episode1〜転校生
Dream Name
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『今日転校してきた、那須 (名前)です。』
私は、目の前にいる眼鏡の彼にそう言った。
彼が私を知らないのも当然のこと。
今日が初めましてだもの。
「那須……(名前)か。覚えておこう。」
何やらメモ帳のようなものに、
私の名前を書き込んでいる。
「俺の名前は__」
乾 貞治
知っている。よく、知っている。
「お近づきの印に、これ飲んでみるかい?」
「ちょいちょい!!やめとけって乾!!」
眼鏡の下は分からないけれど
満面の笑みで濁った液体を差し出す乾くん。
それを止めるのは__菊丸 英二くん。
便乗するように乾くんの行動を止める__大石 秀一郎くん。
それから、河村 隆くん。
ため息をついたのはテニス部部長__手塚 国光くん
そして……。
今の状況を楽しむかのように笑っている__不二 周助くん。
『……少しだけ貰ってもいいですか?』
私は、彼らのこと。
いいえ、青春学園テニス部のことをよく知っている。
「え?!(名前)ちゃん!?」
「那須さん、やめておいた方が身のためだよ……!」
青学ゴールデンペアが私の行動に驚いている。
『開発中なら、レビュアーが必要かなって……。
今後の参考にもなると思いますし。……どうでしょう?』
まぁ……見た目は中々にやばいけど。
「君いいね。気に入ったよ。さぁ、どうぞ。」
渡されたソレを私は受け取った。
『……。』
クンッ
匂いは何だか青臭い。
きっと青汁のような物だろう。
でもそれなら、飲める。
『いただきます。』
ゴクゴク
「うあぁん……(名前)ちゃん……。」
何故か涙目の菊丸くん。
他の皆も心配そうな目で私を見ている。
『これは……。』
飲み切った私は、乾くんにコップを返した。
『とても不味いデス……。』
私は頭を抱えながら、味の感想を正直に答えた。
「ふむ。不味いか……。」
乾くんはノートに感想を書く。
『匂いから何となく想像できた味だったけれど、
もう少し蜂蜜を入れると飲みやすいかも。
あとは、そうね……レモンの絞り汁を
小さじ一杯分加えると後味もスッキリするわ。
で、その色はどうしたらそうなったわけ?』
私の止まらないマシンガントークに、
乾くんのメモをする手も止まらない。
参考になる。君に飲ませて正解だった。
なんて言っている。
「着色料で見た目に変化を入れようと思って。」
『そんなサプライズはいらないわ。』
私はキッパリ言った。
「い、いらない……。そんな。」
『ええ。いらない。
そんなんじゃ完成しても誰も飲んでくれないわ。』
私の言葉が胸に刺さったのか
意気消沈して、顔を青ざめてしまった。
『今の貴方を蓮二くんが見たらガッカリするわね。』
「蓮二くん……?」
私が言った言葉を誰かが繰り返した。
あ……。しまった。
『ご、ごめんなさい。言い過ぎてしまいました……。
じゃあ私はこれで……。』
これ以上この場にいるのは、非常にまずい。
私は鞄を持って、教室の扉へと向かう。
「ねぇ。」
その声に私の肩が跳ね上がる。
「まだ、食べてないでしょ。お寿司。」
にこにこと悪気のないような表情で彼は言う。
これだから……。嫌だったんだ。
青学に転校するのは。
「もしかしてお寿司食べたかったのかい?」
試合の時と随分、雰囲気が違うから
分からなかったよ……河村くん。
普段はこんな感じなのね。
『別に……。』
素直に食べたかった。
なんて言う事はできなかった。
「あんなに目を輝かせて見ていたのに?」
『うぅ……。余計な事言わないでください。』
その意地悪な言葉で、
自分が揶揄われているのがよく分かる。
不二 周助。
__私が最も苦手なタイプの人間。
「例え転校生でも、君も進級した身でしょ。
なら、このお寿司を食べる権利。
那須さんにもあると思うな。」
皆もそう思わない?なんて
テニス部に同意を貰っている。
もちろん断る人なんて居なくて……。
「じゃあ、お昼にしようか。」
不二くんは椅子を1つ追加して、
私をそこまでエスコートした。
本当にムカつく男ね。
『……ありがとうございます。』
「良いんだよ。那須さんの事、
もっと知りたいと思っていたし。」
__誰かさんに似て。
私は、目の前にいる眼鏡の彼にそう言った。
彼が私を知らないのも当然のこと。
今日が初めましてだもの。
「那須……(名前)か。覚えておこう。」
何やらメモ帳のようなものに、
私の名前を書き込んでいる。
「俺の名前は__」
乾 貞治
知っている。よく、知っている。
「お近づきの印に、これ飲んでみるかい?」
「ちょいちょい!!やめとけって乾!!」
眼鏡の下は分からないけれど
満面の笑みで濁った液体を差し出す乾くん。
それを止めるのは__菊丸 英二くん。
便乗するように乾くんの行動を止める__大石 秀一郎くん。
それから、河村 隆くん。
ため息をついたのはテニス部部長__手塚 国光くん
そして……。
今の状況を楽しむかのように笑っている__不二 周助くん。
『……少しだけ貰ってもいいですか?』
私は、彼らのこと。
いいえ、青春学園テニス部のことをよく知っている。
「え?!(名前)ちゃん!?」
「那須さん、やめておいた方が身のためだよ……!」
青学ゴールデンペアが私の行動に驚いている。
『開発中なら、レビュアーが必要かなって……。
今後の参考にもなると思いますし。……どうでしょう?』
まぁ……見た目は中々にやばいけど。
「君いいね。気に入ったよ。さぁ、どうぞ。」
渡されたソレを私は受け取った。
『……。』
クンッ
匂いは何だか青臭い。
きっと青汁のような物だろう。
でもそれなら、飲める。
『いただきます。』
ゴクゴク
「うあぁん……(名前)ちゃん……。」
何故か涙目の菊丸くん。
他の皆も心配そうな目で私を見ている。
『これは……。』
飲み切った私は、乾くんにコップを返した。
『とても不味いデス……。』
私は頭を抱えながら、味の感想を正直に答えた。
「ふむ。不味いか……。」
乾くんはノートに感想を書く。
『匂いから何となく想像できた味だったけれど、
もう少し蜂蜜を入れると飲みやすいかも。
あとは、そうね……レモンの絞り汁を
小さじ一杯分加えると後味もスッキリするわ。
で、その色はどうしたらそうなったわけ?』
私の止まらないマシンガントークに、
乾くんのメモをする手も止まらない。
参考になる。君に飲ませて正解だった。
なんて言っている。
「着色料で見た目に変化を入れようと思って。」
『そんなサプライズはいらないわ。』
私はキッパリ言った。
「い、いらない……。そんな。」
『ええ。いらない。
そんなんじゃ完成しても誰も飲んでくれないわ。』
私の言葉が胸に刺さったのか
意気消沈して、顔を青ざめてしまった。
『今の貴方を蓮二くんが見たらガッカリするわね。』
「蓮二くん……?」
私が言った言葉を誰かが繰り返した。
あ……。しまった。
『ご、ごめんなさい。言い過ぎてしまいました……。
じゃあ私はこれで……。』
これ以上この場にいるのは、非常にまずい。
私は鞄を持って、教室の扉へと向かう。
「ねぇ。」
その声に私の肩が跳ね上がる。
「まだ、食べてないでしょ。お寿司。」
にこにこと悪気のないような表情で彼は言う。
これだから……。嫌だったんだ。
青学に転校するのは。
「もしかしてお寿司食べたかったのかい?」
試合の時と随分、雰囲気が違うから
分からなかったよ……河村くん。
普段はこんな感じなのね。
『別に……。』
素直に食べたかった。
なんて言う事はできなかった。
「あんなに目を輝かせて見ていたのに?」
『うぅ……。余計な事言わないでください。』
その意地悪な言葉で、
自分が揶揄われているのがよく分かる。
不二 周助。
__私が最も苦手なタイプの人間。
「例え転校生でも、君も進級した身でしょ。
なら、このお寿司を食べる権利。
那須さんにもあると思うな。」
皆もそう思わない?なんて
テニス部に同意を貰っている。
もちろん断る人なんて居なくて……。
「じゃあ、お昼にしようか。」
不二くんは椅子を1つ追加して、
私をそこまでエスコートした。
本当にムカつく男ね。
『……ありがとうございます。』
「良いんだよ。那須さんの事、
もっと知りたいと思っていたし。」
__誰かさんに似て。