短編
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収穫祭が終わり鮮やかに咲いていたイチョウや紅葉の葉は徐々に地面へ落ちていく。桔梗が育てる、ピンク色に咲く撫子の花もヒラヒラと空へ誘われていく。
『うーん…』
「…………」
昨日言い渡されたノルマをこなし、その日の内に報告書にまとめて次の日に提出する。これがめんどくさいのかサソリはいつも桔梗に任せて自分はメンテナンスに走って部屋に篭もる。反対にデイダラは桔梗が報告書を書いてると悪戯をしてくるがずっと傍にいてくれるのだった。
今もこうして部屋の中央にあるローテーブルで向かい合っている2人は先日の報告書に悩まされていた。
「…よし」
『落書きしてないでデイダラも手伝ってよ』
「やだね」
そういい報告書の端っこに鳥の絵を描いたデイダラは、その隣に新たに絵を書き始める。よく見ると任務の時に使う起爆粘土の鳥型によく似ていた。
「オイラそういう頭使う作業は好きじゃねぇんだ、うん」
『全然頭使わない』
黙々と線を混じり合わせて絵を描く彼の顔は真剣で少しばかり桔梗の胸に響いた。普段はふざけて笑う彼も芸術活動となると真剣な表情になるのだった。久しぶりに新鮮な彼を見れて桔梗は思わず頭を撫でたくなって、気づいたら彼の頭を優しく撫でていた。
「…何?」
『いいや〜なんか可愛いなって思って』
「はあ?」
撫でられることが不服なのかデイダラはムスッとして自分の頭にある桔梗の手を掴んで下ろさせて、芸術活動という名の落書きを再開させる。
『ちょっとお茶入れてくるね』
少し嫌な思いをさせてしまったかなと感じで、桔梗は勿論お茶を入れるが少し席を外すことにした。バタンと部屋のドアを閉めたのを確認して後はぁとため息をついてしまった。
いつも通りキッチンへ行ってお茶の葉が入っている缶を取り出そうとすると、アジトの玄関が開く音がして誰かが帰ってきた。
「今戻った」
「ただいま」
ペインと小南が帰ってきたのだった。2人の衣服や髪は汚れ乱れていて、ペインはすぐさまどこかへ行ってしまった。
『おかえり姉様』
「あ、お茶を入れるの?」
『うん?そうだけど』
「ならちょっと待ってて」
そう言って小南は自分の部屋に戻り外套を脱いで乱れた髪を整えて戻ってきた。そしてキッチンの上の棚から手のひらサイズの袋を取り出して桔梗に渡した。
「これを飲みなさい」
『これ何ですか?』
「ディンブラ紅茶よ」
袋を開けてティーバックを2つ取り出し、それぞれのカップに入れて湯を注いでいく。とぽとぽと音を立てながら上品な匂いをさせて透明な湯は美しい赤褐色へと染まっていく。お皿にミルクとスプーンを添えて小南はじっと見つめていた桔梗の前へ差し出した。
「これを飲むのは私と桔梗くらいだからね」
『い、いいの姉様・・・?』
「いいわよ。遠慮しないでデイダラと飲んできなさい」
『ありがとう・・・!』
湯気を絶たせて桔梗はデイダラが待つ自分の部屋へ戻った。デイダラはベッドにもたれて、窓から入ってくる爽やかな風に打たれてうとうととしていたようだったがドアの音を聞いて目を覚ました。
「ああ桔梗」
『お待たせ。紅茶を入れてきたなの、飲まない?』
テーブルへお盆を置いて二つのカップをそれぞれ置いていく。珍しくお茶以外のものが出てきてデイダラは目を丸くしてディンブラ紅茶の匂いを手で仰いだ。
「これなんだ?」
『これはディンブラ紅茶っていう紅茶』
「こんなのうちにあったんだな、うん」
そういってデイダラはふーふーと覚まして恐る恐るズルっと飲んでみる。渋みが少なくコクがありスッキリとした味わいのディンブラ紅茶を始めて飲んだデイダラは感動した。
「これすげえうめぇぞ、うん」
『ほんとに?よかったぁ』
「・・・ありがとな桔梗」
『ふふ』
2人で笑いあっているとふと風で飛ばされた紙を見て、先ほどまでにデイダラが落書きしていた報告書を見て桔梗は現実に戻された。枠いっぱいに彼の芸術作品が広がってとてもじゃないがペインには渡せないようになっていた。
「なんだその頬は」
「なんでもねぇよ。早く受け取れ、うん」
「そうか。もし敵にやられたんなら言え」
「リーダーに言ってもどうにもなんねぇよ、うん」
「ほぉ?」
『うーん…』
「…………」
昨日言い渡されたノルマをこなし、その日の内に報告書にまとめて次の日に提出する。これがめんどくさいのかサソリはいつも桔梗に任せて自分はメンテナンスに走って部屋に篭もる。反対にデイダラは桔梗が報告書を書いてると悪戯をしてくるがずっと傍にいてくれるのだった。
今もこうして部屋の中央にあるローテーブルで向かい合っている2人は先日の報告書に悩まされていた。
「…よし」
『落書きしてないでデイダラも手伝ってよ』
「やだね」
そういい報告書の端っこに鳥の絵を描いたデイダラは、その隣に新たに絵を書き始める。よく見ると任務の時に使う起爆粘土の鳥型によく似ていた。
「オイラそういう頭使う作業は好きじゃねぇんだ、うん」
『全然頭使わない』
黙々と線を混じり合わせて絵を描く彼の顔は真剣で少しばかり桔梗の胸に響いた。普段はふざけて笑う彼も芸術活動となると真剣な表情になるのだった。久しぶりに新鮮な彼を見れて桔梗は思わず頭を撫でたくなって、気づいたら彼の頭を優しく撫でていた。
「…何?」
『いいや〜なんか可愛いなって思って』
「はあ?」
撫でられることが不服なのかデイダラはムスッとして自分の頭にある桔梗の手を掴んで下ろさせて、芸術活動という名の落書きを再開させる。
『ちょっとお茶入れてくるね』
少し嫌な思いをさせてしまったかなと感じで、桔梗は勿論お茶を入れるが少し席を外すことにした。バタンと部屋のドアを閉めたのを確認して後はぁとため息をついてしまった。
いつも通りキッチンへ行ってお茶の葉が入っている缶を取り出そうとすると、アジトの玄関が開く音がして誰かが帰ってきた。
「今戻った」
「ただいま」
ペインと小南が帰ってきたのだった。2人の衣服や髪は汚れ乱れていて、ペインはすぐさまどこかへ行ってしまった。
『おかえり姉様』
「あ、お茶を入れるの?」
『うん?そうだけど』
「ならちょっと待ってて」
そう言って小南は自分の部屋に戻り外套を脱いで乱れた髪を整えて戻ってきた。そしてキッチンの上の棚から手のひらサイズの袋を取り出して桔梗に渡した。
「これを飲みなさい」
『これ何ですか?』
「ディンブラ紅茶よ」
袋を開けてティーバックを2つ取り出し、それぞれのカップに入れて湯を注いでいく。とぽとぽと音を立てながら上品な匂いをさせて透明な湯は美しい赤褐色へと染まっていく。お皿にミルクとスプーンを添えて小南はじっと見つめていた桔梗の前へ差し出した。
「これを飲むのは私と桔梗くらいだからね」
『い、いいの姉様・・・?』
「いいわよ。遠慮しないでデイダラと飲んできなさい」
『ありがとう・・・!』
湯気を絶たせて桔梗はデイダラが待つ自分の部屋へ戻った。デイダラはベッドにもたれて、窓から入ってくる爽やかな風に打たれてうとうととしていたようだったがドアの音を聞いて目を覚ました。
「ああ桔梗」
『お待たせ。紅茶を入れてきたなの、飲まない?』
テーブルへお盆を置いて二つのカップをそれぞれ置いていく。珍しくお茶以外のものが出てきてデイダラは目を丸くしてディンブラ紅茶の匂いを手で仰いだ。
「これなんだ?」
『これはディンブラ紅茶っていう紅茶』
「こんなのうちにあったんだな、うん」
そういってデイダラはふーふーと覚まして恐る恐るズルっと飲んでみる。渋みが少なくコクがありスッキリとした味わいのディンブラ紅茶を始めて飲んだデイダラは感動した。
「これすげえうめぇぞ、うん」
『ほんとに?よかったぁ』
「・・・ありがとな桔梗」
『ふふ』
2人で笑いあっているとふと風で飛ばされた紙を見て、先ほどまでにデイダラが落書きしていた報告書を見て桔梗は現実に戻された。枠いっぱいに彼の芸術作品が広がってとてもじゃないがペインには渡せないようになっていた。
「なんだその頬は」
「なんでもねぇよ。早く受け取れ、うん」
「そうか。もし敵にやられたんなら言え」
「リーダーに言ってもどうにもなんねぇよ、うん」
「ほぉ?」