謎会話ログ≪1≫

【何処かの世界線であったかもしれないアルハラとその結果の話:藤咲 満の場合】

※本編より前の話※


風美「皆、ちょっといいかい?今年の新人歓迎会を今週金曜夜に××区の居酒屋でやるから、出欠を確認したいんだけど。」
雪菜「私は参加できますよ。」
風美「いいねぇ、冬花先生はOKっと……」
Crown「えっと、それって僕も参加しても良いんですよね……?」
風美「アンタは寧ろ強制参加だよ!自分が新人だって事、もう忘れちゃったのかい?ww」
Crown「え、あ……忘れた訳じゃないですからっ!(※やや赤面)」
風美「アッハッハ、本気で言ってる訳じゃないから安心しなよww んで、他は……」
満「……僕は不参加でお願いします(※遠い目)」
風美「あー、藤咲先生は仕方ないねぇ……新人に怖い奴だと思われたくないならそれが良いよww(※僅かに苦笑交じりの笑顔)」
満「うっ……でも、アレは僕だけが悪い訳じゃないですからね!?僕は最初にアルコールは断ると宣言していましたからね!?それなのにあんな……それこそ女性にやったら訴えられてもおかしく無い事をした当時の参加者の中の誰かが最大の戦犯ですからね!?(※必死)」
Crown「……あの、冬花先生……藤咲先生、過去に何かあったんですか?」
雪菜「えっと、それは……(※視線が泳ぐ)」
満「とにかく!!あの時の僕はまずは被害者なんです!!だから、発言自体の責任は僕にあるとしても、根本的で最終的な責任を取るべき悪者は僕を最初の被害者にした奴の方であってッ……!!」
風美「分かってる!分かってるから落ち着きな!ほら、次の時間は授業があるんだろ?早めに行っておいで!」
満「うぅ……分かりました、少し早いですけど行ってきます……。」

風美「……ふぅ。藤咲先生、今でも気にしてるんだねぇ……。」
雪菜「まぁ、完璧主義なところがある様ですし、仕方ないですよ……。」
Crown「えっと……その、藤咲先生が言ってた事って、どういう……?」
風美「あー……実はね、藤咲先生が新人だった頃の話なんだけどねぇ……お酒は飲まないけどそれでも良いなら、って条件で新人歓迎会に参加した藤咲先生に、その……誰かがどうにかして少しずつ飲ませていたらしいんだよね、アルコールを混ぜたソフトドリンクもどきを。」
Crown「えっ!?それって凄く不味い事なんじゃないですか!?」
雪菜「そうですね……もしも藤咲先生が本当に一切飲めないタイプの人だったら119番通報沙汰もあったかもしれませんし、そうでなくても飲酒の強要は断じて許される事ではない、と養護教諭の立場から言わせて頂きます。」
Crown「うわぁ……あれっ?でもその言い方って……」
雪菜「えぇ、119番通報に至る事は無かったんです、けども……」
風美「藤咲先生は酔った時の言動が大分荒っぽいタイプだったみたいで、ねぇ……」
Crown「……。」
風美「……藤咲先生は元々飲み会みたいなものは好きじゃなかったみたいでね、自分が新人の新人歓迎会にも拘らず隅の方の席に座っていて割と静かだったんだよ。でも、最初の内は近場の奴等の会話に短い相槌を打つぐらいの事はしていて……今思えば、あの時はまだ素面だったんだろうねぇ……。」
Crown「その後に、一体何が……」
雪菜「……それから暫くして、藤咲先生が周囲に相槌を打つ頻度が下がってきたんです。それで、最終的には誰の会話にも何も反応しなくなってしまって……今思えば、あれは酩酊状態である合図だったんですよね……」
Crown「そ、それで……?」
風美「……黙っちまった藤咲先生が気になったのか、藤咲先生と同じく新人だった娘(こ)がね、藤咲先生に声を掛けたんだよ。『藤咲さん、どうしましたかぁー?大丈夫ですかぁー?』って。そうしたら……その……藤咲先生の返事が……ねぇ……」
Crown「……。」

風美「……『煩い黙れ視界から失せろ腐れビッチ』……って、嫌悪感を剥き出しにした声と顔で言ったもんだから、ねぇ……。」

Crown「……えっ、それ……えっ?(※表情が強張る)」
風美「まぁ、そりゃあそういう反応になるもんだよ、普通は。」
雪菜「今思い出しても衝撃を感じますよね……一瞬で店内全体の空気が凍りましたから。」
Crown「え、あ、あの……あの穏やかそうな藤咲先生が……そんな強烈過ぎる暴言を、何の脈絡も無く同世代の女性に言ったなんて、本当なんですか……!?」
風美「正直アタシ達もこの話が冗談だったら良いのにと思うんだよねぇ……(※遠い目気味の苦笑)」
雪菜「ですよね……とにかく、私達はそれで藤咲先生が素面ではない事を察したので、暴言を吐かれた女性の事は葉暗先生にフォローしてもらいつつ、私は少しでも早く藤咲先生の酔いがさめる様、とにかく水を飲ませる作業に当たりました(※溜息)」
Crown「何て言うか……悲惨、ですね……というか、名誉棄損での訴訟案件にはならずに済んだんですか?」
風美「まぁ、あの飲酒は藤咲先生の意思じゃなさそうだった事はその店のスタッフの証言である程度掴めたし、アタシ達も一緒に謝る事と今後はそうやって誰かを騙して飲酒させるのは禁止って通達を強固にする事でその娘にはとりあえず許してもらったよ。」
雪菜「藤咲先生が本当にその時の事を全く覚えていなかったのが大変でしたよね……。」
Crown「……(どうしよう、藤咲先生とは方向が違うけど、僕もあんまりアルコールに強くないし……参加しない方が良いかなぁ……)。」

風美「……しかしまぁ、藤咲先生からあの娘への暴言は実はあながち間違いでもなかった事が少し後に分かった時はもっと驚いたもんだったねぇ。」
Crown「えっ?」
雪菜「確かに驚きましたよね……正式な婚約者を含め4人の男性と同時に深い関係を持っていて、その話が此処にも回ってきた事で居辛くなって早々に自主退職する事になった、なんて……」
Crown「……ええっ!?」
風美「……これは飽く迄もアタシの勝手な想像だけど、あの娘が沈黙した藤咲先生に声を掛けたのは5人目にする気だったからなんじゃないか、って……正直、思っちまうよ。」
Crown「あの……仮にそれが正解だったら、藤咲先生に飲酒させた犯人って、その女性だったんじゃ……?」
雪菜「……彼女が退職して暫く、職員室ではそう囁かれていましたね。勿論、真相は分からないですが。」
風美「ホント、色々と怖い話だよ……。」
Crown「(……やっぱり欠席しようかなぁ、僕。)」


登場人物:
藤咲 満 (発言時の記憶は本当に一切残っていない。アルコール耐性はかなり貧弱)
葉暗 風美 (成人勢の中では最強の耐性持ち)
Crown=White (方向性は違うが弱さは満と同レベル)
冬花 雪菜 (耐性は普通。自分で調節できる系)
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