捨てられる前に
『ハワードのステータスは歳だけ』
トルソは己のメモリーに記録された彼の陰口を思い起こしていた。
元々彼は最年少で『コーアレセンス化計画』のチームに加わった
実力者であったが、後にそれも塗り替えられ、これと言った業績を
上げることもなく、今の地位に鎮座している。
そのことからチーム内では陰ながらの嫌われ者である。
だから、と言うべきではないが何故トルソが嫌われているのか、
彼女自身もよく理解していた。
『人間とはお互いに嫌悪し、互いの距離を保つ性質がある』
そう思えば仕方のないことだと、多めに見ることができる。
彼女に待機命令を出し、レノックスや他の研究者を連れて
ガレージを去る彼らを見ながらトルソは
自分の思いに納得するフリをした。
「はじめましてトルソと申します。皆さんの話はかねがね
聞いておりました。しばらくの間ですがよろしくお願いします」
「ああ、よろしく頼む。小さき友よ。私はオプディマス・プライム」
トルソは差し出されたオプティマスの掌に失礼しますと一言添えて
乗りしゃがむ。
手が彼の目前で止まり、トルソは立ち上がり
彼のカメラアイを見つめる。
「ふむ、構造は我々に近しいものがあるな」
「そのようだ」
真っ先に反応したのは、オプティマスではなく軍医のラチェット。
オプティマスがスキャンするよりも早くトルソの体をスキャンした
彼は、顎に手を当てて興味深そうに顔を近づける。
トルソも彼らをスキャンしようと思ったが自身のスキャナーと
カメラでは不可能だと悟り諦めた。
正確には不可能ではないがそれに費やす時間を考えたら
する必要性は低いと判断した。
「スパーク、いやコアは存在しないのかね」
「はい。私は生命体ではないので。エネルギーさえあれば
動き続けることができます」
「しかし、君には体温があるではないか」
「これは私に備わった機能の一種です。温もりがあるだけで
私に対する人間の反応が変んかする実験結果を元に
組み込まれました」
「ふん、結局ロボットとなんら変わらんだろう」
会話に横槍を入れたのは鋭い目つきでトルソを
見下ろすメガトロンであった。
「はい。そう定義して問題ありません。私に感情はありませんので」
そう淡々と返すトルソに舌打ち一つ残し、メガトロンは立ち去ったが、
己の中に生まれつつある違和感を感じ取ったトルソはただそれを
不具合と蓋をした。
「友が失礼したな」
「大丈夫です。話は逸れますが、あなた方の
意識を移し、人間サイズで生活できるようにするプロジェクトも
少しづつですが進行しているようです」
「それはありがたい」
「それについては後々話し合うべきことが多そうだ」
彼の手から解放された頃、レノックスとハワードが
ガレージに戻って来た。
が、レノックスの表情は少しうんざりしたような顔だった。
トルソは己のメモリーに記録された彼の陰口を思い起こしていた。
元々彼は最年少で『コーアレセンス化計画』のチームに加わった
実力者であったが、後にそれも塗り替えられ、これと言った業績を
上げることもなく、今の地位に鎮座している。
そのことからチーム内では陰ながらの嫌われ者である。
だから、と言うべきではないが何故トルソが嫌われているのか、
彼女自身もよく理解していた。
『人間とはお互いに嫌悪し、互いの距離を保つ性質がある』
そう思えば仕方のないことだと、多めに見ることができる。
彼女に待機命令を出し、レノックスや他の研究者を連れて
ガレージを去る彼らを見ながらトルソは
自分の思いに納得するフリをした。
「はじめましてトルソと申します。皆さんの話はかねがね
聞いておりました。しばらくの間ですがよろしくお願いします」
「ああ、よろしく頼む。小さき友よ。私はオプディマス・プライム」
トルソは差し出されたオプティマスの掌に失礼しますと一言添えて
乗りしゃがむ。
手が彼の目前で止まり、トルソは立ち上がり
彼のカメラアイを見つめる。
「ふむ、構造は我々に近しいものがあるな」
「そのようだ」
真っ先に反応したのは、オプティマスではなく軍医のラチェット。
オプティマスがスキャンするよりも早くトルソの体をスキャンした
彼は、顎に手を当てて興味深そうに顔を近づける。
トルソも彼らをスキャンしようと思ったが自身のスキャナーと
カメラでは不可能だと悟り諦めた。
正確には不可能ではないがそれに費やす時間を考えたら
する必要性は低いと判断した。
「スパーク、いやコアは存在しないのかね」
「はい。私は生命体ではないので。エネルギーさえあれば
動き続けることができます」
「しかし、君には体温があるではないか」
「これは私に備わった機能の一種です。温もりがあるだけで
私に対する人間の反応が変んかする実験結果を元に
組み込まれました」
「ふん、結局ロボットとなんら変わらんだろう」
会話に横槍を入れたのは鋭い目つきでトルソを
見下ろすメガトロンであった。
「はい。そう定義して問題ありません。私に感情はありませんので」
そう淡々と返すトルソに舌打ち一つ残し、メガトロンは立ち去ったが、
己の中に生まれつつある違和感を感じ取ったトルソはただそれを
不具合と蓋をした。
「友が失礼したな」
「大丈夫です。話は逸れますが、あなた方の
意識を移し、人間サイズで生活できるようにするプロジェクトも
少しづつですが進行しているようです」
「それはありがたい」
「それについては後々話し合うべきことが多そうだ」
彼の手から解放された頃、レノックスとハワードが
ガレージに戻って来た。
が、レノックスの表情は少しうんざりしたような顔だった。
