謎会話ログ≪1≫
【学校の中に潜む殺人鬼にとって校内で広がる自己責任論は如何に見えるものなのか?】
≪場所:校舎内、廊下≫
女子生徒「な……なんでそんな事言うの!?」
真波「はぁ~? だってそんなの『自己責任』じゃん!! あんたの自業自得でしょ!! あたし関係無いから!! じゃーね!!」
満「……。」
未彩「……藤咲先生? そんな所に立ち尽くして、どうかしたんですか?」
満「えっ? あ、あぁ、未彩ちゃんか……いやその、月曜日の朝礼で校長が『自己責任』を語ってから、生徒間でもそういう感じの言い合いを見掛ける事が増えたなぁ、って思ってね。」
未彩「あぁ、それは確かに……藤咲先生は、自己責任論が嫌いなんですか?」
満「嫌い、という訳ではないかな……そういう理論は自分で自分に使う場合や自分と他人の両方に等しく使う場合には問題無いものだと思うし。ただ『他人にだけ使う』パターンは……短い目で見れば賢そうに見えるかもしれないけど、長い目で見れば『寧ろ馬鹿だ』という話の気がする、って感じかな。」
未彩「えっと、それはどういう意味ですか?」
満「んー……簡単に言えば『情けは人の為ならず』の逆になる、って意味かな。あ、此処で言う情けは人の為ならずは飽く迄も『正しい意味』の方だからね? 自己責任論と似た様な意味になる誤用の方じゃなくて。」
未彩「あぁ、正しい意味は『他者への良い行いはいつか巡り巡って自分にも良い結果をもたらす』として情けを肯定する意味ですよね? 最近は、親切は相手の為にならないからするな、という意味の誤用をされる事も多いですが。……で、正しい意味の逆になる、とは……」
満「……助けを求める他人に対して自己責任論を突き付け続ける奴は、いつか自分が助けを求めたい状況に堕ちた際に他人から自己責任論を突き付け返されて助けてもらえなくても『当然』だ、と思わない?」
未彩「……あぁ、成程。他者の困難に対して自己責任論を突き付けて救援を拒否するならば、自身の困難に対して自己責任論を突き付けられ救援を拒否される事も肯定しなければ『筋が通らない』という事ですね。それは俺も思います。」
満「でしょ? だから、他人にだけ自己責任論を突き付けるスタンスを取る事は長い目で見ればあまり得策じゃない筈なんだ。……と言っても、現代社会には下手に助けようとしない方が良いケースが多々ある事も否定は出来ないから、その場合には自己責任論を理由に突き放すのもアリだと思うけどね。」
未彩「まぁ、そういう事もありますからね。」
満「……あと、目の前で助けを求める他人が自分にとって大切ではないどころか『嫌悪感しか湧かない不要物』だった場合も自己責任論は有効だよ? 自分が手を下さなくとも『勝手に苦しみ続けてくれる』んだからさww」
未彩「……藤咲先生ってそういうタイプですよね。」
満「アハハ、自覚はあるから安心してね?ww ……それに、そういう適切なケース以外で自己責任論を他人に対してだけ安易に振りかざす事に関して僕があまり肯定的ではない事は確かだよ。例え、社会全体がそれを正しい事だと認識していてもね。」
未彩「……確かに、自己責任論は社会や世間にとっては極めて正しい事ですね。それに、誰であろうと『他人に関する責任など負いたくない事が普通』だろうとは俺も思いますし、俺も極力遠慮したい事は否定できませんからね。」
満「ま、それは僕もそうなんだけどね……でも、だからこそ僕は自分から自分に自己責任論を向ける事で『他人の助けなんかに期待しない』様に自分を律しているよ。そうじゃなきゃ、筋が通らないからさ。」
未彩「……。」
満「それと、僕は他人だけに向ける自己責任論が好きな癖に自分は他人に助けられる事を求めるという馬鹿げた奴等に一切の情けを掛けない。……だって、自己責任論者が自己責任論に苦しむなんて『最も自己責任』でしょ? 存分に苦しめって話だよ。」
未彩「それは、まぁ……そうですね、概ね同意します。」
満「……とはいえ、そういう自己責任論者に限って『意外と人脈がある』事が多いから、僕が見捨てても他のお人好しが助けに行く所為で大して苦しんでくれないのは正直悔しいんだけどね!!(※苛立たしげな声)」
未彩「えっ?」
満「というか極論、自己責任論っていうのは『独りで堕ちた事が無い』奴等の戯言に過ぎないんだよ!! どれだけ偉そうな事を言っていても所詮は底辺の景色を知らない上位層!! 自己責任論を騒いでいる割に周囲からヨチヨチしてもらえる事が確実という矛盾した温室育ち共の妄言!! 所詮はカースト上位の腐った寝言!! 故に、奴等はもしも独りで堕ちる事があれば一気に無力と化す雑魚でしかない!!(※熱弁)」
未彩「あ、あの、藤咲先生……?(※困惑)」
満「だからね、未彩ちゃん……よくあるフィクションでは1+1は無限大とか言って集団の力を誇示するけど、現実で最後に残るのは結局『個人の力』だけなんだよ? それに、現実の人間共の1+1なんて実際は単独での1にすら劣る0.5程度なんだし、0.5を無限大と勘違いする馬鹿げた複数は単数故の1という個人の全力を以って叩き潰せば良いだけなんだよ? この事、君なら分かるよね? ねぇ?(※目がヤバい)」
未彩「……ハイ、ワカリマス……(これは、藤咲先生には『最初から助けてもらえなかった経験』か『上手く助かれなかった事を自己責任扱いされた経験』の何方かがあり、その経験から他人の救援や集団の力には見切りをつけて個人の力の強化に固執しているという事であり、それ故の『忠告』なのだろうが……何故、俺を『忠告が必要な側』だと思ったのかは……あまり考えたくないな)。」
満「……フフッ、分かってくれて良かったよ。(……未彩ちゃんは気付いてなかったみたいだけど、さっきあっちで騒いでいた女子生徒達の片方は未彩ちゃんとまぁまぁの関わりがある真波ちゃんだったからね……いつか未彩ちゃんも同じ目に遭わされそうだし、その時にこの会話がちょっとした避難の余地みたいになれば良い、けど……そこは、その時にならないと分からない事かな。)」
未彩「ハハ……それはどうも……(※苦笑)」
満「ま、最終的には『目には目を歯には歯を』って話だよね。自己責任論には自己責任論を、的な感じで。」
未彩「……藤咲先生って、結構な過激思想ですよね?」
満「多勢に無勢の無勢側で生きていくならこのくらいの覚悟はしておかないと……でしょ?」
未彩「同意を求める様な雰囲気で言わないでください……。」
登場人物:
藤咲 満 (見方によっては究極の自己責任論者でもあるが、本人曰く「他人に助けを求めない僕なら筋は通る」との事。まぁ、殺人鬼だし多少はね?)
清上院 未彩 (この時点では比較的穏健派だが、大人に成る頃にどうなっているかは微妙である。……いつまで、真波の『後先考えない軽薄な発言』を信じるのやら?)
桜木 真波 (未彩は『親友』? いいえ、そんなのその場限りで空っぽな発言ですよ?ww)
女子生徒 (飽く迄もモブ。真波と言い争っていた理由は不明。)
≪場所:校舎内、廊下≫
女子生徒「な……なんでそんな事言うの!?」
真波「はぁ~? だってそんなの『自己責任』じゃん!! あんたの自業自得でしょ!! あたし関係無いから!! じゃーね!!」
満「……。」
未彩「……藤咲先生? そんな所に立ち尽くして、どうかしたんですか?」
満「えっ? あ、あぁ、未彩ちゃんか……いやその、月曜日の朝礼で校長が『自己責任』を語ってから、生徒間でもそういう感じの言い合いを見掛ける事が増えたなぁ、って思ってね。」
未彩「あぁ、それは確かに……藤咲先生は、自己責任論が嫌いなんですか?」
満「嫌い、という訳ではないかな……そういう理論は自分で自分に使う場合や自分と他人の両方に等しく使う場合には問題無いものだと思うし。ただ『他人にだけ使う』パターンは……短い目で見れば賢そうに見えるかもしれないけど、長い目で見れば『寧ろ馬鹿だ』という話の気がする、って感じかな。」
未彩「えっと、それはどういう意味ですか?」
満「んー……簡単に言えば『情けは人の為ならず』の逆になる、って意味かな。あ、此処で言う情けは人の為ならずは飽く迄も『正しい意味』の方だからね? 自己責任論と似た様な意味になる誤用の方じゃなくて。」
未彩「あぁ、正しい意味は『他者への良い行いはいつか巡り巡って自分にも良い結果をもたらす』として情けを肯定する意味ですよね? 最近は、親切は相手の為にならないからするな、という意味の誤用をされる事も多いですが。……で、正しい意味の逆になる、とは……」
満「……助けを求める他人に対して自己責任論を突き付け続ける奴は、いつか自分が助けを求めたい状況に堕ちた際に他人から自己責任論を突き付け返されて助けてもらえなくても『当然』だ、と思わない?」
未彩「……あぁ、成程。他者の困難に対して自己責任論を突き付けて救援を拒否するならば、自身の困難に対して自己責任論を突き付けられ救援を拒否される事も肯定しなければ『筋が通らない』という事ですね。それは俺も思います。」
満「でしょ? だから、他人にだけ自己責任論を突き付けるスタンスを取る事は長い目で見ればあまり得策じゃない筈なんだ。……と言っても、現代社会には下手に助けようとしない方が良いケースが多々ある事も否定は出来ないから、その場合には自己責任論を理由に突き放すのもアリだと思うけどね。」
未彩「まぁ、そういう事もありますからね。」
満「……あと、目の前で助けを求める他人が自分にとって大切ではないどころか『嫌悪感しか湧かない不要物』だった場合も自己責任論は有効だよ? 自分が手を下さなくとも『勝手に苦しみ続けてくれる』んだからさww」
未彩「……藤咲先生ってそういうタイプですよね。」
満「アハハ、自覚はあるから安心してね?ww ……それに、そういう適切なケース以外で自己責任論を他人に対してだけ安易に振りかざす事に関して僕があまり肯定的ではない事は確かだよ。例え、社会全体がそれを正しい事だと認識していてもね。」
未彩「……確かに、自己責任論は社会や世間にとっては極めて正しい事ですね。それに、誰であろうと『他人に関する責任など負いたくない事が普通』だろうとは俺も思いますし、俺も極力遠慮したい事は否定できませんからね。」
満「ま、それは僕もそうなんだけどね……でも、だからこそ僕は自分から自分に自己責任論を向ける事で『他人の助けなんかに期待しない』様に自分を律しているよ。そうじゃなきゃ、筋が通らないからさ。」
未彩「……。」
満「それと、僕は他人だけに向ける自己責任論が好きな癖に自分は他人に助けられる事を求めるという馬鹿げた奴等に一切の情けを掛けない。……だって、自己責任論者が自己責任論に苦しむなんて『最も自己責任』でしょ? 存分に苦しめって話だよ。」
未彩「それは、まぁ……そうですね、概ね同意します。」
満「……とはいえ、そういう自己責任論者に限って『意外と人脈がある』事が多いから、僕が見捨てても他のお人好しが助けに行く所為で大して苦しんでくれないのは正直悔しいんだけどね!!(※苛立たしげな声)」
未彩「えっ?」
満「というか極論、自己責任論っていうのは『独りで堕ちた事が無い』奴等の戯言に過ぎないんだよ!! どれだけ偉そうな事を言っていても所詮は底辺の景色を知らない上位層!! 自己責任論を騒いでいる割に周囲からヨチヨチしてもらえる事が確実という矛盾した温室育ち共の妄言!! 所詮はカースト上位の腐った寝言!! 故に、奴等はもしも独りで堕ちる事があれば一気に無力と化す雑魚でしかない!!(※熱弁)」
未彩「あ、あの、藤咲先生……?(※困惑)」
満「だからね、未彩ちゃん……よくあるフィクションでは1+1は無限大とか言って集団の力を誇示するけど、現実で最後に残るのは結局『個人の力』だけなんだよ? それに、現実の人間共の1+1なんて実際は単独での1にすら劣る0.5程度なんだし、0.5を無限大と勘違いする馬鹿げた複数は単数故の1という個人の全力を以って叩き潰せば良いだけなんだよ? この事、君なら分かるよね? ねぇ?(※目がヤバい)」
未彩「……ハイ、ワカリマス……(これは、藤咲先生には『最初から助けてもらえなかった経験』か『上手く助かれなかった事を自己責任扱いされた経験』の何方かがあり、その経験から他人の救援や集団の力には見切りをつけて個人の力の強化に固執しているという事であり、それ故の『忠告』なのだろうが……何故、俺を『忠告が必要な側』だと思ったのかは……あまり考えたくないな)。」
満「……フフッ、分かってくれて良かったよ。(……未彩ちゃんは気付いてなかったみたいだけど、さっきあっちで騒いでいた女子生徒達の片方は未彩ちゃんとまぁまぁの関わりがある真波ちゃんだったからね……いつか未彩ちゃんも同じ目に遭わされそうだし、その時にこの会話がちょっとした避難の余地みたいになれば良い、けど……そこは、その時にならないと分からない事かな。)」
未彩「ハハ……それはどうも……(※苦笑)」
満「ま、最終的には『目には目を歯には歯を』って話だよね。自己責任論には自己責任論を、的な感じで。」
未彩「……藤咲先生って、結構な過激思想ですよね?」
満「多勢に無勢の無勢側で生きていくならこのくらいの覚悟はしておかないと……でしょ?」
未彩「同意を求める様な雰囲気で言わないでください……。」
登場人物:
藤咲 満 (見方によっては究極の自己責任論者でもあるが、本人曰く「他人に助けを求めない僕なら筋は通る」との事。まぁ、殺人鬼だし多少はね?)
清上院 未彩 (この時点では比較的穏健派だが、大人に成る頃にどうなっているかは微妙である。……いつまで、真波の『後先考えない軽薄な発言』を信じるのやら?)
桜木 真波 (未彩は『親友』? いいえ、そんなのその場限りで空っぽな発言ですよ?ww)
女子生徒 (飽く迄もモブ。真波と言い争っていた理由は不明。)