Good-by Earth
「まさかフォースが使えるとは驚いた」
「珍しいらしいな」
「ジェダイなのか?」
「それが何かは知らないが……違う。生まれつき使えたが……
人前で使ったことはない」
「隠してたのか? 勿体ない」
”キャプテン”とベンジーの質問に答えながら昔の地球を、
人々を思い起こす。
「化け物が隣にいて喜ぶ人がいるか?
少なくともこの星の人間は喜ばなかった」
「……すまん」
「気にしてない。私にとってそれが普通だっただけだ」
『え~、嫌かなぁ~』と笑う友達だった人間や
『怖いじゃない?』と訝しげにした母。
もちろん、全員がそうではなかったが。
だから気がつけば隠していた。
それで良かった。
「そういえば……アンタ等の言う、”ジェダイ”とは何なんだ?」
「あー……キャプテン?」
私の疑問にベンジーが”キャプテン”へ話を振る。
どうやらよく知らないらしい。
「俺に振るのか。……簡単に言えばシノと同じ力を扱う
平和の守護者だ」
彼から帰ってきた答えも実に抽象的な物だった。
「抽象的だな。ドゥークーと何が違う?」
「詳しいことは知らないが、将軍や共和国のジェダイは
ライトサイド、ドゥークーなどはダークサイドの力を使うらしい」
「善と悪、みたいなものか?」
「多分な。細かいことは知らない」
「ふーん」
どうやら彼もちゃんと把握はしていないようだ。
私は横たわる人たちの横に立つ。
ジャッスがやって来た。
「薬のおかげでだいぶ落ち着いています」
「引き続き頼む」
どうやら容態は安定しているようだ。
ジャッスの報告に耳を傾けているとベンジーが私の隣に立ち、
彼らの名前を教えてくれた。
「彼はヴィンス将軍だ。その隣が弟子のエイブ。二人とも俺たちの指揮官だ」
「……そうか」
彼らへ意識を集中する。
人間ではない形で、ただそれしかわからない。
少し、指が震えた。
「宇宙は広いな」
「きっとこれから先もっと驚くことがあるぞ」
ライクが優しい声色で私の頭を撫でた。
その温かさが更にこの先の絶望感を濃くする。
