episode1〜転校生
Dream Name
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僕が引き止めた彼女は、
どこか不服そうに椅子に座っている。
「じゃあ、お昼にしようか。那須さん、どれ食べたい?」
いい加減お腹が空いたと、
皆はそれぞれ持ってきた弁当を広げる。
そして、繋げた机の中心には大きな寿司桶。
その中は彩り鮮やかな寿司が綺麗に整列している。
『ほんとに食べて良いの?』
どれが食べたい?なんて聞くタカさんに
食べていいのか聞き返す那須さん。
申し訳なさそうな声だけれど
やっぱり嬉しそう。
本当に好きなんだね、お寿司。
「いいよ。皆弁当持って来てたから、
こんなに沢山食べられないだろうし。
それに、俺が握ったわけじゃないけど……
那須さんに食べて貰えたら嬉しいな。」
少し照れ臭そうに笑うタカさん。
『ありがとう、河村くん。じゃあ、お言葉に甘えて……。』
玉子とサーモンといくら
それから、かんぴょう巻を彼女は頼んだ。
「はい、どうぞ。このかんぴょうは、俺が作ったやつなんだ。
親父の作ったやつ切らしちゃったみたいで、
代わりに昨日俺が作ってたやつ入れたって。」
「そうなの!オレ、タカさんのかんぴょう好きなんだよね〜!」
タカさんが作ったやつだと小耳に挟んだ英二が
寿司桶の中にあるかんぴょう巻に手を伸ばす。
パクッ
「ん〜美味いにゃ〜。」
「それは良かった。」
美味しいと言われて、タカさんも嬉しそう。
『へぇ、かんぴょうって自分で作れるんだね……。
ありがとう。いただきます。』
タカさんからお寿司を載せた紙皿と割り箸を受け取ると
那須さんはまず、かんぴょう巻を口の中へ入れた。
「……どうだい?」
『……。』
那須さんは黙り込み、
下を向いてプルプルと肩を震わせている。
「あ、その……もしかして口に合わなかった?」
終いには、口元を手で抑えた。
『河村くん。』
震えが収まったのか、彼女はタカさんの名前を呼んだ。
『めちゃくちゃ美味しい!!!』
勢いよく顔を上げて、彼女はそう言った。
こんなに美味しいかんぴょう巻は
生まれて初めてだと。
顔を少し赤らめ、興奮気味に目を輝かせていた。
「え、あ……ありがとう!嬉しいよ。」
彼女の喜んだ様子に、
タカさんも嬉しそうに笑っている。
「……。」
この場は、完全に二人だけの空気だった。
僕は、寿司桶の隅に添えられていた
わさび寿司を取り、口の中に入れ込んだ。
うん、この刺激がたまらない。
でももう少し刺激が欲しいかも……。
「よくそんなの食べられるな不二。」
「そんなのって酷いなぁ。僕は好きなのに。」
「いやいや、凄いって意味だよ。」
大石の髪型には敵わないけど……。
なんて思った事は、胸の中にしまっておいた。
それにしても、いつにも増して手塚が大人しい。
こんなに喋らないやつだったけ?と思いながら
僕は手塚をじっと見つめた。
「どうした、不二。」
その視線に気づいた手塚は、ようやく口を開いた。
「いや。大人しいなって。」
「そう?手塚っていつもこんな感じじゃん?」
いつもこんな感じだと英二は言う。
「手塚。今の気持ちを一言。」
僕は手塚を少し揶揄ってみる。
「……。油断せずに行こう。」
ふふ。確かにいつもの手塚だ。
聞いてた皆も笑っている。一体、何にと。
「手塚は昼時くらい気を緩めたら?ふふ。」
部活じゃあるまいし。
「なぜだ……?喉を詰まらせたら大変だろう?」
「あ、うん。そうだね……。」
そっちか。
何食わぬ顔で手塚は言葉を返した。
手塚ってもしかして天然だったりして。
僕の頭の中には、天然という2文字がふわふわと浮かんだ。
「皆もう食べていたのか。」
那須さんにドリンクのことをダメ出しをされ、
教室の床にへばりつくように意気消沈していた乾が
やっと復活した。
「乾〜。お寿司無くなっちゃうよ。」
「すまない。少々データの整理をしていたところで……。」
あくまで落ち込んでいた訳では無いと
つまらない誤魔化しをしていた。
『その……先程はすみませんでした。』
起き上がった乾に那須さんは頭を下げて謝った。
「いや、問題ない。おかげで良いデータが取れたからね。」
『そ、そう。なら良いけど……。』
その応えは、乾の許しに安堵した訳ではなく
どこか焦っているように見えた。
どこか不服そうに椅子に座っている。
「じゃあ、お昼にしようか。那須さん、どれ食べたい?」
いい加減お腹が空いたと、
皆はそれぞれ持ってきた弁当を広げる。
そして、繋げた机の中心には大きな寿司桶。
その中は彩り鮮やかな寿司が綺麗に整列している。
『ほんとに食べて良いの?』
どれが食べたい?なんて聞くタカさんに
食べていいのか聞き返す那須さん。
申し訳なさそうな声だけれど
やっぱり嬉しそう。
本当に好きなんだね、お寿司。
「いいよ。皆弁当持って来てたから、
こんなに沢山食べられないだろうし。
それに、俺が握ったわけじゃないけど……
那須さんに食べて貰えたら嬉しいな。」
少し照れ臭そうに笑うタカさん。
『ありがとう、河村くん。じゃあ、お言葉に甘えて……。』
玉子とサーモンといくら
それから、かんぴょう巻を彼女は頼んだ。
「はい、どうぞ。このかんぴょうは、俺が作ったやつなんだ。
親父の作ったやつ切らしちゃったみたいで、
代わりに昨日俺が作ってたやつ入れたって。」
「そうなの!オレ、タカさんのかんぴょう好きなんだよね〜!」
タカさんが作ったやつだと小耳に挟んだ英二が
寿司桶の中にあるかんぴょう巻に手を伸ばす。
パクッ
「ん〜美味いにゃ〜。」
「それは良かった。」
美味しいと言われて、タカさんも嬉しそう。
『へぇ、かんぴょうって自分で作れるんだね……。
ありがとう。いただきます。』
タカさんからお寿司を載せた紙皿と割り箸を受け取ると
那須さんはまず、かんぴょう巻を口の中へ入れた。
「……どうだい?」
『……。』
那須さんは黙り込み、
下を向いてプルプルと肩を震わせている。
「あ、その……もしかして口に合わなかった?」
終いには、口元を手で抑えた。
『河村くん。』
震えが収まったのか、彼女はタカさんの名前を呼んだ。
『めちゃくちゃ美味しい!!!』
勢いよく顔を上げて、彼女はそう言った。
こんなに美味しいかんぴょう巻は
生まれて初めてだと。
顔を少し赤らめ、興奮気味に目を輝かせていた。
「え、あ……ありがとう!嬉しいよ。」
彼女の喜んだ様子に、
タカさんも嬉しそうに笑っている。
「……。」
この場は、完全に二人だけの空気だった。
僕は、寿司桶の隅に添えられていた
わさび寿司を取り、口の中に入れ込んだ。
うん、この刺激がたまらない。
でももう少し刺激が欲しいかも……。
「よくそんなの食べられるな不二。」
「そんなのって酷いなぁ。僕は好きなのに。」
「いやいや、凄いって意味だよ。」
大石の髪型には敵わないけど……。
なんて思った事は、胸の中にしまっておいた。
それにしても、いつにも増して手塚が大人しい。
こんなに喋らないやつだったけ?と思いながら
僕は手塚をじっと見つめた。
「どうした、不二。」
その視線に気づいた手塚は、ようやく口を開いた。
「いや。大人しいなって。」
「そう?手塚っていつもこんな感じじゃん?」
いつもこんな感じだと英二は言う。
「手塚。今の気持ちを一言。」
僕は手塚を少し揶揄ってみる。
「……。油断せずに行こう。」
ふふ。確かにいつもの手塚だ。
聞いてた皆も笑っている。一体、何にと。
「手塚は昼時くらい気を緩めたら?ふふ。」
部活じゃあるまいし。
「なぜだ……?喉を詰まらせたら大変だろう?」
「あ、うん。そうだね……。」
そっちか。
何食わぬ顔で手塚は言葉を返した。
手塚ってもしかして天然だったりして。
僕の頭の中には、天然という2文字がふわふわと浮かんだ。
「皆もう食べていたのか。」
那須さんにドリンクのことをダメ出しをされ、
教室の床にへばりつくように意気消沈していた乾が
やっと復活した。
「乾〜。お寿司無くなっちゃうよ。」
「すまない。少々データの整理をしていたところで……。」
あくまで落ち込んでいた訳では無いと
つまらない誤魔化しをしていた。
『その……先程はすみませんでした。』
起き上がった乾に那須さんは頭を下げて謝った。
「いや、問題ない。おかげで良いデータが取れたからね。」
『そ、そう。なら良いけど……。』
その応えは、乾の許しに安堵した訳ではなく
どこか焦っているように見えた。