謎会話ログ≪1≫
【常識人達の職場に非常識人の彼を混ぜた結果がこの惨状である事は確かだが、とはいえ別角度においては彼も結構な被害者であると言えるオチがある事は確かに否定できない……という事は肯定できるだろう】
≪場所:職員室≫
風美「ホント、最近の若い子の趣味は分かんないねぇ……」
雪菜「無理に分かる必要がある物ではありませんし、大丈夫だと思いますよ(※苦笑)」
Crown「あの、藤咲先生?」
満「ん、何?」
Crown「葉暗先生と冬花先生、どうしたんですかね?」
満「さぁ? 気になるなら訊きに行けば?」
Crown「うーん……藤咲先生、一緒に来てください!」
満「え、どうして僕が……」
Crown「だ、だって! 本来関係無い事に首を突っ込むなんて僕一人じゃ無理ですよ!」
満「(だったら止めておけばいいのに……)ハァ、仕方ないなぁ……分かったよ。」
Crown「ありがとうございます!」
満「葉暗先生、何かあったんですか?」
風美「あっ、藤咲先生にCrown先生……いやその、今日の座学の最中に隠れて漫画を読んでいる生徒が居たから一時的に没収しているんだけど……最近の子は随分と殺伐とした漫画が好きなんだと思ってねぇ……。」
Crown「殺伐とした漫画? それってどんな内容なんですか?」
雪菜「それは……」
風美「うーん、どう説明したらいいのか……まぁ、高校生でありながら人殺しのサイコパスが主役の漫画、ってところだと思っておくれよ。」
Crown「うわっ……それは確かに殺伐としていますね……」
風美「だろう? こんなものが中学生に流行るなんて、正直世も末だと思っちまうよ。まぁ、大人特有の頭の固い感想かもしれないから大々的に主張する気は無いけどねぇ(※苦笑)」
雪菜「ふふっ、自覚と自制と住み分けができているなら多少頭が固くても大丈夫だと思いますよ。」
風美「そう言ってくれるとありがたいよ。」
満「……。」
Crown「……藤咲先生? どうかしたんですか? 何か考え込む様な様子で……。」
満「えっ? あぁ……いや、その漫画の主人公って『本当にサイコパスに属するタイプ』なのかな、って少し考えていただけだよ。」
Crown「えっ、と……?」
雪菜「藤咲先生、それは……」
風美「一体、どういう意味だい?」
満「いや、だって……今の話だけだと主人公が『人を殺すのはそれ自体が目的なのか、それとも飽く迄も何らかの手段なのか』が分からないじゃないですか。」
風美「は?」
Crown「目的か手段か、って……」
雪菜「……あの、それはどう考えて生まれた理屈なんですか?」
満「どう考えて、って……単純な話ですよね? ただ人が殺したいという欲求だけで殺す事と何らかの事情や別の目的の過程で殺す必要が発生したから殺す事は全くの別物じゃないですか。まぁ、前者は確かにサイコパスと呼んでも問題無いレベルで倫理・道徳から逸脱していますしそもそも割とフィクション的な事だと思いますけど、後者なんてフィクションの世界だけでなく現実の世界でも割とある事ですし、それ等が全てサイコパスの仕業だなんて事も別にありませんよね? ですから、その漫画の主人公の場合も本当にサイコパスとして設定されたキャラなのか否かは殺人そのものが目的なのか殺人は別の何かを達成するための手段なのかで判断するべきだと僕は思ったんですよ。」
風美・雪菜・Crown「……。」
満「……あの、3人ともどうして急に黙って」
風美「あのねぇ、藤咲先生……」
満「え? 何ですか?」
風美「……目的だろうが手段だろうが!! 私情で人を殺せる奴なんて全員アウトで普通なんだよッ!! 覚えておきなッ!!(※怒声)」
Crown「(~ッ!! 体育会系の声量、恐るべし……!!)」
満「……つまり、殺しでなければどんな悪意もセーフになると?(※やや低い声)」
風美「アンタねぇ……」
雪菜「藤咲先生、それは曲解です。」
満「……アハハ、今のは流石にわざとですよww」
Crown「(僕、人選間違えたかなぁ……。)」
満「ところで、葉暗先生が感じた『最近の若い子の趣味は分からない』ってその主人公のサイコっぽさだけなんですか?」
風美「えっ? あぁ、まぁ……一番はそうだけど……」
Crown「一番って事は他にもあるんですか? 分からないと思ったところ。」
風美「それは、ねぇ……」
雪菜「藤咲先生とCrown先生は知らないでおく方が得策だと思いますけど……」
満「……どういう意味ですか、それ。」
Crown「そういう言い方は余計に気になりますって!」
風美「うーん……持ち主に会っても文句を言わないって約束してくれるなら教えても良いけど、約束できるかい? 特に藤咲先生。」
満「え、主に僕なんですか? まぁ、それは約束しても構いませんけど……Crownくんは?」
Crown「僕も約束します。」
風美「ハァ……分かったよ。実は、コレなんだけどねぇ……」
Crown「ッ!? こ、これって!?」
満「……。」
風美「BL漫画、だろう? しかも、明らかに色々と過激そうな。……って、案の定2人とも固まっちゃったねぇ。」
雪菜「だから知らないでおく方が得策だと言ったんですよ?(※溜息)」
Crown「こ、こんな破廉恥そうな漫画を校内且つ授業中になんて……信じられないっ!(※赤面)」
風美「だろう? アタシも色々と理解が追い付かなくて……って、藤咲先生?」
満「……これ、僕のクラスの××さんの所持品ですよね?」
風美「そ、そうだけど……アンタ、まさか何か知って」
満「××さんが友人と思わしき○○さんと△△さんにタイトル内で『サイコキラーな大和撫子系男子』と呼ばれているキャラクターの事を『藤咲先生に似ている』と楽し気に語っている場面を見掛けた事ならありますけど……何か?(※目が死に気味)」
Crown「えぇ……(※困惑)」
雪菜「……まさかの本人公認でしたか。」
満「公認はしていませんけど!?」
風美「……あの子には今後はTPOをわきまえるよう教えておいてあげた方が良さそうだねぇ……(※苦笑)」
満「本当に頼みますよ!?(※割と必死)」
登場人物:
葉暗 風美 (30代後半の女性。いつもの事ながら社会的に真っ当な常識人枠。オタク趣味には疎いが規制推進派ではない穏健派。)
冬花 雪菜 (30代前半の女性。社会的に真っ当な常識人枠その2。ただし腐女子傾向がある為BL漫画には割と深めの理解がある。)
Crown=White (25歳の男性。社会的真っ当な常識人枠その3。年齢の割にエロにもグロにも耐性が無いのでエロ話で即刻赤面してグロ話で顔面蒼白になるのはいつもの事。)
藤咲 満 (28歳の男性。コイツだけ非常識人である事を今更気にしてはいけない。オタク趣味には基本的に寛容だが自分を絡めた話に対しては反論したい部分もある様だ。)
補足情報:
後半のBL漫画の件の詳細に関しては【後に満はCrown(※男子生徒達から抱きたい女モドキ扱いをされて職員室で泣いた経験アリ)に愚痴ってドン引きされるとかそういう隠れたオチが……】をご覧ください。
修正情報(2023年8月8日):
関連作である【今度の三者面談で「彼女はプロファイラーの素質があります」と言うべきか否か凄く迷っている件について(By 満)】との整合性の関係から一部の内容を変更しました。
・今日の朝の会の最中に → 今日の座学の最中に
・校内且つ朝の会で → 校内且つ授業中に
・3組の××さん → 僕のクラスの××さん
≪場所:職員室≫
風美「ホント、最近の若い子の趣味は分かんないねぇ……」
雪菜「無理に分かる必要がある物ではありませんし、大丈夫だと思いますよ(※苦笑)」
Crown「あの、藤咲先生?」
満「ん、何?」
Crown「葉暗先生と冬花先生、どうしたんですかね?」
満「さぁ? 気になるなら訊きに行けば?」
Crown「うーん……藤咲先生、一緒に来てください!」
満「え、どうして僕が……」
Crown「だ、だって! 本来関係無い事に首を突っ込むなんて僕一人じゃ無理ですよ!」
満「(だったら止めておけばいいのに……)ハァ、仕方ないなぁ……分かったよ。」
Crown「ありがとうございます!」
満「葉暗先生、何かあったんですか?」
風美「あっ、藤咲先生にCrown先生……いやその、今日の座学の最中に隠れて漫画を読んでいる生徒が居たから一時的に没収しているんだけど……最近の子は随分と殺伐とした漫画が好きなんだと思ってねぇ……。」
Crown「殺伐とした漫画? それってどんな内容なんですか?」
雪菜「それは……」
風美「うーん、どう説明したらいいのか……まぁ、高校生でありながら人殺しのサイコパスが主役の漫画、ってところだと思っておくれよ。」
Crown「うわっ……それは確かに殺伐としていますね……」
風美「だろう? こんなものが中学生に流行るなんて、正直世も末だと思っちまうよ。まぁ、大人特有の頭の固い感想かもしれないから大々的に主張する気は無いけどねぇ(※苦笑)」
雪菜「ふふっ、自覚と自制と住み分けができているなら多少頭が固くても大丈夫だと思いますよ。」
風美「そう言ってくれるとありがたいよ。」
満「……。」
Crown「……藤咲先生? どうかしたんですか? 何か考え込む様な様子で……。」
満「えっ? あぁ……いや、その漫画の主人公って『本当にサイコパスに属するタイプ』なのかな、って少し考えていただけだよ。」
Crown「えっ、と……?」
雪菜「藤咲先生、それは……」
風美「一体、どういう意味だい?」
満「いや、だって……今の話だけだと主人公が『人を殺すのはそれ自体が目的なのか、それとも飽く迄も何らかの手段なのか』が分からないじゃないですか。」
風美「は?」
Crown「目的か手段か、って……」
雪菜「……あの、それはどう考えて生まれた理屈なんですか?」
満「どう考えて、って……単純な話ですよね? ただ人が殺したいという欲求だけで殺す事と何らかの事情や別の目的の過程で殺す必要が発生したから殺す事は全くの別物じゃないですか。まぁ、前者は確かにサイコパスと呼んでも問題無いレベルで倫理・道徳から逸脱していますしそもそも割とフィクション的な事だと思いますけど、後者なんてフィクションの世界だけでなく現実の世界でも割とある事ですし、それ等が全てサイコパスの仕業だなんて事も別にありませんよね? ですから、その漫画の主人公の場合も本当にサイコパスとして設定されたキャラなのか否かは殺人そのものが目的なのか殺人は別の何かを達成するための手段なのかで判断するべきだと僕は思ったんですよ。」
風美・雪菜・Crown「……。」
満「……あの、3人ともどうして急に黙って」
風美「あのねぇ、藤咲先生……」
満「え? 何ですか?」
風美「……目的だろうが手段だろうが!! 私情で人を殺せる奴なんて全員アウトで普通なんだよッ!! 覚えておきなッ!!(※怒声)」
Crown「(~ッ!! 体育会系の声量、恐るべし……!!)」
満「……つまり、殺しでなければどんな悪意もセーフになると?(※やや低い声)」
風美「アンタねぇ……」
雪菜「藤咲先生、それは曲解です。」
満「……アハハ、今のは流石にわざとですよww」
Crown「(僕、人選間違えたかなぁ……。)」
満「ところで、葉暗先生が感じた『最近の若い子の趣味は分からない』ってその主人公のサイコっぽさだけなんですか?」
風美「えっ? あぁ、まぁ……一番はそうだけど……」
Crown「一番って事は他にもあるんですか? 分からないと思ったところ。」
風美「それは、ねぇ……」
雪菜「藤咲先生とCrown先生は知らないでおく方が得策だと思いますけど……」
満「……どういう意味ですか、それ。」
Crown「そういう言い方は余計に気になりますって!」
風美「うーん……持ち主に会っても文句を言わないって約束してくれるなら教えても良いけど、約束できるかい? 特に藤咲先生。」
満「え、主に僕なんですか? まぁ、それは約束しても構いませんけど……Crownくんは?」
Crown「僕も約束します。」
風美「ハァ……分かったよ。実は、コレなんだけどねぇ……」
Crown「ッ!? こ、これって!?」
満「……。」
風美「BL漫画、だろう? しかも、明らかに色々と過激そうな。……って、案の定2人とも固まっちゃったねぇ。」
雪菜「だから知らないでおく方が得策だと言ったんですよ?(※溜息)」
Crown「こ、こんな破廉恥そうな漫画を校内且つ授業中になんて……信じられないっ!(※赤面)」
風美「だろう? アタシも色々と理解が追い付かなくて……って、藤咲先生?」
満「……これ、僕のクラスの××さんの所持品ですよね?」
風美「そ、そうだけど……アンタ、まさか何か知って」
満「××さんが友人と思わしき○○さんと△△さんにタイトル内で『サイコキラーな大和撫子系男子』と呼ばれているキャラクターの事を『藤咲先生に似ている』と楽し気に語っている場面を見掛けた事ならありますけど……何か?(※目が死に気味)」
Crown「えぇ……(※困惑)」
雪菜「……まさかの本人公認でしたか。」
満「公認はしていませんけど!?」
風美「……あの子には今後はTPOをわきまえるよう教えておいてあげた方が良さそうだねぇ……(※苦笑)」
満「本当に頼みますよ!?(※割と必死)」
登場人物:
葉暗 風美 (30代後半の女性。いつもの事ながら社会的に真っ当な常識人枠。オタク趣味には疎いが規制推進派ではない穏健派。)
冬花 雪菜 (30代前半の女性。社会的に真っ当な常識人枠その2。ただし腐女子傾向がある為BL漫画には割と深めの理解がある。)
Crown=White (25歳の男性。社会的真っ当な常識人枠その3。年齢の割にエロにもグロにも耐性が無いのでエロ話で即刻赤面してグロ話で顔面蒼白になるのはいつもの事。)
藤咲 満 (28歳の男性。コイツだけ非常識人である事を今更気にしてはいけない。オタク趣味には基本的に寛容だが自分を絡めた話に対しては反論したい部分もある様だ。)
補足情報:
後半のBL漫画の件の詳細に関しては【後に満はCrown(※男子生徒達から抱きたい女モドキ扱いをされて職員室で泣いた経験アリ)に愚痴ってドン引きされるとかそういう隠れたオチが……】をご覧ください。
修正情報(2023年8月8日):
関連作である【今度の三者面談で「彼女はプロファイラーの素質があります」と言うべきか否か凄く迷っている件について(By 満)】との整合性の関係から一部の内容を変更しました。
・今日の朝の会の最中に → 今日の座学の最中に
・校内且つ朝の会で → 校内且つ授業中に
・3組の××さん → 僕のクラスの××さん