episode1〜転校生
Dream Name
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どうやら英二の予想は的中したらしい。
ホームルームの時間になり、
着席するクラスメイト達。
しかし、一つだけ空いた席が
この後の出来事を物語っていた。
「始業式に欠席??」
「さぁ。遅刻とか?」
「えーっと、あと来てないのは那須 (名前)……。
那須って誰か知ってる奴いるかー?」
黒板に貼られた名簿を確認する鈴木。
そしてその言葉に教室内はザワついた。
それぞれ、去年自分のクラスには
那須なんて人は居なかったと言う。
「だよねだよね!
それで今朝、教室に来る前に不二と話しててさ。
転校生じゃないかにゃ〜って!」
顎の下で親指と人差し指でVサインを作り
得意げに話す英二。
もう彼は馴染んでるようで、
クラスの奴らも英二の話に食いついていた。
「菊丸それまじ?!」
「顔は!顔は見たのか!?」
「うぇ?!そ、そこまでは知らないにゃ……。」
あくまで僕達は、見たわけでも聞いたわけでもない。
もしかしたらの話をしていただけだからね。
「まぁ、先生が来たら分かるんじゃないかな?」
ほら、足音が聞こえてきた。
2つ__
「皆席に着けーって、あれ?もう席に着いてるし。」
ウチのクラス優秀じゃねぇーか。
そう言いながら教室に入ってきたのは、
僕らの担任になる佐々木先生。
「で、一つだけ空いた席はこのど真ん中って訳か。」
黒板に指定の席番号は書かれていなかった理由で
各々好きな席に座っている僕達。
僕と英二が来た時には既に席が3つしかなくて、
僕が廊下側1列目の後ろから2番目
英二が廊下側2列目の1番後ろを選んだ。
つまり英二は僕の左斜め後ろに座っている。
そして残った席は、中央の前から3番目。
先生からは良く見え、周りからは囲まれるとても目立つ席だ。
ガタッ
「てことは、やっぱ転校生すか?!」
去年も同じクラスだった中田が勢いよく席を立ち
先生に問いかけた。
「中田、興奮するな。ほら座れ。」
佐々木先生は中田を座らせると、
教室手前の入口の方にいる人物へと話しかけた。
「入っていいぞ。」
『……はい。失礼します。』
緊張しているのか、
少し控えめにその子は教室に入ってきた。
歩幅に合わせてサラサラと揺れる黒い髪。
遠目からでも分かる大きな瞳。
__綺麗な人だな。
日本人形のように艶やかで小柄で
なんて愛らしい容姿をしているんだろう。
僕は初めて見る彼女の美しさに見惚れていた。
「わぁ、可愛いにゃ〜。お人形さんみたい。」
ふふ。英二ったら。
クラスの皆に惚けた声が丸聞こえだよ。
「菊丸。お前、顔緩んでるぞ。」
「にゃ!!?」
ほら、佐々木先生に言われちゃったね。
英二はそんなつもり無かったんだろうけど
人って意外と顔に出るからね。
英二の場合は、声もだけど。
「それじゃあ、軽く自己紹介してくれ。」
『はい。』
黒髪の彼女は、黒板に向かい
綺麗な字で名前を書いていく。
那須 (名前)__
『神奈川から転校生してきました。那須 (名前)です。
茄子のナスではなく、那須与一のナスです。
残り1年という短い間ですが、よろしくお願いいたします。』
きっと、前の学校で弄られたりしたんだろう。
茄子では無いことを伝えると
彼女は綺麗にお辞儀をした。
「それじゃあ、申し訳ないけどそこの空いてる席に。」
「構いませんよ。」
佐々木先生が真ん中の席を指差すと
彼女はそこに座った。
「といっても、これは今日だけの仮の席だから
明日改めて席を決め直すからな!!くじ引きで!」
そんな佐々木先生の声に、
先に好きな席を選んだ者達にとってはブーイングの嵐だ。
「それと那須はまだ不慣れだから、学校の事を
色々教えて欲しいんだが……適任者は……。」
ガタッ
「ほいほーい!!それならオレにお任せにゃ!」
先生のそんな言葉に、今度は中田ではなく
英二が興奮気味に食いついた。
「菊丸かぁ〜〜。」
「えー!!何その反応!先生酷いっ!」
佐々木先生、分かるよ。その気持ち。
英二だけじゃ心配だもんね。
「おっ。なんだ。不二がいるじゃないか。」
え?
英二の近くにいた僕を見つけた先生は
安堵したかのような言葉を呟いた。
「んじゃ、菊丸と不二よろしくな。」
「わーい!やった〜!!」
男2人で教えるなんて、
那須さんも居心地悪いと思うんだけど……。
申し訳なく思い、僕はチラリと那須さんを見た。
『……。(よろしくお願いします)』
那須さんも僕達の方を見ていたようで
口パクでよろしくなんて言われてしまった。
「(名前)ちゃんよろしくね!オレ、菊丸英二!
分からないことがあったらなんでも聞いてにゃ〜!」
ほんと、英二の明るさは周りを飲み込んでしまうよね。
両手でVサインをする英二に
那須さんの表情が和らいだ気がした。
ホームルームの時間になり、
着席するクラスメイト達。
しかし、一つだけ空いた席が
この後の出来事を物語っていた。
「始業式に欠席??」
「さぁ。遅刻とか?」
「えーっと、あと来てないのは那須 (名前)……。
那須って誰か知ってる奴いるかー?」
黒板に貼られた名簿を確認する鈴木。
そしてその言葉に教室内はザワついた。
それぞれ、去年自分のクラスには
那須なんて人は居なかったと言う。
「だよねだよね!
それで今朝、教室に来る前に不二と話しててさ。
転校生じゃないかにゃ〜って!」
顎の下で親指と人差し指でVサインを作り
得意げに話す英二。
もう彼は馴染んでるようで、
クラスの奴らも英二の話に食いついていた。
「菊丸それまじ?!」
「顔は!顔は見たのか!?」
「うぇ?!そ、そこまでは知らないにゃ……。」
あくまで僕達は、見たわけでも聞いたわけでもない。
もしかしたらの話をしていただけだからね。
「まぁ、先生が来たら分かるんじゃないかな?」
ほら、足音が聞こえてきた。
2つ__
「皆席に着けーって、あれ?もう席に着いてるし。」
ウチのクラス優秀じゃねぇーか。
そう言いながら教室に入ってきたのは、
僕らの担任になる佐々木先生。
「で、一つだけ空いた席はこのど真ん中って訳か。」
黒板に指定の席番号は書かれていなかった理由で
各々好きな席に座っている僕達。
僕と英二が来た時には既に席が3つしかなくて、
僕が廊下側1列目の後ろから2番目
英二が廊下側2列目の1番後ろを選んだ。
つまり英二は僕の左斜め後ろに座っている。
そして残った席は、中央の前から3番目。
先生からは良く見え、周りからは囲まれるとても目立つ席だ。
ガタッ
「てことは、やっぱ転校生すか?!」
去年も同じクラスだった中田が勢いよく席を立ち
先生に問いかけた。
「中田、興奮するな。ほら座れ。」
佐々木先生は中田を座らせると、
教室手前の入口の方にいる人物へと話しかけた。
「入っていいぞ。」
『……はい。失礼します。』
緊張しているのか、
少し控えめにその子は教室に入ってきた。
歩幅に合わせてサラサラと揺れる黒い髪。
遠目からでも分かる大きな瞳。
__綺麗な人だな。
日本人形のように艶やかで小柄で
なんて愛らしい容姿をしているんだろう。
僕は初めて見る彼女の美しさに見惚れていた。
「わぁ、可愛いにゃ〜。お人形さんみたい。」
ふふ。英二ったら。
クラスの皆に惚けた声が丸聞こえだよ。
「菊丸。お前、顔緩んでるぞ。」
「にゃ!!?」
ほら、佐々木先生に言われちゃったね。
英二はそんなつもり無かったんだろうけど
人って意外と顔に出るからね。
英二の場合は、声もだけど。
「それじゃあ、軽く自己紹介してくれ。」
『はい。』
黒髪の彼女は、黒板に向かい
綺麗な字で名前を書いていく。
那須 (名前)__
『神奈川から転校生してきました。那須 (名前)です。
茄子のナスではなく、那須与一のナスです。
残り1年という短い間ですが、よろしくお願いいたします。』
きっと、前の学校で弄られたりしたんだろう。
茄子では無いことを伝えると
彼女は綺麗にお辞儀をした。
「それじゃあ、申し訳ないけどそこの空いてる席に。」
「構いませんよ。」
佐々木先生が真ん中の席を指差すと
彼女はそこに座った。
「といっても、これは今日だけの仮の席だから
明日改めて席を決め直すからな!!くじ引きで!」
そんな佐々木先生の声に、
先に好きな席を選んだ者達にとってはブーイングの嵐だ。
「それと那須はまだ不慣れだから、学校の事を
色々教えて欲しいんだが……適任者は……。」
ガタッ
「ほいほーい!!それならオレにお任せにゃ!」
先生のそんな言葉に、今度は中田ではなく
英二が興奮気味に食いついた。
「菊丸かぁ〜〜。」
「えー!!何その反応!先生酷いっ!」
佐々木先生、分かるよ。その気持ち。
英二だけじゃ心配だもんね。
「おっ。なんだ。不二がいるじゃないか。」
え?
英二の近くにいた僕を見つけた先生は
安堵したかのような言葉を呟いた。
「んじゃ、菊丸と不二よろしくな。」
「わーい!やった〜!!」
男2人で教えるなんて、
那須さんも居心地悪いと思うんだけど……。
申し訳なく思い、僕はチラリと那須さんを見た。
『……。(よろしくお願いします)』
那須さんも僕達の方を見ていたようで
口パクでよろしくなんて言われてしまった。
「(名前)ちゃんよろしくね!オレ、菊丸英二!
分からないことがあったらなんでも聞いてにゃ〜!」
ほんと、英二の明るさは周りを飲み込んでしまうよね。
両手でVサインをする英二に
那須さんの表情が和らいだ気がした。