第1話:新たなる闇と新たなる戦士
一方、指令室で奮闘するメイルとデカオ、岬は徐々にピンチを迎えようとしていた。
倒しても倒しても、ウイルスは何処からか現れ続け、ロール達ばかりが体力を消耗するという芳しくない状態に陥り始めていたのだ。
名人と祐一朗も必死になってウイルスの転送ゲートを探るが、その捜索活動もウイルスに阻まれて上手くいかない。
「もう! 一体何匹いるって言うのよ!」
ロールアローを放ちながら、ロールが言った。
ロールの背後ではガッツマンがガッツハンマーを振りおろし、地を這うウイルス達をデリートしているが、ウイルス達の増殖速度にはまだ勝っていない。
プリズマンも先ほどからプリズムを多用して広範囲のウイルスをデリートしているのだが、これもやはり決め手にはならないらしい。
「増えるのが早すぎるでガス! 三人だけじゃ無理でガスよー!」
「諦めるな! ロックマンが戻ってくるまで、此処は俺達でくい止めるんだ!」
弱音を吐いたガッツマンをプリズマンが一喝するが、そう言うプリズマンも呼吸が乱れがちになっているのが目に見えて分かるようになってきた。
ウイルスの数が多過ぎる為、その攻撃自体はそこまで強くないとしても、被弾回数が多くなってダメージが蓄積し始めているのだ。
「おじさん! 早くウイルスの転送ルートを割り出してください! このままじゃロール達が!」
マルモコの突進を避けてもクモンペの雨がかかり、メットールの衝撃波を避けてもサーキラーの銃弾が被弾する。
所謂ジリ貧の戦いに、ロール達は身体だけでなく心の疲労も感じ始めていた。
本当に勝てるのだろうか、この場所を守れるのだろうか、そもそも生きて帰れるのだろうか、そんな不安が胸を過り始め、更に足の進みを悪くする悪循環。
それでもロール達は自分達のオペレーターの危険を少しでも減らすため、果敢にウイルス達へ立ち向かう。
メイルがまた、新たなバトルチップをスロットインした。
「バトルチップ、『アクアタワー』! スロットイン!」
「アクアタワー!!」
チップが転送されるとロールはすぐさま床に手を着き、その指先からアクアタワーを発生させた。
アクアタワーはその名の通り高い水の塔となり直線状に進み、丁度直線に突進してきていたマルモコ達とそれに混ざっていた数匹のガルーを跳ね飛ばしながらびしょ濡れにしてデリートする。
だがガルーやマルモコをデリートすれば次は天井からミノゴロモンが降りてきてウッディタワーを突き進めてくる。
メイルは咄嗟に普段はあまり使わないフレイムタワーをスロットインした。
「危ない! バトルチップ『フレイムタワー』! スロットイン!」
「フレイムタワー!」
先ほどと同じように床に着いた手の先から今度は炎の塔が産声を上げて、ウッディタワーに向けて走り始める。
フレイムタワーはウッディタワーとぶつかるとウッディタワーを焼きつくしてからその姿を消した。
ついでに天井のミノゴロモンの事も焼いてデリートしてくれたようで、ロールは少しだけホッとするも、次は一体何が来るのかと緊張する。
もう次のウイルスは近くに迫っているのだろう、ロールは奥歯を噛みしめた、その瞬間だった、
「博士! ウイルスとは別のアクセス反応が! これは……オフィシャルネットバトラーのものです!」
「オフィシャルだって!?」
ウイルスの転送ルートの割り出しを続けていた名人がウイルスとは別のアクセス反応に気が付き、それが何なのかを祐一朗に報告した。
ロール達をオペレートしていた三人の内、メイルとデカオが驚いたように顔を見合わせる。
どうやら二人はネットセイバーの事は知っていてもオフィシャルネットバトラーの事は知らないようだ。
一体何が起こったのだろう、事態は好転したのかそれとも悪化したのかどちらなのだろう、それが分からないロールとガッツマンも顔を見合わせ、周囲を見回す。
すると、何処からか急にスプレッドガンのような数多くの銃弾が降り注いできて、ウイルス達をみるみる内にデリートし始めた。
一体何処から!? と驚くロールとガッツマンを横目に、プリズマンがそのショットを撃ったナビの姿を視界にとらえる。
「あ、あれはロックマン、か!?」
プリズマンの言葉にロールとガッツマンが驚いて振り向き、プリズマンの指さす先を見る。
それは地面から少し高い位置にある小さな床で、そこには確かにロックマンのように青色をした誰かがバスターと思わしき武器を掲げている。
しかしロールはそれがロックマンである筈は無いと言う。
「えっ!? でもロックマンは今、熱斗さんとクロスフュージョンして戦っているんじゃ!?」
そう、ロックマンはこの瞬間も熱斗と共に謎の女性型ネットナビ――ヴァイアストと対峙しているはずであり、電脳世界の中にいる筈が無いのだ。
それが此処にいるという事は、謎のナビとの戦闘は終わったと言う事なのか、と思い祐一朗は監視カメラを確認するが、この時丁度熱斗はヴァイアストのスプレッドガンのような銃弾を浴びせられ廊下に突き飛ばされた後で、クロスフュージョンは解かれていなかった。
つまり、ロックマンはまだ熱斗と共にいて、この科学省の電脳にいる筈が無い。
だというのに、プリズマンはそこ――科学省の電脳の中にいるネットナビをロックマンではないかと言う。
祐一朗はそれが一体誰なのかを確かめる為に、プリズマンが指差す方向に電脳カメラを向け、ズームアップを試みた。
突如現れた青いナビの姿が大画面に鮮明に映し出される。
「ロックマン……じゃ、ない?」
「どういう事だ!?」
画面に映った青いナビの姿を見て、メイルが本当は言うつもりなど無かった言葉が口から洩れてしまった様子で呟き、岬が訳が分からないと言いたげな困惑した表情で驚く。
デカオとガッツマンはもはや言葉さえ失ってポカンとしているし、ロールとプリズマンもそれがロックマンではない事だけは分かったがそれならそれは誰だと言うのかが分からずに顔を見合わせた。
そして、名人すら絶句する状況の中で、ただ一人、祐一朗だけが何かに気が付いたような顔をしていた、が、祐一朗がそれを口にする事は無かった。
倒しても倒しても、ウイルスは何処からか現れ続け、ロール達ばかりが体力を消耗するという芳しくない状態に陥り始めていたのだ。
名人と祐一朗も必死になってウイルスの転送ゲートを探るが、その捜索活動もウイルスに阻まれて上手くいかない。
「もう! 一体何匹いるって言うのよ!」
ロールアローを放ちながら、ロールが言った。
ロールの背後ではガッツマンがガッツハンマーを振りおろし、地を這うウイルス達をデリートしているが、ウイルス達の増殖速度にはまだ勝っていない。
プリズマンも先ほどからプリズムを多用して広範囲のウイルスをデリートしているのだが、これもやはり決め手にはならないらしい。
「増えるのが早すぎるでガス! 三人だけじゃ無理でガスよー!」
「諦めるな! ロックマンが戻ってくるまで、此処は俺達でくい止めるんだ!」
弱音を吐いたガッツマンをプリズマンが一喝するが、そう言うプリズマンも呼吸が乱れがちになっているのが目に見えて分かるようになってきた。
ウイルスの数が多過ぎる為、その攻撃自体はそこまで強くないとしても、被弾回数が多くなってダメージが蓄積し始めているのだ。
「おじさん! 早くウイルスの転送ルートを割り出してください! このままじゃロール達が!」
マルモコの突進を避けてもクモンペの雨がかかり、メットールの衝撃波を避けてもサーキラーの銃弾が被弾する。
所謂ジリ貧の戦いに、ロール達は身体だけでなく心の疲労も感じ始めていた。
本当に勝てるのだろうか、この場所を守れるのだろうか、そもそも生きて帰れるのだろうか、そんな不安が胸を過り始め、更に足の進みを悪くする悪循環。
それでもロール達は自分達のオペレーターの危険を少しでも減らすため、果敢にウイルス達へ立ち向かう。
メイルがまた、新たなバトルチップをスロットインした。
「バトルチップ、『アクアタワー』! スロットイン!」
「アクアタワー!!」
チップが転送されるとロールはすぐさま床に手を着き、その指先からアクアタワーを発生させた。
アクアタワーはその名の通り高い水の塔となり直線状に進み、丁度直線に突進してきていたマルモコ達とそれに混ざっていた数匹のガルーを跳ね飛ばしながらびしょ濡れにしてデリートする。
だがガルーやマルモコをデリートすれば次は天井からミノゴロモンが降りてきてウッディタワーを突き進めてくる。
メイルは咄嗟に普段はあまり使わないフレイムタワーをスロットインした。
「危ない! バトルチップ『フレイムタワー』! スロットイン!」
「フレイムタワー!」
先ほどと同じように床に着いた手の先から今度は炎の塔が産声を上げて、ウッディタワーに向けて走り始める。
フレイムタワーはウッディタワーとぶつかるとウッディタワーを焼きつくしてからその姿を消した。
ついでに天井のミノゴロモンの事も焼いてデリートしてくれたようで、ロールは少しだけホッとするも、次は一体何が来るのかと緊張する。
もう次のウイルスは近くに迫っているのだろう、ロールは奥歯を噛みしめた、その瞬間だった、
「博士! ウイルスとは別のアクセス反応が! これは……オフィシャルネットバトラーのものです!」
「オフィシャルだって!?」
ウイルスの転送ルートの割り出しを続けていた名人がウイルスとは別のアクセス反応に気が付き、それが何なのかを祐一朗に報告した。
ロール達をオペレートしていた三人の内、メイルとデカオが驚いたように顔を見合わせる。
どうやら二人はネットセイバーの事は知っていてもオフィシャルネットバトラーの事は知らないようだ。
一体何が起こったのだろう、事態は好転したのかそれとも悪化したのかどちらなのだろう、それが分からないロールとガッツマンも顔を見合わせ、周囲を見回す。
すると、何処からか急にスプレッドガンのような数多くの銃弾が降り注いできて、ウイルス達をみるみる内にデリートし始めた。
一体何処から!? と驚くロールとガッツマンを横目に、プリズマンがそのショットを撃ったナビの姿を視界にとらえる。
「あ、あれはロックマン、か!?」
プリズマンの言葉にロールとガッツマンが驚いて振り向き、プリズマンの指さす先を見る。
それは地面から少し高い位置にある小さな床で、そこには確かにロックマンのように青色をした誰かがバスターと思わしき武器を掲げている。
しかしロールはそれがロックマンである筈は無いと言う。
「えっ!? でもロックマンは今、熱斗さんとクロスフュージョンして戦っているんじゃ!?」
そう、ロックマンはこの瞬間も熱斗と共に謎の女性型ネットナビ――ヴァイアストと対峙しているはずであり、電脳世界の中にいる筈が無いのだ。
それが此処にいるという事は、謎のナビとの戦闘は終わったと言う事なのか、と思い祐一朗は監視カメラを確認するが、この時丁度熱斗はヴァイアストのスプレッドガンのような銃弾を浴びせられ廊下に突き飛ばされた後で、クロスフュージョンは解かれていなかった。
つまり、ロックマンはまだ熱斗と共にいて、この科学省の電脳にいる筈が無い。
だというのに、プリズマンはそこ――科学省の電脳の中にいるネットナビをロックマンではないかと言う。
祐一朗はそれが一体誰なのかを確かめる為に、プリズマンが指差す方向に電脳カメラを向け、ズームアップを試みた。
突如現れた青いナビの姿が大画面に鮮明に映し出される。
「ロックマン……じゃ、ない?」
「どういう事だ!?」
画面に映った青いナビの姿を見て、メイルが本当は言うつもりなど無かった言葉が口から洩れてしまった様子で呟き、岬が訳が分からないと言いたげな困惑した表情で驚く。
デカオとガッツマンはもはや言葉さえ失ってポカンとしているし、ロールとプリズマンもそれがロックマンではない事だけは分かったがそれならそれは誰だと言うのかが分からずに顔を見合わせた。
そして、名人すら絶句する状況の中で、ただ一人、祐一朗だけが何かに気が付いたような顔をしていた、が、祐一朗がそれを口にする事は無かった。