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捨てられる前に


「”相棒!!”」
「うわっバンブルビー!ちょ、落ち着けよ!ほら、待て!待てだぞ!」

ガレージに入って目に入る光景はレノックスさんが一生懸命
落ち着かせようと努力したであろう結果。
無残な物ではあったが、トルソは何も言わず
蹴り飛ばされてしまった台車や細々した物の片付けを始めた。
足元に転がる整備用品を見れば、柄から真っ二つに折れてもう
使えない。

(破損品のリストアップ作成。損害額、購入額も計算して
出しておくべきか)

トルソは歩行モードから走行モードに足を切り替え、
パッと選別した破損品から回収し出した。
横目でその様子を見ていたレノックスは後でしっかり謝ろうと
心の中で強く誓った。

「これ必要だろ?」
「ありがとうございます。後のことはお任せください。」

トルソが駆け回る中、休憩に向かう予定だった一人の軍人が
複数のビニール袋を彼女に渡し、笑顔で手を振って立ち去る。
中には整備用品が入っており、彼が集めてくれたのだと気づいた
トルソは、袋を片手に再び物の回収に勤しむ。

「イカした足だな。」
「ありがとうございます。」

もう少しで終わる。そんな時に声をかけてきたのは
腕についているブレードと足がタイヤでスピーディーな動きをするのが
特徴のサイドスワイプだった。

「この足、実はサイドスワイプさんのスタイルを
参考に開発されたんですよ。」
「そうだろうな。……もう少し扁平率の低いタイヤに変えた方が
コーナリングがスムーズに行く。
そのタイヤじゃメリットは燃費だけだ。」
「私もそう考えていました。サイドスワイプさんのお陰で
ハワード博士らに提案しても却下される事はないでしょう。」
「そりゃあ何より。」

会話の区切り、事の収拾にひと段落ついたレノックスが駆け足で
自分の方へ向かっているのに気づいたトルソは、
失礼しますと一言添えて、緩やかなスピードで
レノックスの方へ向かった。

「ひと段落したようですね。」

彼の後ろの方に目を向ければ、ビーグルモードで反省兼拗ねている
バンブルビーや縮こまったオプティマス、叱っているサムが
目に入ってくる。

「おかげさまでな。それより、本当に助かった。ありがとう。」
「どういたしまして。損害額と物品の見積もりは少佐のメールに
転送しておきましたので後ほど確認していただければと思います。」
「……ちなみにだが…どのくらいだった?」
「損害額は……まあ、国に申請すればよろしいかと。
再購入の見積もりは大体2951$61¢でした。」
「あいつらの給料から天引き出来ねぇかな……。」
「ははは……」
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