第1話:新たなる闇と新たなる戦士
クーモスとクーモスの巣が焼けて消えると、祐一朗がエレベーターに駆け寄りエレベーター右横のパネルの下向きの矢印を押した。
どうやらエレベーターは先ほどからずっとこの一階にいたようで、大した時間もかけず扉はすぐに開かれる。
幸い、その中にウイルスらしき影は無い。
熱斗達はエレベーターに駆け込み、全員が乗ると祐一朗がすぐさま扉を閉じるボタンを押して指令室のある階のボタンを押した。
エレベーターは扉を閉じて下の階へと動き出す。
「一体、何が起こっていると言うんだ……。」
祐一朗の深刻そうで不安げな呟きが聞こえ、フレイムソードを解除した熱斗はそちらに振り返った。
「こんな事をする組織って言えばネビュラのイメージがあるけど、Dr.リーガルはデューオの時に死んじゃったよな?」
熱斗は祐一朗からメイルに視線を移しながらそう問いかけ、メイルの反応を待った。
メイルは突然話を振られて一瞬反応ができずにいたが、やがてゆっくりと頷いて答える。
「そうね、Dr.リーガルは確かに死んだわ……。」
「えっ、デューオってなんだよ?」
この中で岬と合わせて二人、デューオの事件を忘れてしまっているデカオが驚いたような顔で熱斗とメイルに問いかけ返したが、その説明は面倒だったのか熱斗もメイルもデカオの疑問に答えようとはしなかった。
その代わりに、祐一朗が今回の事件について若干ではあるが推論を立てる。
「今までのパターンからして関係者に人間がいるのは確かだと思っていいだろう。それも、ディメンショナルエリアを作り出せるほどの人間……まさかDr.ワイリーが?」
一度目のネビュラ事件の時にも名前が挙がった悪の天才科学者――Dr.ワイリー。
かつてWWWとゴスペルを率いてネット社会の混乱と恐怖を散布していた彼ならこの程度の事は造作もないのではないかと祐一朗は疑っていた。
事実、この科学省にあるディメンショナルジェネレーターは祐一朗の設計ではなく、Dr.ワイリーの設計だ。
しかし、逆にいえばそれは現在のDr.ワイリーが科学省をはじめとする正義の味方にやや加担しているという事でもある。
その観点から、再びDr.ワイリーが事件を起こすとは考えにくいと思った熱斗が祐一朗の意見に反対する。
「待ってよパパ、ワイリーはもうそんな事をするような感じじゃないと思う。この科学省のディメンショナルジェネレーターだってワイリーの設計だし、あとなんていうか、隠居生活が馴染んでるみたいっていうか……とにかく違うと思う。」
「だが、だとすると誰が……」
祐一朗が不安げに呟いた時、エレベーターの扉が開いた。
その突如、岬が叫ぶ。
「伏せろッ!!」
驚いて伏せた熱斗達の上を、大きく赤い炎が通り、壁に当たっては消えていく。
炎が消えた時熱斗がそっと前を見ると、指令室に続く廊下には何匹かのガルーがいた。
デカオが「またウイルスかよ!」毒づき、メイルが「ここもなの!?」と絶望にも似た声を漏らすが、身体を起こした熱斗は何も言わずにガルーに向けて走り出した。
そして、ガルーが再び炎を吐こうとして口を開いた瞬間、
「バトルチップ、『バブルショット』!」
熱斗の右腕はすぐさまバブルショットの発射装置に変わり、その銃口は青く光るショットを放ち、ガルーに正面から当たると大量の水を飛び散らせた。
近くにいた他のガルーもその水の余波を受けてHP(ヒットポイント)を削られ消えていく。
これで指令室までの道を阻むものは無くなった。
「急ごう!他のウイルスが来ない内に!」
熱斗の声を受けて、それまでエレベーター内で固まっていたメイル達が立ちあがり、エレベータを降りる。
メイルとデカオが少し怯えた様子で熱斗に駆け寄り、祐一朗と岬は廊下の先の指令室の扉の右横にあるロックシステムの解除を始めた。
そこへ熱斗がメイルとデカオを連れて近付く。
「クソッ、俺様は何て無力なんだ! 俺もクロスフュージョン出来ればあんな奴ら屁でもないってのによ!」
デカオはどうやら単純に怯えているというよりも、怯えることしかできない自分に腹が立っているようだった。
メイルが何処か不安以外に何か迷っているように見えるのは、一応はクロスフュージョンメンバーであった――この事態に立ち向かう力が無い訳ではない故か。
そんなそれぞれ違った様子を見せる二人を見て熱斗は、今は俺がちゃんとしなきゃ、ちゃんと、みんなを守らなくっちゃ、と決意を新たにする。
そんな事をしている間にも、祐一朗と岬はロックシステムの解除を進め、やがてピーッと軽快な音がしてロックシステムの解除が確認された。
シューッと音を立てて開いた指令室の扉の奥に駆け込むと、そこには既に数人の職員と名人が待機していた。
「名人!」
「光博士! よかった、皆無事でしたか。」
「ああ。それで、今の状況は!?」
祐一朗が尋ねると名人は手元のキーボードを何やらカチャカチャと音を立てて叩き、前方の大画面の中にいくつかの監視カメラの映像を映し出した。
映し出された映像はどれも、ウイルスの姿で一杯で、今科学省が壊滅していないのが奇跡に思えた。
しかしそれもいつまでもつか分からない、これは早急に原因を突き止めなくては、と思ったその時、先ほど急に鳴ったのと同じ警報がまた鳴りだした。
どうやらエレベーターは先ほどからずっとこの一階にいたようで、大した時間もかけず扉はすぐに開かれる。
幸い、その中にウイルスらしき影は無い。
熱斗達はエレベーターに駆け込み、全員が乗ると祐一朗がすぐさま扉を閉じるボタンを押して指令室のある階のボタンを押した。
エレベーターは扉を閉じて下の階へと動き出す。
「一体、何が起こっていると言うんだ……。」
祐一朗の深刻そうで不安げな呟きが聞こえ、フレイムソードを解除した熱斗はそちらに振り返った。
「こんな事をする組織って言えばネビュラのイメージがあるけど、Dr.リーガルはデューオの時に死んじゃったよな?」
熱斗は祐一朗からメイルに視線を移しながらそう問いかけ、メイルの反応を待った。
メイルは突然話を振られて一瞬反応ができずにいたが、やがてゆっくりと頷いて答える。
「そうね、Dr.リーガルは確かに死んだわ……。」
「えっ、デューオってなんだよ?」
この中で岬と合わせて二人、デューオの事件を忘れてしまっているデカオが驚いたような顔で熱斗とメイルに問いかけ返したが、その説明は面倒だったのか熱斗もメイルもデカオの疑問に答えようとはしなかった。
その代わりに、祐一朗が今回の事件について若干ではあるが推論を立てる。
「今までのパターンからして関係者に人間がいるのは確かだと思っていいだろう。それも、ディメンショナルエリアを作り出せるほどの人間……まさかDr.ワイリーが?」
一度目のネビュラ事件の時にも名前が挙がった悪の天才科学者――Dr.ワイリー。
かつてWWWとゴスペルを率いてネット社会の混乱と恐怖を散布していた彼ならこの程度の事は造作もないのではないかと祐一朗は疑っていた。
事実、この科学省にあるディメンショナルジェネレーターは祐一朗の設計ではなく、Dr.ワイリーの設計だ。
しかし、逆にいえばそれは現在のDr.ワイリーが科学省をはじめとする正義の味方にやや加担しているという事でもある。
その観点から、再びDr.ワイリーが事件を起こすとは考えにくいと思った熱斗が祐一朗の意見に反対する。
「待ってよパパ、ワイリーはもうそんな事をするような感じじゃないと思う。この科学省のディメンショナルジェネレーターだってワイリーの設計だし、あとなんていうか、隠居生活が馴染んでるみたいっていうか……とにかく違うと思う。」
「だが、だとすると誰が……」
祐一朗が不安げに呟いた時、エレベーターの扉が開いた。
その突如、岬が叫ぶ。
「伏せろッ!!」
驚いて伏せた熱斗達の上を、大きく赤い炎が通り、壁に当たっては消えていく。
炎が消えた時熱斗がそっと前を見ると、指令室に続く廊下には何匹かのガルーがいた。
デカオが「またウイルスかよ!」毒づき、メイルが「ここもなの!?」と絶望にも似た声を漏らすが、身体を起こした熱斗は何も言わずにガルーに向けて走り出した。
そして、ガルーが再び炎を吐こうとして口を開いた瞬間、
「バトルチップ、『バブルショット』!」
熱斗の右腕はすぐさまバブルショットの発射装置に変わり、その銃口は青く光るショットを放ち、ガルーに正面から当たると大量の水を飛び散らせた。
近くにいた他のガルーもその水の余波を受けてHP(ヒットポイント)を削られ消えていく。
これで指令室までの道を阻むものは無くなった。
「急ごう!他のウイルスが来ない内に!」
熱斗の声を受けて、それまでエレベーター内で固まっていたメイル達が立ちあがり、エレベータを降りる。
メイルとデカオが少し怯えた様子で熱斗に駆け寄り、祐一朗と岬は廊下の先の指令室の扉の右横にあるロックシステムの解除を始めた。
そこへ熱斗がメイルとデカオを連れて近付く。
「クソッ、俺様は何て無力なんだ! 俺もクロスフュージョン出来ればあんな奴ら屁でもないってのによ!」
デカオはどうやら単純に怯えているというよりも、怯えることしかできない自分に腹が立っているようだった。
メイルが何処か不安以外に何か迷っているように見えるのは、一応はクロスフュージョンメンバーであった――この事態に立ち向かう力が無い訳ではない故か。
そんなそれぞれ違った様子を見せる二人を見て熱斗は、今は俺がちゃんとしなきゃ、ちゃんと、みんなを守らなくっちゃ、と決意を新たにする。
そんな事をしている間にも、祐一朗と岬はロックシステムの解除を進め、やがてピーッと軽快な音がしてロックシステムの解除が確認された。
シューッと音を立てて開いた指令室の扉の奥に駆け込むと、そこには既に数人の職員と名人が待機していた。
「名人!」
「光博士! よかった、皆無事でしたか。」
「ああ。それで、今の状況は!?」
祐一朗が尋ねると名人は手元のキーボードを何やらカチャカチャと音を立てて叩き、前方の大画面の中にいくつかの監視カメラの映像を映し出した。
映し出された映像はどれも、ウイルスの姿で一杯で、今科学省が壊滅していないのが奇跡に思えた。
しかしそれもいつまでもつか分からない、これは早急に原因を突き止めなくては、と思ったその時、先ほど急に鳴ったのと同じ警報がまた鳴りだした。