episode3〜後輩
Dream Name
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時刻は6:50頃
青春学園中等部校門前__
『おはようございます。』
弁当を作っていたら、遅くなってしまった。
流石3年生にレギュラー陣。
まだ集合時間前だと言うのに、全員揃っている。
ぜひ赤也にも見習って欲しいわ。
「おはよう、那須さん。」
「(名前)ちゃんおっはよー!」
おはようと声をかけてくれたのは
青学ゴールデンペア。
菊丸くんは今日も元気だ。心做しか髪のハネも
昨日よりちょっと上向いている気がする。
「おはよう(名前)。
今日はアタシの代わりによろしく頼むよ。」
『はい!』
私を見つけた竜崎先生が、よろしくねと声をかけた。
「それじゃあ、全員揃ったか確認するから
名前呼ばれた奴はバスの後ろの席から順に座っておくれ。」
3年の選手からクラス順に名前を呼んでいく竜崎先生。
わ、なんか。
1番後ろの席に手塚くんって貫禄あるなぁ。
「(名前)。お前さんで最後だよ。
うちの連中は癖の強い奴が多い。
だが、いざという時とても頼りになる。
困ったらすぐに助けを呼ぶんだよ。いいね?」
『はい。ありがとうございます。』
「じゃあ、行ってらっしゃい。」
竜崎先生は私の背中を押し、バスの中へ乗せた。
『行ってきます。』
私は振り返り、笑顔で竜崎先生に手を振った。
私の様子に、先生も安心したような顔で見送ってくれた。
良かった。私の役目は竜崎先生の負担軽減だからね。
私のことで心配かけたら、その意味が全く無くなってしまう。
そして今日は絶対に気を抜かない。よしっ。
私は最後の一つだけ空いた席に座った。
あ……そういえばクラスの席替え……。
昨日、佐々木先生明日するって話してたよね。
くじ引きとは言え、結局余った席じゃない。
『……はぁ。』
私はため息1つ零し、項垂れた。
そんな私のため息を拾ったのか、
隣に座っていた彼が話しかけてきた。
「……具合悪いんスか?」
その頭に巻かれたバンダナを見れば
彼が誰なのかは一目瞭然だ。
『いえ、大丈夫よ海堂くん。
ちょっとナーバスになっただけ。』
「そうスか……。」
大したことじゃないと言うと
海堂くんも安心したように窓の方を向いた。
「先輩って……。」
『んー?』
海堂くんが窓の方を向いたまま私が話しかけてきた。
「その……っ。」
『どうした?』
今度は海堂くんの方が項垂れてしまった。
「ね……。」
『ね?』
なんだろうか。
「……猫好きなんスか……?」
ボソボソと小さい声で
猫が好きなのかと聞いてきた。
『ふふ。急に何かと思えば、可愛いこと聞くのね。』
なんだか微笑ましくなって、笑うと
海堂くんは恥ずかしかったのか顔を赤くした。
『ごめんごめん。揶揄うつもりはなかったよ。
それで質問の答えだけれど、YESだよ。猫可愛いよね。』
「ッス……。」
でも、犬も好きだな。動物って可愛いよね。
『海堂くんも猫好きなの?』
「……まぁ。」
へぇ〜。
そういえば菊丸くんのタオルにも猫の刺繍がされてなぁ。
ここの部活は猫派が多そう。
『でもどうして急に?』
私の質問に対しての反応を見る限り、
海堂くん自らこういう話するタイプじゃないでしょ。
「いや……昨日の朝先輩っぽい人見かけて。」
昨日の朝……?
『あ〜!そういえば。』
あの時、私の事見てた男の子……海堂くんだったのか。
いやぁ、バンダナ1つで大分印象変わるのね。
『野良と戯れてたところ見てたの君だったんだね。』
「はい。」
私は携帯を取り出して、
その昨日撮った野良の写真を海堂くんに見せた。
野良にしては珍しく真っ白い毛並み。
そして宝石のように綺麗なブルーの瞳。
『見て見て〜。これ昨日の野良ちゃん!可愛いでしょ〜。』
「……。」
海堂くんは、可愛いと無言で頷いている。
『学校の近くだったし、探せばまた会えるかも。』
「ホントっスか……?」
野良って意外と気に入った住処を決めると
しばらくの間、そこから離れないからね。
それに、一匹見つけると
二、三匹は隠れていたりするのよね。
『うん。』
まぁ、野良だから戯れる時は注意しないといけないけど。
『そうだ。今度オフの日に、一緒に猫カフェでも行かない?』
「え……?」
まさか、海堂くん。猫カフェを知らない?
『猫と遊べるカフェなんだよ。野良よりも安全だし
人懐っこい子が多いからとても癒されるよ。』
「それ……最高っスね。けど先輩……。」
猫カフェの魅力を伝えると、海堂くんは目を輝かせた。
「い、良いんですか……?俺と……その。」
『えっ。逆にダメだったりする?』
私もまだ一回しか行ったことないから
また誰かと行きたいなって思ったんだけど……。
「いや……大丈夫っス。」
『折角なら好きな人と行きたいでしょ。』
こんなに近くに猫好きがいるんだもの。
誘わない手はないよね。
「っ……!」
『あれ?海堂くん?!』
まるで茹でダコのように、顔が真っ赤になった海堂くん。
「……見るなっ。……っス。」
不自然な敬語で見るなと言う海堂くん。
バンダナを外して自身の顔を隠してしまった。
『えぇ……。なんかごめんね。』
「放って置け。気にする事はないだろう。」
後ろの席に座っている乾くんが言った。
「全て聞こえていた。海堂の反応も理解出来る。」
しかしまた、良いデータがとれた。と嬉しそうに呟く。
ノートにペンを走らせる音が聞こえる。
『ちなみに乾くんはどっち派なの。
苗字からして犬派かしら?ふふ。』
なんては言ったけれど、動物あまり興味無さそうだな……。
「実はこう見えて猫派だったりする。
最近は、猫を飼うか飼わないかの話を
家族としているところだ。」
『え?!そうなの!』
私は思わず、後ろの座席を覗く。
「ああ。」
乾くんは猫派なのね。
「ちなみに菊丸は猫好きに見えて、犬飼ってるぞ。」
『えっ。嘘。』
「オウムとかグッピーも飼っているな。
よくペットショップに行ってるのも見かけるぞ。」
沢山飼ってるのね……。
『完全に騙されていたわ。』
たまに語尾ににゃって付くし、猫のタオル持ってたし……。
見た目に騙されるなとはこういう事か。
いい教訓になったわ。
姿勢を正して、私はそんなことを思った。
青春学園中等部校門前__
『おはようございます。』
弁当を作っていたら、遅くなってしまった。
流石3年生にレギュラー陣。
まだ集合時間前だと言うのに、全員揃っている。
ぜひ赤也にも見習って欲しいわ。
「おはよう、那須さん。」
「(名前)ちゃんおっはよー!」
おはようと声をかけてくれたのは
青学ゴールデンペア。
菊丸くんは今日も元気だ。心做しか髪のハネも
昨日よりちょっと上向いている気がする。
「おはよう(名前)。
今日はアタシの代わりによろしく頼むよ。」
『はい!』
私を見つけた竜崎先生が、よろしくねと声をかけた。
「それじゃあ、全員揃ったか確認するから
名前呼ばれた奴はバスの後ろの席から順に座っておくれ。」
3年の選手からクラス順に名前を呼んでいく竜崎先生。
わ、なんか。
1番後ろの席に手塚くんって貫禄あるなぁ。
「(名前)。お前さんで最後だよ。
うちの連中は癖の強い奴が多い。
だが、いざという時とても頼りになる。
困ったらすぐに助けを呼ぶんだよ。いいね?」
『はい。ありがとうございます。』
「じゃあ、行ってらっしゃい。」
竜崎先生は私の背中を押し、バスの中へ乗せた。
『行ってきます。』
私は振り返り、笑顔で竜崎先生に手を振った。
私の様子に、先生も安心したような顔で見送ってくれた。
良かった。私の役目は竜崎先生の負担軽減だからね。
私のことで心配かけたら、その意味が全く無くなってしまう。
そして今日は絶対に気を抜かない。よしっ。
私は最後の一つだけ空いた席に座った。
あ……そういえばクラスの席替え……。
昨日、佐々木先生明日するって話してたよね。
くじ引きとは言え、結局余った席じゃない。
『……はぁ。』
私はため息1つ零し、項垂れた。
そんな私のため息を拾ったのか、
隣に座っていた彼が話しかけてきた。
「……具合悪いんスか?」
その頭に巻かれたバンダナを見れば
彼が誰なのかは一目瞭然だ。
『いえ、大丈夫よ海堂くん。
ちょっとナーバスになっただけ。』
「そうスか……。」
大したことじゃないと言うと
海堂くんも安心したように窓の方を向いた。
「先輩って……。」
『んー?』
海堂くんが窓の方を向いたまま私が話しかけてきた。
「その……っ。」
『どうした?』
今度は海堂くんの方が項垂れてしまった。
「ね……。」
『ね?』
なんだろうか。
「……猫好きなんスか……?」
ボソボソと小さい声で
猫が好きなのかと聞いてきた。
『ふふ。急に何かと思えば、可愛いこと聞くのね。』
なんだか微笑ましくなって、笑うと
海堂くんは恥ずかしかったのか顔を赤くした。
『ごめんごめん。揶揄うつもりはなかったよ。
それで質問の答えだけれど、YESだよ。猫可愛いよね。』
「ッス……。」
でも、犬も好きだな。動物って可愛いよね。
『海堂くんも猫好きなの?』
「……まぁ。」
へぇ〜。
そういえば菊丸くんのタオルにも猫の刺繍がされてなぁ。
ここの部活は猫派が多そう。
『でもどうして急に?』
私の質問に対しての反応を見る限り、
海堂くん自らこういう話するタイプじゃないでしょ。
「いや……昨日の朝先輩っぽい人見かけて。」
昨日の朝……?
『あ〜!そういえば。』
あの時、私の事見てた男の子……海堂くんだったのか。
いやぁ、バンダナ1つで大分印象変わるのね。
『野良と戯れてたところ見てたの君だったんだね。』
「はい。」
私は携帯を取り出して、
その昨日撮った野良の写真を海堂くんに見せた。
野良にしては珍しく真っ白い毛並み。
そして宝石のように綺麗なブルーの瞳。
『見て見て〜。これ昨日の野良ちゃん!可愛いでしょ〜。』
「……。」
海堂くんは、可愛いと無言で頷いている。
『学校の近くだったし、探せばまた会えるかも。』
「ホントっスか……?」
野良って意外と気に入った住処を決めると
しばらくの間、そこから離れないからね。
それに、一匹見つけると
二、三匹は隠れていたりするのよね。
『うん。』
まぁ、野良だから戯れる時は注意しないといけないけど。
『そうだ。今度オフの日に、一緒に猫カフェでも行かない?』
「え……?」
まさか、海堂くん。猫カフェを知らない?
『猫と遊べるカフェなんだよ。野良よりも安全だし
人懐っこい子が多いからとても癒されるよ。』
「それ……最高っスね。けど先輩……。」
猫カフェの魅力を伝えると、海堂くんは目を輝かせた。
「い、良いんですか……?俺と……その。」
『えっ。逆にダメだったりする?』
私もまだ一回しか行ったことないから
また誰かと行きたいなって思ったんだけど……。
「いや……大丈夫っス。」
『折角なら好きな人と行きたいでしょ。』
こんなに近くに猫好きがいるんだもの。
誘わない手はないよね。
「っ……!」
『あれ?海堂くん?!』
まるで茹でダコのように、顔が真っ赤になった海堂くん。
「……見るなっ。……っス。」
不自然な敬語で見るなと言う海堂くん。
バンダナを外して自身の顔を隠してしまった。
『えぇ……。なんかごめんね。』
「放って置け。気にする事はないだろう。」
後ろの席に座っている乾くんが言った。
「全て聞こえていた。海堂の反応も理解出来る。」
しかしまた、良いデータがとれた。と嬉しそうに呟く。
ノートにペンを走らせる音が聞こえる。
『ちなみに乾くんはどっち派なの。
苗字からして犬派かしら?ふふ。』
なんては言ったけれど、動物あまり興味無さそうだな……。
「実はこう見えて猫派だったりする。
最近は、猫を飼うか飼わないかの話を
家族としているところだ。」
『え?!そうなの!』
私は思わず、後ろの座席を覗く。
「ああ。」
乾くんは猫派なのね。
「ちなみに菊丸は猫好きに見えて、犬飼ってるぞ。」
『えっ。嘘。』
「オウムとかグッピーも飼っているな。
よくペットショップに行ってるのも見かけるぞ。」
沢山飼ってるのね……。
『完全に騙されていたわ。』
たまに語尾ににゃって付くし、猫のタオル持ってたし……。
見た目に騙されるなとはこういう事か。
いい教訓になったわ。
姿勢を正して、私はそんなことを思った。