episode1〜転校生
Dream Name
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「それじゃあ、行こうか。」
最後に部室を出た大石が、鍵を閉め終えて
先に出ていた僕達に向かって言った。
今日は入学式であると同時に
僕達在校生の始業式でもある。
「俺、次は何組なんだろーな?
早く知りてぇーな、知りてぇーよ。」
「テメェとだけはゴメンだな。」
「あぁ?そりゃ俺だって。
クラスまで一緒はたまったもんじゃねーよ。」
そう。つまりは、クラス替えも発生するのだ。
後輩二人は飽き足らないのか、
手塚に注意されたにも関わらず
直ぐに喧嘩を始めようとする。
見ていて面白いから、
僕から止めることはないんだけどね。
流石に今日の朝練の件はちょっとね。
これから後輩が出来る彼らにとって恥をかかないように、
僕からも少しだけアドバイスをしようと思って。
今日の部活の帰りは、彼らと帰るつもりだ。
こうして考えてみると、僕ももう3年生。
後輩達と一緒にテニスができる時間も
あと少ししかないことを実感する。
少し寂しい……かな。なんて。
桃あたりに言ったら、調子に乗るから
この気持ちは絶対に言ってあげないけど。
さて、僕のクラスは__
気持ちを切り替えるように、
昇降口のガラス扉に貼られたクラス分けの表へと目を移す。
「不二。どうだった?」
「タカさん。離れちゃったね。僕は6組。」
英二と同じクラスだった事を伝える。
「そっか。不二が一緒なら英二も安心だね。」
「ふふ。お宅の子は責任持ってお預かりいたします。」
まるで保育園で子供を預ける母親と
預かる先生のような茶番劇を楽しむ。
「ちょっと〜〜?!」
どうやらその茶番は英二にも聞こえていたようで。
僕の背中に飛び付いてきた。
これじゃあ本当に預かり保育じゃないか。
僕が第三者の視点だったら
この瞬間をカメラで切り取っていたに違いない。
「よしよし、英二くん。クラスに行きましょうね。」
でも、今の僕は完全に先生だ。
引っ付いた英二の頭を優しく撫でる。
「んにゃろ〜!!不二め!覚えとけよ〜!!」
そう言いつつも撫でられて、
気持ち良さそうに目を細めている。
「はは、本当に保育園の先生みたいだ。」
「タカさんも!!!
今度遊園地でジェットコースターの刑だかんね!」
はいはい、行くよ。と僕は
引っ付いてた英二を剥がして、靴を履き替える。
「ちなみに遊園地代は不二の奢りね☆
これで決まり。楽しみだにゃ〜。」
気分屋な英二の事だ。
そんな約束も明日には忘れてしまっているだろう。
「英二が覚えていたらね。」
僕はにっこり笑って、先に教室へと向かった。
「あ、俺も行くっ。待って不二〜。」
すばしっこい英二。すぐに追い付かれてしまった。
「ねぇ、英二。」
「んにゃ?」
「英二ってさ、俺ら3年の
顔と名前って把握してるよね。」
男女ともに友達が多い英二。
だから、少し気になることがあった。
「それなりに?それがどーしたの?」
「さっきのクラス表のことなんだけど……」
那須 (名前)__
「見た事も聞いた事もない名前の子がいて。」
「え?なになに、なんて名前なの?」
興味津々の英二に僕はその名前を伝えた。
「那須 (名前)さん。」
「ナスぅ?聞いたことないにゃ。」
「だよね。」
もし仮に、1年生の頃から居たというのであれば
その子は噂になっているはずだ。
変な話、僕には異名がある。
正確には、僕とタカさんだけれど。
「名コンビ茄子も今日で引退かにゃ……。」
「引退って。大袈裟な。」
不二の富士 、隆の鷹 で茄子 。
と1年生の頃からよく一緒にいた
僕とタカさんに付けられたコンビでの異名。
誰かの思い付きで適当に付けられたものが
周りに浸透していた。
もっとマシな名前は無かったのか。
誰かに聞いたことがあったけれど、丁度この学年には
ナスビに結び付く名前を持ってる人が居ないらしく
この呼び方に決まったという。
「転校生かにゃ?」
「このタイミングで?」
謎は深まるばかりだった。
最後に部室を出た大石が、鍵を閉め終えて
先に出ていた僕達に向かって言った。
今日は入学式であると同時に
僕達在校生の始業式でもある。
「俺、次は何組なんだろーな?
早く知りてぇーな、知りてぇーよ。」
「テメェとだけはゴメンだな。」
「あぁ?そりゃ俺だって。
クラスまで一緒はたまったもんじゃねーよ。」
そう。つまりは、クラス替えも発生するのだ。
後輩二人は飽き足らないのか、
手塚に注意されたにも関わらず
直ぐに喧嘩を始めようとする。
見ていて面白いから、
僕から止めることはないんだけどね。
流石に今日の朝練の件はちょっとね。
これから後輩が出来る彼らにとって恥をかかないように、
僕からも少しだけアドバイスをしようと思って。
今日の部活の帰りは、彼らと帰るつもりだ。
こうして考えてみると、僕ももう3年生。
後輩達と一緒にテニスができる時間も
あと少ししかないことを実感する。
少し寂しい……かな。なんて。
桃あたりに言ったら、調子に乗るから
この気持ちは絶対に言ってあげないけど。
さて、僕のクラスは__
気持ちを切り替えるように、
昇降口のガラス扉に貼られたクラス分けの表へと目を移す。
「不二。どうだった?」
「タカさん。離れちゃったね。僕は6組。」
英二と同じクラスだった事を伝える。
「そっか。不二が一緒なら英二も安心だね。」
「ふふ。お宅の子は責任持ってお預かりいたします。」
まるで保育園で子供を預ける母親と
預かる先生のような茶番劇を楽しむ。
「ちょっと〜〜?!」
どうやらその茶番は英二にも聞こえていたようで。
僕の背中に飛び付いてきた。
これじゃあ本当に預かり保育じゃないか。
僕が第三者の視点だったら
この瞬間をカメラで切り取っていたに違いない。
「よしよし、英二くん。クラスに行きましょうね。」
でも、今の僕は完全に先生だ。
引っ付いた英二の頭を優しく撫でる。
「んにゃろ〜!!不二め!覚えとけよ〜!!」
そう言いつつも撫でられて、
気持ち良さそうに目を細めている。
「はは、本当に保育園の先生みたいだ。」
「タカさんも!!!
今度遊園地でジェットコースターの刑だかんね!」
はいはい、行くよ。と僕は
引っ付いてた英二を剥がして、靴を履き替える。
「ちなみに遊園地代は不二の奢りね☆
これで決まり。楽しみだにゃ〜。」
気分屋な英二の事だ。
そんな約束も明日には忘れてしまっているだろう。
「英二が覚えていたらね。」
僕はにっこり笑って、先に教室へと向かった。
「あ、俺も行くっ。待って不二〜。」
すばしっこい英二。すぐに追い付かれてしまった。
「ねぇ、英二。」
「んにゃ?」
「英二ってさ、俺ら3年の
顔と名前って把握してるよね。」
男女ともに友達が多い英二。
だから、少し気になることがあった。
「それなりに?それがどーしたの?」
「さっきのクラス表のことなんだけど……」
那須 (名前)__
「見た事も聞いた事もない名前の子がいて。」
「え?なになに、なんて名前なの?」
興味津々の英二に僕はその名前を伝えた。
「那須 (名前)さん。」
「ナスぅ?聞いたことないにゃ。」
「だよね。」
もし仮に、1年生の頃から居たというのであれば
その子は噂になっているはずだ。
変な話、僕には異名がある。
正確には、僕とタカさんだけれど。
「名コンビ茄子も今日で引退かにゃ……。」
「引退って。大袈裟な。」
不二の
と1年生の頃からよく一緒にいた
僕とタカさんに付けられたコンビでの異名。
誰かの思い付きで適当に付けられたものが
周りに浸透していた。
もっとマシな名前は無かったのか。
誰かに聞いたことがあったけれど、丁度この学年には
ナスビに結び付く名前を持ってる人が居ないらしく
この呼び方に決まったという。
「転校生かにゃ?」
「このタイミングで?」
謎は深まるばかりだった。