捨てられる前に
戦果に巻き込まれた街でたった独り、私は空を見上げる。
美しい青と銀色が空で私を見下ろしている。
規則正しく回転を続け、私のことなど
見えていないように振る舞っている。
ふざけるな。
こんなクソッタレな光景で、神々しくあろうだなんて反吐が出る。
ワタの出たぬいぐるみ、瓦礫に潰された車、
ひび割れたアスファルトに大地にはしる亀裂。
──銃弾を受けた私が
立ち上がった私の体の節々から火花が飛ぶ。
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直ちにメンテナンスを行なってください》
赤く点滅しながら流れる警告をシャットアウトする。
もうお前の言いなりになるものか。
もうお前らを何とも思わない。
もう私は何も知らない
“心の声に耳を傾けなさい”
そう言ったのは誰だったか。
“心の声から目を逸らさないで”
そう、最期に泣いていた
お前なんか、
お前らなんかただの鉄屑にすぎない。
もう”疲れた”んだ。
もうたくさんだ。
私はやりたいようにやる。
やってやる。
お前らみたいにならないように。
私は
本当はわかってる。
これが、勇敢の影に隠れた敗北だってことぐらい。
その時はお前らも一緒だ。
他人を裏切って生きて来たんだ。
なぁ、そうだろ。
「──さようなら」
微かなノイズ混じりの細い声が空に溶けて消えた。
それは空から白い光と白い氷が降る寒い日の出来事だった。
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