謎会話ログ≪1≫

【だから、現役が言っているなんて誰も(ry)】


風美「Crown先生、ちょっと聞いとくれよ!」
Crown「どうしたんですか?」
風美「昨日の事なんだけどねぇ、風呂上がりに休憩がてら動画サイトを観ていたら、何故か知らないけど変な動画にぶち当たっちゃってさ……。」
Crown「変な動画?」
風美「そう、過去にあった怖ーい事件を短く紹介した動画だったんだけど……何処かの国では、人を殺した後に平然と出勤していた奴が居たらしいんだよ、怖い話だよねぇ……。」
Crown「うっ……そ、そんな怖い話、僕にしないでくださいっ!」
風美「アハハッ、アンタならそうやって怖がってアタシを安心させてくれると思ってたよ!ww」
Crown「葉暗先生、酷いですよ!人を殺した後に平然と出勤するなんて異常な人の話を僕に」

満「……ねぇ、それってそんなに異常に見えるの?」
Crown「えっ?」
風美「藤咲先生……アンタ、そんな不思議なものを見る様な顔で急に何を……」
満「いや、だって……その犯人って、普段は何処かで普通に働いている人間なんですよね?」
風美「えっと、まぁ、それはそうみたいだけど……」
Crown「で、でも、だとしても人を殺した後に出勤なんて普通は……」
満「確かに、動揺が酷くて出来ない奴も多いかもね。特に、そもそもは殺すつもりは無かったけど勢いとか事故で結果的に殺しちゃった、みたいなタイプは。だけど……」
風美「だけど、なんだって言う気だい?」

満「……冷静に考えたら、そこで出勤しないのは寧ろ悪手ですよね?勤務先の人間達から『普段と違う行動を取った』と感じられて、もしかしたら何らかのタイミングで警察にそれを話されるかもしれないですから。それを防ぐには、普段通りに出勤して、普段通りに働いて、普段通りに帰る……それが一番だと思いますよ?」

Crown「……えっと……。」
風美「藤咲先生……アンタ、何でその所業を隠蔽する事前提になってるんだい!?」
満「え?葉暗先生こそ、どうして自首や出頭前提なんですか?」
風美「どうしてってそりゃあ、事故でも故意でも人殺しは犯罪だからに決まってるじゃないか!」
満「あぁ、それはそうですけど……そういう性善説じみた思想が自然と全適用される程に善意と正義に溢れた社会なら、そもそも論として殺人事件なんて滅多に起こらないでしょうし、それの下位互換と言える傷害や脅迫、更には虐め等の問題も全く起こらないんじゃないですかね?ですが、現実問題としてこの社会ではそれ等の事件が常々何処かで起こっている……という事が葉暗先生の様な性善説の考えを前提にすべきではない事の証拠であり、殺人者が自ら素早く自首したり出頭したりするなんて甘い事は思わない方が良い事の証明だと僕は思いますよ。つまり、殺人者はそもそも自首なんてしない方が普通、と考えるべきです。」
風美「で、でもねぇ」

満「……自分の行為を罪や過ちと感じて自己申告できる様な人間はそもそも殺人者にはならず他の犯罪者にもならないでしょうし、事故ではなく完全な故意で殺すタイプにとっての殺人とは罪ではなく最善の手段という事も多々ありえます。だとすれば、少なくとも後者は自らの意思だけでの自首や出頭なんてそうそうしませんよ。」

風美「……。」
満「……っと、ちょっと考察し過ぎちゃいましたねwwまぁ、想像好きの戯言と思ってあんまり気にしないでくださいww」
風美「……(後で雪菜に良い精神科を教えてもらっておこうかね……。)」
Crown「……(藤咲先生って、変に怖い事が時々あるんだよね……なんでなんだろう。)」


登場人物:
葉暗 風美 (一般人の反応はこんなものかなぁ、と。少々性善説に寄せ過ぎた気はするが、純次ほどではないのでセーフと言い張ってみる。)
Crown=White (一般人の中でもビビリなタイプの反応が此方。風美がビビリに定評のあるCrownに話をしたのは動画の内容を一緒に怖がって欲しかったからかもしれない)
藤咲 満 (一般人?いいえ、現役の殺人鬼です、俗に言うシリアルキラーです。……よく考えたらコイツ、モロに「人を殺した後でも平然と出勤するタイプ」なんだよなぁ……)
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