謎会話ログ≪1≫

【支配者は厄介者扱いの過去に怯える従属者を独占欲で歪に救い上げる】(※【KitS 3】後日談14)

※藤咲 満のヤンデレ化に注意※


≪場所:屋上≫
満「――って事だから、この仕事って結構大変なんだよね。」
未彩「大人だけの場でも多人数に統率の取れた行動をさせる事は大変だと聞きますし、半端に大人びた子供相手では尚更そうでしょうね……その中の一人である俺が言うのもアレかもしれませんが。」
満「アハハ、未彩ちゃんは真面目な良い子だから大丈夫だよ。少なくとも、僕は君と話していると癒されるし……だから、これからもこうして相手になりに来て? まぁ、君から来なくても僕が呼びつけちゃうんだけどね!ww」
未彩「フフッ……どうぞご自由に呼びつけてください。俺にそんな事を言って本当にそうする人なんて、藤咲先生しかいませんから。」
満「(……僕の言動を喜んでくれている事は確かなのに、何処かに後悔や怯えが混ざって見えるその笑顔と言葉は……やっぱり、薄々感じていたんだろうなぁ……桜木 真波と旗見 マサナが互いの間や他の生徒達との間、或いは教師達との間で未彩ちゃんを押し付け合い気味だった事……まぁ、部外者だった僕から見ても割と分かるレベルだったし、当事者の未彩ちゃんからすればもっと……)なら、遠慮は要らないね。まずは次の昼休みも予約しちゃって良い?」
未彩「えぇ、問題ありません。……と、言うよりも……正直、既に予約されている位の気持ちでいたので……もしそうされなかったらどうしようか、少し悩んでいました。」
満「あー、そういえば最近は割とそうだったねー。……でも、嫌じゃないでしょ?」
未彩「それは……否定、出来ませんね。(と言うか、寧ろ肯定したい位なのだが、それを口に出すのは恥ずかしいし……流石に重いと思われたくないから、言えないな……。)」
満「(嗚呼……未彩ちゃんってこういう部分で表情を誤魔化すのが意外と不得意だよね……嫌じゃないからやめないで、って言いたげな事、バレバレだよ?)フフ、それなら良かった! それと、仮に何か事情があって無理そうなら僕はちゃんと連絡するし説明もするから安心してね? 極力事前に言う様にするし、事前に間に合わなくても後で確実に言うから。」
未彩「……藤咲先生って、俺も少し驚く程の几帳面ですよね。」
満「え、そうかな? この程度は普通だと思うけど……」
未彩「俺は藤咲先生の様な方が助かりますけど、普通はそうじゃありませんよ。……普通はそんな事、気にしないものです。」
満「ふーん……じゃあ、君は気にする僕に逢えて良かったよね?ww(※ドヤ顔気味の笑顔)」
未彩「えぇ、勿論。……ただ……」
満「ただ?」
未彩「……どうか、無理だけはしないでください。それと、もしも嫌になったら隠さずむぐっ!?」(※満に手で口を押えられた)
満「もうっ、僕は無理なんてそもそもする気は無いし、嫌いって意味で嫌になったら言うより前に殺ってる説が濃厚だから! 勿論グロい意味でね!」
未彩「っぷは……そ、そうですね、スミマセン……(だが……失礼な事は分かっていても、俺はどうしても……時々思い返す度に確信できる事が――真波とマサナの俺の押し付け合いの気配が、その頃の記憶が、まだ……だから、同じ末路はもう迎えたくなくて……)」
満「(……違うって事は分かるけど、此処はあえて勘違いしたフリで脅しっぽい事を言っておいた方が良いな。)……ねぇ、未彩ちゃん?」
未彩「え、あ、ハイ?」

満「……ああいうの、僕を思い遣ってくれているだけの言葉なら良いけど、もしも君が僕から離れたい事を遠回しに伝える為の言葉なら……絶対に赦さないからね?(※表情が本気で鋭い)」

未彩「ッ!? こ、後者は完全に誤解です!!」
満「……フフッ、そうだよね♪(※普段の笑顔に戻る)」
未彩「勿論です!! 大体、そんな事を思っていたら俺は此処に来ませんよ……。(あぁもう、こんな……好意的に脅される様なやり取りですら『居心地が良い』なんて……俺は本当におかしくなってしまったのか、それともこれが最初から本当の俺なのか……ハァ。)」
満「アハハ、未彩ちゃんはその辺りを上手く偽れるタイプじゃないからねww(……そう、君のそれは実際の所は『離れたくない事の証明』だって事ぐらい、僕はもう知っている……だからこそ君の本心は『自由よりも制限を望んでいる』事も、故に僕が『君が僕から離れる事の自由を奪い制限する』内容を本気で脅す様に吐き与えれば君は焦りと同時に『自由を奪う程に必要とされる事の喜び』を感じてしまう事も……ねぇ、桜木 真波や旗見 マサナを中心とする浅い奴等の曖昧で遠回しな嫌悪の態度が君に残した渇望と後悔の矛盾が生んだそれは僕が満たし続けてあげるから、君はずっと僕だけのモノで居ようね? 君が無自覚に望む様な常識外れの好意は僕じゃなきゃ注ぎ続けられないし……僕の好意を――独占欲を許容し続けられるのも君だけだから。)」
未彩「そう言う藤咲先生は得意そうで少々困りますけどね……。」
満「まぁ、ある程度の良い人面はしておかないといけない立場だから少しは慣れているかな。でも……さっきの僕ってそういう『良い人面』を出来ていた様に見えた?」
未彩「……いいえ、全く。」
満「でしょ? だって『特別』な君に有象無象のボンクラ共向けの良い人面なんて要らないからね(※僅かに陰のある笑顔)」
未彩「教育者としてどうかと思う発言ですね……まぁ、俺は文句を言える立場にありませんが。(その異常性に救われている俺には、とても。)」
満「アハハ、文句なんて言わせないよ?ww(その代わり、誰より好いて――愛してあげるから、良いでしょ?)」


登場人物:
藤咲 満 (支配者。内心の声で未彩の心境をかなり言い当てているが人の心を読むのが上手い訳ではなく、普通の人の心境を読むのは寧ろ下手である。というか、それ等はそもそも読む気が無い説もアリ。)
清上院 未彩 (従属者。満の事は確かに好いているのだが、それが真波やマサナとの終わりの記憶を余計に際立たせてしまい不安になりやすく、満に脅す様な形で好意を囁かれては安心するという妙な拗らせを発症中。)
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