episode3〜後輩
Dream Name
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再度、タオルの入ったバケツに水を汲見直した私は
青学の皆がいるコートへと戻った。
「どこに行ってたの?」
戻って早々、休憩中の不二くんに絡まれる。
『水道に行ってたんです。
その道中でちょっと問題があって……。』
私はバケツを不二くんに見せた。
皆がラリー練習終わる前には戻るつもりが
結構時間かかっていたらしい。
「そうなんだ。それは?」
物珍しそうに聞いてきた。
『これはね。そうだ、不二くん。
ちょっと後ろ向いてください。』
「?」
不思議そうに後ろを向く不二くん。
説明するより早いと思った私は、
バケツの中にあるタオルを1つ絞って
彼の首元にそれを置いた。
「っ!!」
『どう?冷たい?』
不二くんの肩が跳ねたところを見て、
イタズラが成功した子供みたいに
少し嬉しい気持ちになる。
「うん、とても。ほら。」
『ん?!』
私の頬にタオルが当てられる。
「お返し。」
『……。大人気ないですね。』
ニコニコと満足そうに笑う不二くん。
「子供だからね。」
『む。』
私よりも不二くんの方が何枚も上手で
抵抗出来なくなる。
「これ、もしかして全員に渡すの?」
『あ、そうです。人数分のタオル用意してきたので。
これから皆さんにお配りしようかと。』
私はバケツの中のタオルを1つずつ絞っていく。
「手伝うよ。僕が絞っておくから、
那須さんは皆に配ってきてくれる?」
『分かりました。ありがとうございます。』
手伝ってくれるという不二くんに素直に甘えて、
私は絞ったタオルを皆に配った。
「これいいね。とても気持ちいいよ。」
「ああ。今後の練習や試合でも役に立ちそうだ。」
皆からも好評だった。
『練習に入る時はバケツの中に
タオルを戻しておいてください〜。
次の休憩までに洗って、また新しいの作っておくので。』
「そうか。手間をかける。」
『いやいや、こういう気遣いも
マネージャーの仕事だからね。
手塚くんが気にすることじゃないよ。』
サポートはいくらでもさせてと
私は自分の胸を叩いて言った。
「ふっ。頼もしいマネージャーだな。
次の練習なんだが……早速手を借りたくて。」
手塚くんは少しだけ申し訳なさそうに
私にお願いをしてきた。
どうやら次は、2チームに分かれて
スマッシュ&レシーブの練習をするという。
そのどちらかのチームの球出しを
私にお願いしたいらしい。
練習の内容はこうだ。
球出しする人がまずロブを打ち、
1人ずつ順番にスマッシュを打たせる。
反対側のコートはレシーブする人が1人。
レシーブ側が全員のスマッシュを一巡したら交代。
更に、効率化を図るためにチームを2つに分けたいという。
確かに全員でやるとなると
合同練習の時間までには間に合わない。
『分かったわ。ちなみにチーム分けってどんな感じなの?』
さっきのラリーで組んだペア同士で
じゃんけんをして勝った方がAチーム。
負けた方がBチームだと、もう分けられているらしい。
そしてAチームが私のチームになる。
Bチームは手塚くんが球出しをする。
手塚くんとラリー練習のペアを組んでいた
不二くんは私の方に参加すると言ったらしい。
そしてAチームのレギュラーは
不二くんの他に、大石くんと河村くん。
「俺も(名前)ちゃんのチームが良い〜!!
不二ズルい〜!!交代!!!」
乾くん、海堂くん、菊丸くんはBチーム。
手塚くんの方だ。
「これは遊びじゃないんだぞ菊丸。
ほら、レシーブ側のコートに入れ。」
駄々こねる菊丸くんを手塚くんが回収し、
Bチームの練習が始まる。
「それじゃあ、こっちも始めようか。
俺がまずレシーブにつくよ。」
『ええ、ありがとう。』
Aチームは大石くんがレシーブ側としてスタートした。
自分のラケットを持ってきていて正解だったわ。
私はケースからラケットを取り出してコートに入った。
『よーし。じゃあ、行くよ。』
私は手塚くんと同じように
レシーブ側のコートから
スマッシュ側のサービスラインを目掛けてロブを打った。
「フッ!!」
綺麗なスマッシュが入る。
「っ!!!」
そのスマッシュを大石くんが拾う。
『大石くん。次来たボール、拾えたら私の方に返してみて。』
「え?那須さんに?」
『そう。軽くで構わないわ。横にポンと置く感じで。』
わかった、やってみるよ。と大石くんは言ってくれた。
『次いくよー!』
そしてまたロブを打った。
「良い球だね。」
そう言って不二くんがスマッシュを打つ。
『ふふ。それはどうも。』
けど、そのスマッシュはコートには入らず、アウトとなった。
「……え。」
驚いているのは不二くんだけでは無い。
「な、ど、どういうだ?!」
『落ち着いて大石くん。ほら。次いくよ。』
そして私はまたロブを打つ。
次も。その次も。
「ぜ、全部アウト……!?」
けど、誰一人
まともにスマッシュを返せる人はいなかった。
「これじゃあレシーブの練習にならないじゃないか!
どういうことなんだ那須さん!!」
大石くんは走って私の方へと向かってきた。
『私はロブを打ってるだけよ。
文句があればスマッシュを打ってる側に
するべきなんじゃない?』
それに、これは試合ではなく"練習"である。
『レシーブってさ。どんなボールが来ても
追いかけて受け止めるのが
本当のレシーブなんじゃないのかな……。
これは練習だから、アウトだろうが
コートの線とか細かいルールは関係ないわよ。
私がロブを打ってそれをスマッシュして
レシーブする。それだけよ。
少なくとも大石くんにはそれが出来たはずだと
私は思ったんだけど……違かった?』
少しきつく言いすぎたかしら……。
でもこれは試合のための練習だもの。
アウトだといって、練習の手を抜いたら
試合でも動けなくなってしまう。
中には、アウトでも
セーフだと言い張る人だっているし
審判がジャッジを間違える時だってある。
「すまない……。」
『ううん。謝る必要はないよ。
練習の意味をちゃんと理解して欲しかっただけ。
私はその上でサポートしただけだから。』
私がただ普通のロブを打っただけじゃ
練習にならないと思ったからね。
特にレギュラー陣は。
「へぇ。だから、わざと回転かけたんだ。」
不二くん、気付いてたんだ。
『流石ね。じゃあ、次は返せる?』
「それはどうかな。
君、"後衛の指揮者 "って呼ばれてたじゃない。
敵うかな?」
何そのかっこいい二つ名的な。
初めて聞いたけど……。
『でも私は今。選手としてではなく、
マネージャーとしてここにいるから。
貴方達の練習をサポートすることはしても
邪魔するような事はしないよ。
ほら、時間無くなっちゃうわ!
よくボールを見れば打てるはずだから頑張って!』
私は、パンパンと2回手を叩いて
皆を元のポジションへと戻した。
時間は限られているんだから。
その中で出来ることをしないと。
青学の皆がいるコートへと戻った。
「どこに行ってたの?」
戻って早々、休憩中の不二くんに絡まれる。
『水道に行ってたんです。
その道中でちょっと問題があって……。』
私はバケツを不二くんに見せた。
皆がラリー練習終わる前には戻るつもりが
結構時間かかっていたらしい。
「そうなんだ。それは?」
物珍しそうに聞いてきた。
『これはね。そうだ、不二くん。
ちょっと後ろ向いてください。』
「?」
不思議そうに後ろを向く不二くん。
説明するより早いと思った私は、
バケツの中にあるタオルを1つ絞って
彼の首元にそれを置いた。
「っ!!」
『どう?冷たい?』
不二くんの肩が跳ねたところを見て、
イタズラが成功した子供みたいに
少し嬉しい気持ちになる。
「うん、とても。ほら。」
『ん?!』
私の頬にタオルが当てられる。
「お返し。」
『……。大人気ないですね。』
ニコニコと満足そうに笑う不二くん。
「子供だからね。」
『む。』
私よりも不二くんの方が何枚も上手で
抵抗出来なくなる。
「これ、もしかして全員に渡すの?」
『あ、そうです。人数分のタオル用意してきたので。
これから皆さんにお配りしようかと。』
私はバケツの中のタオルを1つずつ絞っていく。
「手伝うよ。僕が絞っておくから、
那須さんは皆に配ってきてくれる?」
『分かりました。ありがとうございます。』
手伝ってくれるという不二くんに素直に甘えて、
私は絞ったタオルを皆に配った。
「これいいね。とても気持ちいいよ。」
「ああ。今後の練習や試合でも役に立ちそうだ。」
皆からも好評だった。
『練習に入る時はバケツの中に
タオルを戻しておいてください〜。
次の休憩までに洗って、また新しいの作っておくので。』
「そうか。手間をかける。」
『いやいや、こういう気遣いも
マネージャーの仕事だからね。
手塚くんが気にすることじゃないよ。』
サポートはいくらでもさせてと
私は自分の胸を叩いて言った。
「ふっ。頼もしいマネージャーだな。
次の練習なんだが……早速手を借りたくて。」
手塚くんは少しだけ申し訳なさそうに
私にお願いをしてきた。
どうやら次は、2チームに分かれて
スマッシュ&レシーブの練習をするという。
そのどちらかのチームの球出しを
私にお願いしたいらしい。
練習の内容はこうだ。
球出しする人がまずロブを打ち、
1人ずつ順番にスマッシュを打たせる。
反対側のコートはレシーブする人が1人。
レシーブ側が全員のスマッシュを一巡したら交代。
更に、効率化を図るためにチームを2つに分けたいという。
確かに全員でやるとなると
合同練習の時間までには間に合わない。
『分かったわ。ちなみにチーム分けってどんな感じなの?』
さっきのラリーで組んだペア同士で
じゃんけんをして勝った方がAチーム。
負けた方がBチームだと、もう分けられているらしい。
そしてAチームが私のチームになる。
Bチームは手塚くんが球出しをする。
手塚くんとラリー練習のペアを組んでいた
不二くんは私の方に参加すると言ったらしい。
そしてAチームのレギュラーは
不二くんの他に、大石くんと河村くん。
「俺も(名前)ちゃんのチームが良い〜!!
不二ズルい〜!!交代!!!」
乾くん、海堂くん、菊丸くんはBチーム。
手塚くんの方だ。
「これは遊びじゃないんだぞ菊丸。
ほら、レシーブ側のコートに入れ。」
駄々こねる菊丸くんを手塚くんが回収し、
Bチームの練習が始まる。
「それじゃあ、こっちも始めようか。
俺がまずレシーブにつくよ。」
『ええ、ありがとう。』
Aチームは大石くんがレシーブ側としてスタートした。
自分のラケットを持ってきていて正解だったわ。
私はケースからラケットを取り出してコートに入った。
『よーし。じゃあ、行くよ。』
私は手塚くんと同じように
レシーブ側のコートから
スマッシュ側のサービスラインを目掛けてロブを打った。
「フッ!!」
綺麗なスマッシュが入る。
「っ!!!」
そのスマッシュを大石くんが拾う。
『大石くん。次来たボール、拾えたら私の方に返してみて。』
「え?那須さんに?」
『そう。軽くで構わないわ。横にポンと置く感じで。』
わかった、やってみるよ。と大石くんは言ってくれた。
『次いくよー!』
そしてまたロブを打った。
「良い球だね。」
そう言って不二くんがスマッシュを打つ。
『ふふ。それはどうも。』
けど、そのスマッシュはコートには入らず、アウトとなった。
「……え。」
驚いているのは不二くんだけでは無い。
「な、ど、どういうだ?!」
『落ち着いて大石くん。ほら。次いくよ。』
そして私はまたロブを打つ。
次も。その次も。
「ぜ、全部アウト……!?」
けど、誰一人
まともにスマッシュを返せる人はいなかった。
「これじゃあレシーブの練習にならないじゃないか!
どういうことなんだ那須さん!!」
大石くんは走って私の方へと向かってきた。
『私はロブを打ってるだけよ。
文句があればスマッシュを打ってる側に
するべきなんじゃない?』
それに、これは試合ではなく"練習"である。
『レシーブってさ。どんなボールが来ても
追いかけて受け止めるのが
本当のレシーブなんじゃないのかな……。
これは練習だから、アウトだろうが
コートの線とか細かいルールは関係ないわよ。
私がロブを打ってそれをスマッシュして
レシーブする。それだけよ。
少なくとも大石くんにはそれが出来たはずだと
私は思ったんだけど……違かった?』
少しきつく言いすぎたかしら……。
でもこれは試合のための練習だもの。
アウトだといって、練習の手を抜いたら
試合でも動けなくなってしまう。
中には、アウトでも
セーフだと言い張る人だっているし
審判がジャッジを間違える時だってある。
「すまない……。」
『ううん。謝る必要はないよ。
練習の意味をちゃんと理解して欲しかっただけ。
私はその上でサポートしただけだから。』
私がただ普通のロブを打っただけじゃ
練習にならないと思ったからね。
特にレギュラー陣は。
「へぇ。だから、わざと回転かけたんだ。」
不二くん、気付いてたんだ。
『流石ね。じゃあ、次は返せる?』
「それはどうかな。
君、"後衛の
敵うかな?」
何そのかっこいい二つ名的な。
初めて聞いたけど……。
『でも私は今。選手としてではなく、
マネージャーとしてここにいるから。
貴方達の練習をサポートすることはしても
邪魔するような事はしないよ。
ほら、時間無くなっちゃうわ!
よくボールを見れば打てるはずだから頑張って!』
私は、パンパンと2回手を叩いて
皆を元のポジションへと戻した。
時間は限られているんだから。
その中で出来ることをしないと。