余地を残さない様にできる訳だし。……さて、此処からどうしたものか。)」
未彩「(うぅ……心底不満げな表情で黙られてしまった……しかし、コレばかりは変に折れる訳にも……何か、代替案は……)」
満「(まぁ、此処は良心の呵責の様な箇所に訴えるのが早いかな。)うーん……未彩ちゃんがとても真面目で良い子なのは僕もよく知っているし、あんまり無理強いすべきじゃない事なのも分かるけど……やっぱり、残念だなぁ……大切な子の大切な日だから、出来るだけ分かりやすい形で祝いたかったんだけど……なんか、フラれちゃったみたいで少し寂しいや(※悲しそうな苦笑に見える表情)」
未彩「あ……(そんな……そんな表情と言葉、狡いにも程が……)」
満「勿論、未彩ちゃんは僕に負担を掛けたくないって思ってくれてるからだって、それは分かったけど……でも、僕にとってそれは何も負担じゃないし、それより……君の為にしてあげられる事が減る方が、悲しいかな。(……ねぇ、寂しさに怯えて僕に縋った事のある君なら、怖いでしょ? 僕が君に突き放されたと思って何かを諦めようとしている様に見える言動は。……だから早く、言い訳を紡いで見せて? そうしたら、僕がその中に解決の糸口を築いて正しく導いてあげるから……さぁ、早く!!)」
未彩「(どうする……例え藤咲先生の言葉に嘘や未来での後悔の危険性が無いとしても、俺は親以外に金銭的負担を掛けさせたくはないし……そもそも、俺が本当に欲しい物は、金銭やそれに類するものでは……クソッ、こうなったら一か八かだ!)……あの、だったら……」
満「ん?」
未彩「物ではなく……時間を、くれませんか?」
満「時間? ……それって、どういう事?(少し考えたいから時間を、って訳じゃなさそうだけど……。)」
未彩「……当日の夜、普段より早くから、普段より遅くまで……俺の話し相手になってください。普段であれば貴方一人の自由時間である筈の時間を、その日は……俺に、ください。」
満「えっと……それで、良いの?(いやまぁ、そういうのも悪くはないけど……やっぱり、気を遣われている感が)」
未彩「それで良い、ではなく『それが良い』んです。俺は、自分や親でも簡単に入手できる様な物を貰うより、貴方が居なければ成立しないモノを貰える方がずっと嬉しいですし……それなら、欲しがる気持ちがある事を否定できませんから。」
満「……(あぁ、どうしよう……これ……僕の想定とは違ったけど、でも、凄く嬉しくて……軽く気が触れそう!! だってそれって、突き詰めれば……どんな物よりも僕が欲しい、僕の方が良い……って事だよね!?)」
未彩「……まぁ、ある意味で金銭やそれに類する物よりも貴重と言えるモノの要求となりますが、それでも藤咲先生が良いと思っ」
満「良いに決まってるじゃないか!! 当日は早くから電話できる様にするし、遅くまで切らないからね!!(※少し興奮気味にも見える笑顔)」
未彩「えっ、あっ……ハイ、ありがとうございます……(反応、良過ぎないか……? まぁ、これで俺の所為で金銭負荷を掛ける事は回避できただろうし、藤咲先生も嬉しそうで何よりと言ったところではあるし……俺も、この結果を喜んでしまっている事は否定できないが……。)」
満「(あぁもう、嬉し過ぎておかしくなりそう……此処が学校じゃなかったり、辺りが暗くて周囲の視界が悪かったら今直ぐ抱き締めて何度も『大好き』『愛してる』『ずっと一緒で居よう』って言い聞かせるのに!!)」
未彩「(これを承諾される事が嬉しいなんて……俺は、酷い卑怯者だな……こんな、相手の善意に便乗する形で他人の時間を……人生の一部を、自分の為に奪うなんて……せめて、藤咲先生の嬉しそうな態度が本気である事を祈りたいものだ。そう、この約束は俺だけでなくこの人にも何らかの利益がある事であって欲しいと俺は思う。……例え、そう思う事すら俺が卑怯者である事の証拠に過ぎないとしても……どうか。)」
登場人物:
清上院 未彩 (わざわざ祈らなくても満は最初から本気度200%だしお前の想像以上に利益を感じているから安心しろ。……というか、別の意味で心配しろ)
藤咲 満 (このシリーズではいつもの事だけど思考回路が大概ヤバい。というか、中盤はしおらしい演技ができたのに、終盤……つか、お前は最初から十分におかしいんですが、それは)
補足情報:
作中の日付は7月6日~7月8日の何処かだと想定してください。
尚、満の誕生日は7月4日です。
※藤咲 満のヤンデレ化に注意※
未彩「藤咲先生。」
満「未彩ちゃん! 来てくれてありがとう。」
未彩「いえ。それで……此処(屋上)に呼び出すという事は、何か重要な話を……?」
満「うん、そういう事。……未彩ちゃん、そろそろ誕生日だよね? 確か、7月10日でしょ?」
未彩「えっ? ……あぁ、ハイ、まぁ……そう、ですが……」
満「だよね! 良かったー、間違えてなくて!」
未彩「えっと、あの……それが一体どうし」
満「ねぇ、プレゼントは何が良いかな?」
未彩「は?」
満「こういうのってサプライズの方が良いって話も多いみたいだけど、僕としては情報不足や誤認識で相手が要らない物を押し付けるよりも直接訊いて相手が欲しい物を渡す方が良いかなって思ったからさ……ねぇ、未彩ちゃんが欲しい物、教えて?」
未彩「え、いや、あの……」
満「あぁ、あんまり遠慮しなくて大丈夫だよ?僕はこれでも社会人だからね。並みの物なら普通に買ってあげられると思う、って事はこの前の物(モバイルバッテリー)で分かって」
未彩「待ってください!! 俺は別に貴方に何か買って欲しいなんて少しも思っていません!!」
満「……僕から祝われたり、何か送られるのは……嫌?(それ……理由によっては赦さないよ?)」
未彩「(ッ!? 今、空気が鋭く変わった様な気が……いや、それよりも……)俺が嫌なのは、俺に対する扶養義務の無い人間に俺の為の金銭的負荷を掛ける事です。要するに、両親以外にその様な……自分の為に何かを買って欲しいと要求したくないという事で……藤咲先生が俺の誕生日などという超個人的な日付を気にしてくれた気持ち自体は勿論嬉しいと感じています。ですが、だからと言って金銭的な要素が絡む要求をする事は、俺にはとても、できません……(正直、以前の件も辞退できるならしたかったぐらいだと言うのに、これ以上俺なんかに金銭的なリソースを割かれるのは……それ相応の価値を返せる訳ではない俺には、流石に……)」
満「……。(んー……そういう真面目なところも好きなんだけど、これは悲しいなぁ……その意味では、サプライズの方が良かったのかも。前回みたいにすれば拒否の余地を残さない様にできる訳だし。……さて、此処からどうしたものか。)」
未彩「(うぅ……心底不満げな表情で黙られてしまった……しかし、コレばかりは変に折れる訳にも……何か、代替案は……)」
満「(まぁ、此処は良心の呵責の様な箇所に訴えるのが早いかな。)うーん……未彩ちゃんがとても真面目で良い子なのは僕もよく知っているし、あんまり無理強いすべきじゃない事なのも分かるけど……やっぱり、残念だなぁ……大切な子の大切な日だから、出来るだけ分かりやすい形で祝いたかったんだけど……なんか、フラれちゃったみたいで少し寂しいや(※悲しそうな苦笑に見える表情)」
未彩「あ……(そんな……そんな表情と言葉、狡いにも程が……)」
満「勿論、未彩ちゃんは僕に負担を掛けたくないって思ってくれてるからだって、それは分かったけど……でも、僕にとってそれは何も負担じゃないし、それより……君の為にしてあげられる事が減る方が、悲しいかな。(……ねぇ、寂しさに怯えて僕に縋った事のある君なら、怖いでしょ? 僕が君に突き放されたと思って何かを諦めようとしている様に見える言動は。……だから早く、言い訳を紡いで見せて? そうしたら、僕がその中に解決の糸口を築いて正しく導いてあげるから……さぁ、早く!!)」
未彩「(どうする……例え藤咲先生の言葉に嘘や未来での後悔の危険性が無いとしても、俺は親以外に金銭的負担を掛けさせたくはないし……そもそも、俺が本当に欲しい物は、金銭やそれに類するものでは……クソッ、こうなったら一か八かだ!)……あの、だったら……」
満「ん?」
未彩「物ではなく……時間を、くれませんか?」
満「時間? ……それって、どういう事?(少し考えたいから時間を、って訳じゃなさそうだけど……。)」
未彩「……当日の夜、普段より早くから、普段より遅くまで……俺の話し相手になってください。普段であれば貴方一人の自由時間である筈の時間を、その日は……俺に、ください。」
満「えっと……それで、良いの?(いやまぁ、そういうのも悪くはないけど……やっぱり、気を遣われている感が)」
未彩「それで良い、ではなく『それが良い』んです。俺は、自分や親でも簡単に入手できる様な物を貰うより、貴方が居なければ成立しないモノを貰える方がずっと嬉しいですし……それなら、欲しがる気持ちがある事を否定できませんから。」
満「……(あぁ、どうしよう……これ……僕の想定とは違ったけど、でも、凄く嬉しくて……軽く気が触れそう!! だってそれって、突き詰めれば……どんな物よりも僕が欲しい、僕の方が良い……って事だよね!?)」
未彩「……まぁ、ある意味で金銭やそれに類する物よりも貴重と言えるモノの要求となりますが、それでも藤咲先生が良いと思っ」
満「良いに決まってるじゃないか!! 当日は早くから電話できる様にするし、遅くまで切らないからね!!(※少し興奮気味にも見える笑顔)」
未彩「えっ、あっ……ハイ、ありがとうございます……(反応、良過ぎないか……? まぁ、これで俺の所為で金銭負荷を掛ける事は回避できただろうし、藤咲先生も嬉しそうで何よりと言ったところではあるし……俺も、この結果を喜んでしまっている事は否定できないが……。)」
満「(あぁもう、嬉し過ぎておかしくなりそう……此処が学校じゃなかったり、辺りが暗くて周囲の視界が悪かったら今直ぐ抱き締めて何度も『大好き』『愛してる』『ずっと一緒で居よう』って言い聞かせるのに!!)」
未彩「(これを承諾される事が嬉しいなんて……俺は、酷い卑怯者だな……こんな、相手の善意に便乗する形で他人の時間を……人生の一部を、自分の為に奪うなんて……せめて、藤咲先生の嬉しそうな態度が本気である事を祈りたいものだ。そう、この約束は俺だけでなくこの人にも何らかの利益がある事であって欲しいと俺は思う。……例え、そう思う事すら俺が卑怯者である事の証拠に過ぎないとしても……どうか。)」
登場人物:
清上院 未彩 (わざわざ祈らなくても満は最初から本気度200%だしお前の想像以上に利益を感じているから安心しろ。……というか、別の意味で心配しろ)
藤咲 満 (このシリーズではいつもの事だけど思考回路が大概ヤバい。というか、中盤はしおらしい演技ができたのに、終盤……つか、お前は最初から十分におかしいんですが、それは)
補足情報:
作中の日付は7月6日~7月8日の何処かだと想定してください。
尚、満の誕生日は7月4日です。