Good-by Earth
「続きを聞きましょう」
ジャッスが再び録音機の再生ボタンを押す。
途中からだが再びシノの声が辺りに響き渡る。
その内容は誰もが望まず、しかし予感していたものだった。
『――は私を殺さない。だから救出、なんて馬鹿なことはするな。
あんた等は大人しく救援に来た奴らと合流してさっさとこの星を出ていけ』
ただ、シノの声が淡々と辺りに響く。
音声が終わり、ジャッスは停止ボタンを押す。
「……」
重苦しい沈黙が流れる。
ジーンがジャッスから録音機を奪い、『偵察をしてくる』と
仮拠点を出て行った事で一人また一人と晴れない表情で
その場を離れていった。
「……」
手に握った録音機を見つめながら、ジーンは独り拳を握りしめた。
偵察を早めに切り上げ、林の中で深呼吸をする。
そうすれば、少しは気持ちも落ち着くと考えたのだ。
『救出、なんて馬鹿なことは――』
何度も確認するかのように再生と巻き戻しを繰り返す。
『おい、ジーン』
不意に呼ばれた事で驚いたジーンの手から録音機が滑り落ちる。
『悪かった。最初からそうするつもりだった。
なにもお前達のせいじゃないし、変な責任感を背負うな。
私は奴らから引き出したい情報がある。
だから最初からワザと捕まるつもりだったんだ。
……安心しろ。お前等のことは絶対に話さない。
約束は必ず果たす。
計画が早く済めばすぐにでも脱走して合流するつもりだ。
頑張って生きろよ。録音終了』
ブツッと音と共に音声は途絶えた。
彼は地面に転がる録音機を拾い上げ、
それをしまうと静かにその場を立ち去った。
