第1話:新たなる闇と新たなる戦士
「あー、さっきこの階に上がろうとしてエレベーターを呼んだら、そんな感じの子が降りてきたんだ。科学省に俺達ぐらいの子供って珍しいから、ちょっと気になったんだけど……」
熱斗が説明している間に、四人はエレベーター前に到着した。
先頭に立つ祐一朗がエレベーター右横のパネルにある下向きの矢印を押しながら熱斗達に振り返る。
「なるほど、それでか。じゃあ、もし今度そういう話を聞いたら教えよう。」
「うん、分かった、ありがとパパ。」
もしも情報を得たらそれを提供してくれると言った祐一朗に熱斗が礼を言った瞬間、エレベーターの扉が開いた。
熱斗は一瞬、そこにあの人物が再び乗っている事を期待したが、そこには誰もいなかった。
内心で二回目の落胆を感じながら、熱斗はエレベーターに乗り込む。
メイルとデカオはもう謎の少年あるいは少女からは話題が離れたらしく、やや明るい表情で談笑を交わしている。
此方はどうやらクロスフュージョンの話題らしい。
談笑を交わす二人がエレベーターに乗り込むと、最後に祐一朗がエレベータに乗り込み、扉がゆっくりと閉まった。
そしてエレベーターは食道のある一階に向けて下がり始めるのであった。
やがてエレベーターを降りた熱斗達は最初に通った廊下を今度は受付のある方向に向けて歩き、受付のカウンターのある場所まで戻ってきた。
その時点で着替えを終えた岬が合流し、この建物とは別の建物にある食堂と売店に向かう為、五人はほぼ長方形の建物を後にした。
そして手前にある円形の建物二つの内の片方に入り、食堂に向けて歩く。
その途中、どこかキョロキョロと落ち着きなく周囲を見渡している熱斗にメイルが気がついて声をかけた。
「熱斗、何か探し物?」
すると熱斗は少し驚いた様子で反応し、
「あ、いや、そういう訳じゃないんだけど……」
と、何処か歯切れの悪い返事をメイルに返した。
熱斗がまだ先ほどの少年あるいは少女の事を気にしている事に気付かないメイルは、歩きながら小さく首をかしげる。
それを見て熱斗は、メイルちゃんはさっきの子の事あんまり気にしてないのかな……? と思いながら視線を前方に向け直した。
そして少し歩き続けると、徐々にコーヒーのような匂いが薄っすらと漂い始め、視線の先に食堂の入口が見えてきた。
若干遠くに見える食堂はそれ程込み合っておらず、五人で雑談を交わしながら休憩をとるには丁度良いように感じられる。
食堂に入ると、熱斗はまず周囲を見渡した。
勿論、どの席に座るか考えているというのもあるのだが、熱斗の脳裏に焼き付いて離れないのはやはりあの同い年程度の人物の事だ。
あの時奥の長方形の建物を後にしていたとしたら、休憩がてらこの食堂に来ているかもしれない、と熱斗は考えていたのだが、どうやらその予想は外れであったようで、そこにそれらしき姿は無い。
あるのは、白衣を着たままコーヒーと思わしき飲み物を飲んでいる研究員たちの姿だけだ。
熱斗はやはりやや落胆しながら近くの大型テーブルの席に座る。
そしてそれに続くようにメイル、デカオが着席し、最後に岬と祐一朗が着席した。
そして四人のナビ達がそれぞれオペレーターの肩の上に現れてくる。
さてこの中で最初に口を開くのは誰だ? と熱斗が妙な期待を寄せながら、同時に何を頼もうかと考えていると、デカオが誰よりも早く口を開いた。
「博士! 岬刑事で実験が成功したら次は俺とガッツマンを使ってください!」
「ガスガス! ガッツマンもデカオとクロスフュージョンしたいでガス!」
「そ、そうだね、君のガッツマンのシンクロ率は、正確には計って無かったね。」
デカオの勢いという名の迫力に押されたのか、それとも覚えている二人の科学者の内の一人であるからデカオとガッツマンのシンクロ率の低さを知っているのか、祐一朗の表情は若干苦笑いのように見えた。
熱斗とメイルもどこか苦笑を隠せずにいて、訳を詳しく知らない岬だけが普通にすました表情をしている。
祐一朗に詰め寄るデカオとデカオに詰め寄られる祐一朗を横目に、熱斗はテーブルの端に準備されたメニューへと手を伸ばした。
コーヒーは自分の味覚に合わないし、ジュースと菓子パンでも頼もうか、と思い、食堂の職員に向けて、すみません、と声をかけようとした、その時、突如鼓膜をつんざくような大音量でビーッ、ビーッというサイレンが鳴り始めた。
熱斗とメイルとデカオが驚いて顔を上げ、祐一朗と岬が焦って立ちあがる。
「な、なんだよ? 何の音?」
頭上にハテナマークを浮かべたような熱斗を見て、祐一朗が険しい表情で呟いてその答えを教える。
「これは警告音……一体何があったんだ!?」
「光博士、とりあえず指令室に向かいましょう。あそこにいる職員なら訳を把握しているはずです。」
そのサイレンはどうやら科学省内の緊急事態を知らせるサイレンだったようで、祐一朗と岬の会話から事件だと察知した熱斗も席を立った。
メイルとデカオが不安げに顔を見合わせ、周囲の職員達も慌ただしく走り出す。
ともかくここは岬の言う通り指令室に向かった方がよさそうだ、と熱斗が思ったまさにその瞬間、警告音の次の異変が科学省全体を襲う。
壁の色が徐々に変色し、極彩色に輝き始めたのだ。
何度も何度もその光景を見てきた熱斗と祐一朗、そして岬は口を揃えて、
「ディメンショナルエリアだ!」
と言った。
熱斗が説明している間に、四人はエレベーター前に到着した。
先頭に立つ祐一朗がエレベーター右横のパネルにある下向きの矢印を押しながら熱斗達に振り返る。
「なるほど、それでか。じゃあ、もし今度そういう話を聞いたら教えよう。」
「うん、分かった、ありがとパパ。」
もしも情報を得たらそれを提供してくれると言った祐一朗に熱斗が礼を言った瞬間、エレベーターの扉が開いた。
熱斗は一瞬、そこにあの人物が再び乗っている事を期待したが、そこには誰もいなかった。
内心で二回目の落胆を感じながら、熱斗はエレベーターに乗り込む。
メイルとデカオはもう謎の少年あるいは少女からは話題が離れたらしく、やや明るい表情で談笑を交わしている。
此方はどうやらクロスフュージョンの話題らしい。
談笑を交わす二人がエレベーターに乗り込むと、最後に祐一朗がエレベータに乗り込み、扉がゆっくりと閉まった。
そしてエレベーターは食道のある一階に向けて下がり始めるのであった。
やがてエレベーターを降りた熱斗達は最初に通った廊下を今度は受付のある方向に向けて歩き、受付のカウンターのある場所まで戻ってきた。
その時点で着替えを終えた岬が合流し、この建物とは別の建物にある食堂と売店に向かう為、五人はほぼ長方形の建物を後にした。
そして手前にある円形の建物二つの内の片方に入り、食堂に向けて歩く。
その途中、どこかキョロキョロと落ち着きなく周囲を見渡している熱斗にメイルが気がついて声をかけた。
「熱斗、何か探し物?」
すると熱斗は少し驚いた様子で反応し、
「あ、いや、そういう訳じゃないんだけど……」
と、何処か歯切れの悪い返事をメイルに返した。
熱斗がまだ先ほどの少年あるいは少女の事を気にしている事に気付かないメイルは、歩きながら小さく首をかしげる。
それを見て熱斗は、メイルちゃんはさっきの子の事あんまり気にしてないのかな……? と思いながら視線を前方に向け直した。
そして少し歩き続けると、徐々にコーヒーのような匂いが薄っすらと漂い始め、視線の先に食堂の入口が見えてきた。
若干遠くに見える食堂はそれ程込み合っておらず、五人で雑談を交わしながら休憩をとるには丁度良いように感じられる。
食堂に入ると、熱斗はまず周囲を見渡した。
勿論、どの席に座るか考えているというのもあるのだが、熱斗の脳裏に焼き付いて離れないのはやはりあの同い年程度の人物の事だ。
あの時奥の長方形の建物を後にしていたとしたら、休憩がてらこの食堂に来ているかもしれない、と熱斗は考えていたのだが、どうやらその予想は外れであったようで、そこにそれらしき姿は無い。
あるのは、白衣を着たままコーヒーと思わしき飲み物を飲んでいる研究員たちの姿だけだ。
熱斗はやはりやや落胆しながら近くの大型テーブルの席に座る。
そしてそれに続くようにメイル、デカオが着席し、最後に岬と祐一朗が着席した。
そして四人のナビ達がそれぞれオペレーターの肩の上に現れてくる。
さてこの中で最初に口を開くのは誰だ? と熱斗が妙な期待を寄せながら、同時に何を頼もうかと考えていると、デカオが誰よりも早く口を開いた。
「博士! 岬刑事で実験が成功したら次は俺とガッツマンを使ってください!」
「ガスガス! ガッツマンもデカオとクロスフュージョンしたいでガス!」
「そ、そうだね、君のガッツマンのシンクロ率は、正確には計って無かったね。」
デカオの勢いという名の迫力に押されたのか、それとも覚えている二人の科学者の内の一人であるからデカオとガッツマンのシンクロ率の低さを知っているのか、祐一朗の表情は若干苦笑いのように見えた。
熱斗とメイルもどこか苦笑を隠せずにいて、訳を詳しく知らない岬だけが普通にすました表情をしている。
祐一朗に詰め寄るデカオとデカオに詰め寄られる祐一朗を横目に、熱斗はテーブルの端に準備されたメニューへと手を伸ばした。
コーヒーは自分の味覚に合わないし、ジュースと菓子パンでも頼もうか、と思い、食堂の職員に向けて、すみません、と声をかけようとした、その時、突如鼓膜をつんざくような大音量でビーッ、ビーッというサイレンが鳴り始めた。
熱斗とメイルとデカオが驚いて顔を上げ、祐一朗と岬が焦って立ちあがる。
「な、なんだよ? 何の音?」
頭上にハテナマークを浮かべたような熱斗を見て、祐一朗が険しい表情で呟いてその答えを教える。
「これは警告音……一体何があったんだ!?」
「光博士、とりあえず指令室に向かいましょう。あそこにいる職員なら訳を把握しているはずです。」
そのサイレンはどうやら科学省内の緊急事態を知らせるサイレンだったようで、祐一朗と岬の会話から事件だと察知した熱斗も席を立った。
メイルとデカオが不安げに顔を見合わせ、周囲の職員達も慌ただしく走り出す。
ともかくここは岬の言う通り指令室に向かった方がよさそうだ、と熱斗が思ったまさにその瞬間、警告音の次の異変が科学省全体を襲う。
壁の色が徐々に変色し、極彩色に輝き始めたのだ。
何度も何度もその光景を見てきた熱斗と祐一朗、そして岬は口を揃えて、
「ディメンショナルエリアだ!」
と言った。