謎会話ログ≪1≫

【それをサディズムと言うのは些か無理がある、筈】


真波「なんかさぁ……藤咲先生ってドSっぽくない?」
マサナ「えっ?」
未彩「……唐突にどうした?藤咲先生と何かあったのか?」
真波「別にそういう訳じゃないけどさー。」
マサナ「うーん……俺はそんな事思わないけどなぁ……授業だって結構和やかにやってくれる方だし。」
真波「えぇー?結構厳しくない?」
未彩「それはお前が度々スマホを弄る所為だろう。普通にしている分には丁寧で優しいまであるぞ。」
真波「スマホが気になるのぐらい普通だし!未彩がお堅過ぎなだけだから!」
未彩「あのなぁ……」

真波「それにさぁ、これはあたしがどーこーって訳じゃないけど……見ちゃったんだよね、この前。」
マサナ「見たって、何を?」
真波「……数日前の事なんだけどさ、あたし、廊下で1組の××が3組の光野に突っかかってるとこに出くわしちゃったの。」
マサナ「うわ、そりゃまた大変な場面に遭ったんだなー……」
真波「でしょ?で、これじゃあ通り難いよー!って感じで困りながら隠れて様子を見てたらさ、近くの教室から藤咲先生が出てきてそれに気が付いたみたいで、××を怒り始めたんだよね。」
未彩「それは……教師として普通の事の範囲じゃないか?」
真波「そこまでならそうだってあたしも思うよ?でもさー……見ちゃったんだ。」
マサナ「何を?」
真波「……××が中々折れなかったからだと思うんだけど、藤咲先生は光野にその場を離れる様に言ったみたいなの。それで、光野が離れてから、なんか……一気にキツい感じになったんだよね、藤咲先生の顔とか雰囲気とか。」
マサナ「それって、どのくらい?」
真波「それまでワーワー騒いでた××が一瞬ガチで固まるぐらい。まー、また直ぐ騒ぎ出してたけど。」
マサナ「マジかぁ……。」
未彩「つまりは、被害者を一旦撤退させてから遠慮の無い本気を出した、という事か……成程な。」

真波「……だからさぁ、藤咲先生って本性は結構ヤバめのドSだと思うんだよね!」
未彩「いや、それは話が飛躍していないか?そもそもサディズムとは他者を虐げる事を好む性質であり、お前が見たそれだと藤咲先生は××というサディストもどきに道徳的ブレーキを掛けた側の」
真波「ていうか、藤咲先生がSってちょっと面白くない?名前のイニシャルはMなのに!みたいなww」
マサナ「あー、藤咲先生って下の名前は満(みちる)だもんなぁ。それがSって確かに意外かも!」
未彩「お前等な……それを言うと俺達は全員がマゾヒスト扱いされる危険性がある上、俺と真波に至ってはMとSの複合体でないとおかしいとまで言われかねない事を分かって言っているのか?」
真波「温厚Mを装う過激ドS……パッと見の地味さに騙されて付き合ったけど実は強烈なドSさに泣かされたって女の子なんかが過去に居たりして!」
未彩「……何かの拍子にその妄想を本人に聞かれて怒られても俺は知らないからな。」

満「(既に十分聞こえているんだよね……休み時間とはいえ、教室でのそういう話はやめてくれないかなぁ……僕は何も悪くないのに、微妙に入り辛くて困る……あと、僕は彼女なんて居た事無いからね?)」


登場人物:
桜木 真波 (真面目な考察だと思った?残念、リア充のバカ妄想だよ!)
旗見 マサナ (真波よりは冷静だが結果的には大差が無いオチの気が)
清上院 未彩 (本当に真面目なので満がドSだとは一切思っていない)
藤咲 満 (真波が言う意味でのS気質は無いが、別の意味では……)
58/100ページ