謎会話ログ≪1≫
【寂れた現実には同罪の目隠しを】(※【KitS 3】後日談15)
※藤咲 満のヤンデレ化に注意※
≪場所:放課後の屋上≫
未彩「(今日はどうにも“あの日”を思い出す放課後だな……何をどうすれば良いか分からないまま、ただ漠然と遠くに行きたいと願いつつ何処にも行けず此処に居た“あの日”を)……ハァ。」
満「……未彩ちゃん?」
未彩「ッ!? 藤咲先生? 何故此処に……」
満「僕は放課後の仕事の途中休憩にね。(……というのは嘘で、本当は君が此処に居る事を知って来たんだけど。ある程度の高さまで含めた座標が分かる位置情報アプリって便利だよね。)未彩ちゃんこそ、どうして此処に?」
未彩「それ、は……(なんだ? この妙なデジャブは……)」
満「うーん、その感じだと……真波ちゃんの事かな? 今の君はまるで“あの時”みたいな雰囲気だし。」
未彩「……貴方には隠し事が出来ませんね……えぇそうです、真波の事です。」
満「また、何かあった?」
未彩「いえ、そういう訳ではありません……何かあったと言えるような事は、何もありません。ただ……」
満「ただ?」
未彩「……何かある訳など無い程に何も残っていない事は分かり切っている筈なのに、不意に視界に入る事だけは避けられない……それが、少し辛いだけです。」
満「成程ね……個人的な関係性が既に無い事は理解していても、細かいアレコレを自ら知ろうとしなくても、同じ学校の同じ教室という同じ空間の中に居る限り存在そのものを全く感知しないでいる事は出来ない……それは、確かに辛い事だね。」
未彩「未練がましい、と吐き棄てられれば一切の否定が出来ない事は分かっています。全てお前が悪い、と責められれば反発は赦されない事も分かっています。どうせ真波は俺に話しかけてきたりしませんし、それなら俺も極力意識しない様に、もう何も無いのだと理解する様に……と、心掛けてはいるのですが……」
満「まぁ、完全に視界に入れない事は難しいよね……君の意思とも真波ちゃんの意思とも関係無い部分で行動圏内が被っている事は事実だし。」
未彩「……馬鹿げているとは、俺自身思いますがね。相手は既に引き摺っていない事を、無関心と化した事を、俺だけが何時までも長々引き摺っていて……その上、それを貴方という教師に対して愚痴の様に零しているなど。」
満「フフ、最後の事は心配しなくて大丈夫だよ? 今の僕は2年2組の担任教師として此処に居る訳じゃないからね。だから、例え世間が『被害者は桜木 真波なのだから教師は被害者の肩を持て』と言っても関係無いし。」
未彩「……。」
満「それに、世間ではなく君の罪悪感がそう言うのだとしても、君の唯一の共犯者としての僕は君の肩を持つよ。それは“あの時”に証明済みでしょ? まぁ、君を困らせない為なら他の奴等の前では教師らしく桜木 真波の肩を持つ演技をしても良いけど……演技は何処まで行っても演技であり、それは唯の偽りだからね。僕の真実は、いつでも君の側にあるよ。」
未彩「……そう言って頂けると、助かります。」
満「未彩ちゃんは僕の『最も信頼できる相手』だからね、当然の事だよ。(……だからこそ、君との関係を自ら放棄した桜木 真波なんかを君がまだ想っている事は正直不満なんだけど……まぁ、君が自制を心掛けつつも縋りたい気持ちを隠しきれていない視線を僕に向けてくれる事はそのおかげだし、そこに見える不安という亀裂から君の心により深く入り込めるのは僕だけだから、君の事は赦してあげるよ。)」
未彩「ありがとう、ございます……。」
満「(……でも、桜木 真波が僕にとって邪魔なのは変わらない事実なんだよね……そうだ、一つ訊いてみようかな?)……ねぇ、未彩ちゃん?」
未彩「あ、ハイ。 何でしょうか?」
満「いっそ、消しちゃう? もう二度と、見なくて良い様に。」
未彩「……え?」
満「君の為なら、僕が殺ってあげても良いよ? 真波ちゃんの事。それとも、あの2人(川岸 美花と旗見 マサナ)の時みたいに僕が場を作って君が殺る?」
未彩「(……ハハッ、既に分かっていた事だが、この人は時に普通の様な笑顔で普通とは程遠い事を言うな……。確かに、俺が真波に殺意の様な感情を抱いた事が無いと言えばそれは嘘になるだろう。だが)……いえ、それ等はやめておきましょう。」
満「(んー……意外でもあり、想像通りでもあり、という感じかな……だけど、)どうして?」
未彩「……アイツ(マサナ)の時とは、前提条件が少々違いますからね。」
満「そうかなぁ? 君の信頼を裏切ったって意味では、どっちも同じじゃないの?」
未彩「それは、正直否定しませんが……アイツと真波では立場が――奪った席の質や離席の方法が違いますから……たった一つの席を曖昧な同情で埋めながら裏切ったアイツは赦せなくても良いと思いましたし、だからこそ俺は貴方の話に乗った訳ですが、真波は……」
満「……許さなきゃいけない、って思うの?」
未彩「そうですね……複数置いても良い席を『離れる』と宣言して離れた真波の事は、許さなければならないと思います。(例え、本音では赦せないと思う部分があったとしても。)」
満「フフッ……未彩ちゃん、それは『本当は赦せない』って顔だよ?」
未彩「ッ……否定はしません。ですが、それでも真波程度は流石に許さなければなりませんし、真波は離れる事を宣誓してくれただけマシなんですよ。」
満「あぁ、それは確かにあるかもね。君が僕の隣で殺ったアッチはそうじゃなかった訳だし。」
未彩「えぇ、そういう事です。……まぁ、世間や法律的にはアイツも『殺られる程ではない』という話だったでしょうけど。」
満「アハハww それ、君の隣であの屑女を殺った僕の前で言うの?ww」
未彩「……まぁ、それは俺も同罪ですから。」
満「じゃあ、僕と同罪の未彩ちゃんは僕が守ってあげないとね♪ だから……真波ちゃんに求めるはずだった分まで全部、僕に向けて? 真波ちゃんやその近辺には無理でも、僕なら受け入れてあげられるから。」
未彩「(脅迫する様な薄暗い笑みで囁かれる言葉が嬉しいとは、な……)それはありがたいのですが、一つだけ感想を言っても良いでしょうか?」
満「良いよ、何かな?」
未彩「……藤咲先生は相当な『物好き』だと思います。」
満「アハハ、それは君も同じ事でしょ? だって未彩ちゃんは『僕を選んだ』んだから……ね?(今更、否定はさせないよ?)」
未彩「まぁ、否定はしませんよ。(……否定など、出来る訳が無い。)」
登場人物:
清上院 未彩 (真波の事はもう諦めたつもりだが未練が皆無な訳ではない為、不意に視界に入られる度に色々な感情や思考が脳裏を駆け回って辛い。メンヘラ複合型のヤンデレ、此処では受け)
藤咲 満 (未彩の事を共犯者&恋人として大切に想い過ぎているが故に真波の事は殺しても構わない邪魔者として敵視。実は独占欲が強烈なヤンデレ、完全に攻め)
補足情報:
清上院 未彩と桜木 真波の絶交の件は【部外者と不幸は使いよう】(※【KitS 3】後日談8)を参照してください。
※藤咲 満のヤンデレ化に注意※
≪場所:放課後の屋上≫
未彩「(今日はどうにも“あの日”を思い出す放課後だな……何をどうすれば良いか分からないまま、ただ漠然と遠くに行きたいと願いつつ何処にも行けず此処に居た“あの日”を)……ハァ。」
満「……未彩ちゃん?」
未彩「ッ!? 藤咲先生? 何故此処に……」
満「僕は放課後の仕事の途中休憩にね。(……というのは嘘で、本当は君が此処に居る事を知って来たんだけど。ある程度の高さまで含めた座標が分かる位置情報アプリって便利だよね。)未彩ちゃんこそ、どうして此処に?」
未彩「それ、は……(なんだ? この妙なデジャブは……)」
満「うーん、その感じだと……真波ちゃんの事かな? 今の君はまるで“あの時”みたいな雰囲気だし。」
未彩「……貴方には隠し事が出来ませんね……えぇそうです、真波の事です。」
満「また、何かあった?」
未彩「いえ、そういう訳ではありません……何かあったと言えるような事は、何もありません。ただ……」
満「ただ?」
未彩「……何かある訳など無い程に何も残っていない事は分かり切っている筈なのに、不意に視界に入る事だけは避けられない……それが、少し辛いだけです。」
満「成程ね……個人的な関係性が既に無い事は理解していても、細かいアレコレを自ら知ろうとしなくても、同じ学校の同じ教室という同じ空間の中に居る限り存在そのものを全く感知しないでいる事は出来ない……それは、確かに辛い事だね。」
未彩「未練がましい、と吐き棄てられれば一切の否定が出来ない事は分かっています。全てお前が悪い、と責められれば反発は赦されない事も分かっています。どうせ真波は俺に話しかけてきたりしませんし、それなら俺も極力意識しない様に、もう何も無いのだと理解する様に……と、心掛けてはいるのですが……」
満「まぁ、完全に視界に入れない事は難しいよね……君の意思とも真波ちゃんの意思とも関係無い部分で行動圏内が被っている事は事実だし。」
未彩「……馬鹿げているとは、俺自身思いますがね。相手は既に引き摺っていない事を、無関心と化した事を、俺だけが何時までも長々引き摺っていて……その上、それを貴方という教師に対して愚痴の様に零しているなど。」
満「フフ、最後の事は心配しなくて大丈夫だよ? 今の僕は2年2組の担任教師として此処に居る訳じゃないからね。だから、例え世間が『被害者は桜木 真波なのだから教師は被害者の肩を持て』と言っても関係無いし。」
未彩「……。」
満「それに、世間ではなく君の罪悪感がそう言うのだとしても、君の唯一の共犯者としての僕は君の肩を持つよ。それは“あの時”に証明済みでしょ? まぁ、君を困らせない為なら他の奴等の前では教師らしく桜木 真波の肩を持つ演技をしても良いけど……演技は何処まで行っても演技であり、それは唯の偽りだからね。僕の真実は、いつでも君の側にあるよ。」
未彩「……そう言って頂けると、助かります。」
満「未彩ちゃんは僕の『最も信頼できる相手』だからね、当然の事だよ。(……だからこそ、君との関係を自ら放棄した桜木 真波なんかを君がまだ想っている事は正直不満なんだけど……まぁ、君が自制を心掛けつつも縋りたい気持ちを隠しきれていない視線を僕に向けてくれる事はそのおかげだし、そこに見える不安という亀裂から君の心により深く入り込めるのは僕だけだから、君の事は赦してあげるよ。)」
未彩「ありがとう、ございます……。」
満「(……でも、桜木 真波が僕にとって邪魔なのは変わらない事実なんだよね……そうだ、一つ訊いてみようかな?)……ねぇ、未彩ちゃん?」
未彩「あ、ハイ。 何でしょうか?」
満「いっそ、消しちゃう? もう二度と、見なくて良い様に。」
未彩「……え?」
満「君の為なら、僕が殺ってあげても良いよ? 真波ちゃんの事。それとも、あの2人(川岸 美花と旗見 マサナ)の時みたいに僕が場を作って君が殺る?」
未彩「(……ハハッ、既に分かっていた事だが、この人は時に普通の様な笑顔で普通とは程遠い事を言うな……。確かに、俺が真波に殺意の様な感情を抱いた事が無いと言えばそれは嘘になるだろう。だが)……いえ、それ等はやめておきましょう。」
満「(んー……意外でもあり、想像通りでもあり、という感じかな……だけど、)どうして?」
未彩「……アイツ(マサナ)の時とは、前提条件が少々違いますからね。」
満「そうかなぁ? 君の信頼を裏切ったって意味では、どっちも同じじゃないの?」
未彩「それは、正直否定しませんが……アイツと真波では立場が――奪った席の質や離席の方法が違いますから……たった一つの席を曖昧な同情で埋めながら裏切ったアイツは赦せなくても良いと思いましたし、だからこそ俺は貴方の話に乗った訳ですが、真波は……」
満「……許さなきゃいけない、って思うの?」
未彩「そうですね……複数置いても良い席を『離れる』と宣言して離れた真波の事は、許さなければならないと思います。(例え、本音では赦せないと思う部分があったとしても。)」
満「フフッ……未彩ちゃん、それは『本当は赦せない』って顔だよ?」
未彩「ッ……否定はしません。ですが、それでも真波程度は流石に許さなければなりませんし、真波は離れる事を宣誓してくれただけマシなんですよ。」
満「あぁ、それは確かにあるかもね。君が僕の隣で殺ったアッチはそうじゃなかった訳だし。」
未彩「えぇ、そういう事です。……まぁ、世間や法律的にはアイツも『殺られる程ではない』という話だったでしょうけど。」
満「アハハww それ、君の隣であの屑女を殺った僕の前で言うの?ww」
未彩「……まぁ、それは俺も同罪ですから。」
満「じゃあ、僕と同罪の未彩ちゃんは僕が守ってあげないとね♪ だから……真波ちゃんに求めるはずだった分まで全部、僕に向けて? 真波ちゃんやその近辺には無理でも、僕なら受け入れてあげられるから。」
未彩「(脅迫する様な薄暗い笑みで囁かれる言葉が嬉しいとは、な……)それはありがたいのですが、一つだけ感想を言っても良いでしょうか?」
満「良いよ、何かな?」
未彩「……藤咲先生は相当な『物好き』だと思います。」
満「アハハ、それは君も同じ事でしょ? だって未彩ちゃんは『僕を選んだ』んだから……ね?(今更、否定はさせないよ?)」
未彩「まぁ、否定はしませんよ。(……否定など、出来る訳が無い。)」
登場人物:
清上院 未彩 (真波の事はもう諦めたつもりだが未練が皆無な訳ではない為、不意に視界に入られる度に色々な感情や思考が脳裏を駆け回って辛い。メンヘラ複合型のヤンデレ、此処では受け)
藤咲 満 (未彩の事を共犯者&恋人として大切に想い過ぎているが故に真波の事は殺しても構わない邪魔者として敵視。実は独占欲が強烈なヤンデレ、完全に攻め)
補足情報:
清上院 未彩と桜木 真波の絶交の件は【部外者と不幸は使いよう】(※【KitS 3】後日談8)を参照してください。