短編
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今我が国の城内はバタバタと廊下内を走る音が鳴り響いている。先日から敵対していた国と話し合いを何度ももちかけたが無視され、遂に戦争へと発展したのだった。
それから総統の気持ちが知れて数週間、あれから何も進展がなく桔梗はバタバタと城内の部屋を行き来していた。
『ふう、あとはあの部屋だけか』
掃除をするためにすぐ隣の部屋を開けようとすると、何やら中から話し声が聞こえてきた。初めに聞こえてきたのは低くも落ち着いている書記長と同僚のメイドの声だった。
「…して悪いな」
「い、いえとんでもございません!仕方ないです…!書記長様もお忙しいですし私は大丈夫です」
扉の隙間からは横顔しか見てなかったが、メイドは明らかに寂しさを思わせる笑顔をしていた。そしてすぐさま書記長はメイドを抱き寄せた。
「しょ、書記長様?!」
「この戦争が終わったらまたゆっくり話そう」
「はい」
メイドの答えと同時に2人は自然に口付けを交わした。掃除をするはずが、2人の秘密のやり取りを見てしまい少し罪悪感に駆られ、桔梗はさっき掃除した隣の部屋へ移動した。
『…まじかぁ』
桔梗が思いを寄せる総統は書記長とは昔からの友人だと噂されており、とても仲がいい。会議中や会談の時に珈琲を持っていくが、いつも傍にいてサポートをしている。そんな書記長がまさか同僚のメイドと良い感じの関係だとは予想外だった。だからあんなに相談に乗ってくれてたのか…。
「なっ!聞いてたの!?」
『ええ!早く教えなさいよ~』
桔梗は2人が部屋から出ていったのを見計らってささっと掃除をし、急いで倉庫へ戻った。そうすると倉庫には先ほど書記長と話していた同僚がいたので、問い詰めることにした。
「べ、別に大したことは話してないわよ・・・?」
『嘘つきなさいよ!抱き合っていたじゃない。訳ありでしょ?』
「そそそ、そんなところまで見ていたの!?」
『ええそうよ。さ、早く教えなさい?』
そういい桔梗は上目遣いで彼女を言いよると、諦めたのかはぁとため息をついて少しばかり頬を赤らめながら話し始めた。
「実は私、恐れながらも書記長様とお付き合いしているの」
『初耳・・・』
「まあ誰にも言ってないからね。それで最近戦争で忙しいじゃん?」
国自体が戦争の準備をしていて、もちろん幹部や総統、書記長はいつもよりさらに忙しくなる。桔梗もここ最近総統を見かけていないのだった。コクっと頷くと彼女は俯きながら語る。
「書記長様が最近戦争で忙しくて、何もできていなくて悪いって言って抱きしめてくださったの」
『素敵ね書記長様…』
「そうでしょ?こんな大変な時にも私のこと気遣ってくださって。本当に幸せなの」
彼女はさっきの出来事を思い出して、幸せそうに微笑んだ。こんな彼女の顔は初めて見て桔梗は驚いた。
そしてお互い似たような恋愛をしているのに対して、どこか安心感が沸いた。普通じゃないからこそ分かり合えるような、そしてさらに仲良くできるようなそんな気がして桔梗も微笑んだ。
月は高く上り町は眠りについたころ、桔梗は家へ帰るために城内の廊下を歩いていた。城内は部屋の明かりが消えて少し暗いが、窓から入ってくる月の光が廊下を照らしてくれている。俯きながら歩いていると廊下に何故か影があり、頭を上げるともう城から出るところに誰かが立っていた。あの金髪は・・・
「やっと帰りか、桔梗」
『そ、総統様!?』
そこにはこの国のトップ、グルッペンが壁に寄りかかって立っていた。いつもしっかりと占められているネクタイは緩く解かれていた。
「最近構ってやれていなくてすまんな」
『と、とんでもございません!私は大丈夫です』
「ほぉ?お前は大丈夫なのか」
そういいグルッペンは桔梗に歩み寄り、ポスンと桔梗の肩へ頭を置いた。
『そそそ総統様!?』
「…少しだけこうさせてくれ」
さすがにグルッペンも疲れてかして目を閉じた。桔梗は恐る恐る男にしては細く、しかししっかりと筋肉が付いた体を抱きしめて頭を撫でた。びくっと体が跳ねるがすぐに桔梗へ体を預けた。
「お前ってやつは・・・」
『今日も一日お疲れ様です』
「ああ、ありがとう」
そうしてグルッペンは名残惜しくも桔梗から離れ、桔梗が遠くへ見えなくなるまで見送っていた。
「最近どうなんグルさん」
「なんだトン氏、すっきりした顔して」
「もうすぐ戦争だし、ちょっと・・・な?」
「・・・俺だって我慢してんだよ」
「少しは欲張っていいんじゃね?」
「・・・今夜癒されてくる」
「ナイス」
それから総統の気持ちが知れて数週間、あれから何も進展がなく桔梗はバタバタと城内の部屋を行き来していた。
『ふう、あとはあの部屋だけか』
掃除をするためにすぐ隣の部屋を開けようとすると、何やら中から話し声が聞こえてきた。初めに聞こえてきたのは低くも落ち着いている書記長と同僚のメイドの声だった。
「…して悪いな」
「い、いえとんでもございません!仕方ないです…!書記長様もお忙しいですし私は大丈夫です」
扉の隙間からは横顔しか見てなかったが、メイドは明らかに寂しさを思わせる笑顔をしていた。そしてすぐさま書記長はメイドを抱き寄せた。
「しょ、書記長様?!」
「この戦争が終わったらまたゆっくり話そう」
「はい」
メイドの答えと同時に2人は自然に口付けを交わした。掃除をするはずが、2人の秘密のやり取りを見てしまい少し罪悪感に駆られ、桔梗はさっき掃除した隣の部屋へ移動した。
『…まじかぁ』
桔梗が思いを寄せる総統は書記長とは昔からの友人だと噂されており、とても仲がいい。会議中や会談の時に珈琲を持っていくが、いつも傍にいてサポートをしている。そんな書記長がまさか同僚のメイドと良い感じの関係だとは予想外だった。だからあんなに相談に乗ってくれてたのか…。
「なっ!聞いてたの!?」
『ええ!早く教えなさいよ~』
桔梗は2人が部屋から出ていったのを見計らってささっと掃除をし、急いで倉庫へ戻った。そうすると倉庫には先ほど書記長と話していた同僚がいたので、問い詰めることにした。
「べ、別に大したことは話してないわよ・・・?」
『嘘つきなさいよ!抱き合っていたじゃない。訳ありでしょ?』
「そそそ、そんなところまで見ていたの!?」
『ええそうよ。さ、早く教えなさい?』
そういい桔梗は上目遣いで彼女を言いよると、諦めたのかはぁとため息をついて少しばかり頬を赤らめながら話し始めた。
「実は私、恐れながらも書記長様とお付き合いしているの」
『初耳・・・』
「まあ誰にも言ってないからね。それで最近戦争で忙しいじゃん?」
国自体が戦争の準備をしていて、もちろん幹部や総統、書記長はいつもよりさらに忙しくなる。桔梗もここ最近総統を見かけていないのだった。コクっと頷くと彼女は俯きながら語る。
「書記長様が最近戦争で忙しくて、何もできていなくて悪いって言って抱きしめてくださったの」
『素敵ね書記長様…』
「そうでしょ?こんな大変な時にも私のこと気遣ってくださって。本当に幸せなの」
彼女はさっきの出来事を思い出して、幸せそうに微笑んだ。こんな彼女の顔は初めて見て桔梗は驚いた。
そしてお互い似たような恋愛をしているのに対して、どこか安心感が沸いた。普通じゃないからこそ分かり合えるような、そしてさらに仲良くできるようなそんな気がして桔梗も微笑んだ。
月は高く上り町は眠りについたころ、桔梗は家へ帰るために城内の廊下を歩いていた。城内は部屋の明かりが消えて少し暗いが、窓から入ってくる月の光が廊下を照らしてくれている。俯きながら歩いていると廊下に何故か影があり、頭を上げるともう城から出るところに誰かが立っていた。あの金髪は・・・
「やっと帰りか、桔梗」
『そ、総統様!?』
そこにはこの国のトップ、グルッペンが壁に寄りかかって立っていた。いつもしっかりと占められているネクタイは緩く解かれていた。
「最近構ってやれていなくてすまんな」
『と、とんでもございません!私は大丈夫です』
「ほぉ?お前は大丈夫なのか」
そういいグルッペンは桔梗に歩み寄り、ポスンと桔梗の肩へ頭を置いた。
『そそそ総統様!?』
「…少しだけこうさせてくれ」
さすがにグルッペンも疲れてかして目を閉じた。桔梗は恐る恐る男にしては細く、しかししっかりと筋肉が付いた体を抱きしめて頭を撫でた。びくっと体が跳ねるがすぐに桔梗へ体を預けた。
「お前ってやつは・・・」
『今日も一日お疲れ様です』
「ああ、ありがとう」
そうしてグルッペンは名残惜しくも桔梗から離れ、桔梗が遠くへ見えなくなるまで見送っていた。
「最近どうなんグルさん」
「なんだトン氏、すっきりした顔して」
「もうすぐ戦争だし、ちょっと・・・な?」
「・・・俺だって我慢してんだよ」
「少しは欲張っていいんじゃね?」
「・・・今夜癒されてくる」
「ナイス」