気分屋の薔薇
「闇の鏡の前に立つあなたに問う」
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「ドンマイ」
教室に入ってからの第一声はそれだった。
見事寮長に首をはねられた私は皆んなから哀れみの目を
向けられた。
「似合ってるわ駄犬」
シューちゃんにも笑われる始末。
クルーウェル様のリスペクトですか???
心の中で盛大なため息を吐きながら授業の時間をひたすら
無心で過ごした。
「今日の授業はここまで。各自しっかり復習しておく様に」
トレイン先生の授業が終わり、クワァっと欠伸と共に背を伸ばす。
「2人とも部活はー?」
「決めてないけど」
「ん~~」
「そろそろ、提出期限だよね~」
授業の片付けをしながら部活の相談をする。
「なんで運動系ばっかなんだろ」
「ほんそれ」
「ぅん~」
「シューちゃんはボードゲーム部?」
「多分」
「ジョワちゃんは?」
「うーん……入るなら…サイエンス部?」
「……あぁ~」
2人の選択に少し納得しながら鏡舎に歩いていく。
「肉は?」
「肉じゃねーし。うーん、そうだなぁ~
とりあえず安全なところに入りたい。
なんか今日命の危機感じたし」
そう言うと2人はああ~と声を揃えて納得していた。
「けど、どの部にも入る気分じゃないんだよね~」
「お前、ホントなんでちょいちょいフロイド先輩に似てんの?」
「え???」
「怖いこと言わないでくれます??」と言ってもガン無視。
「もぉ~~~。ま、良いや。
寮から取ってくるからまたここに集合ねー」
「りょー」
それぞれの寮へ通じる鏡を通り、各々帰っていく。
私も自室に荷物を置き、冷蔵庫からガトーショコラ3ピースを
持ち、集合場所に向かう。
「お待たせ」
「ウィー」
2人もしばらくしてやってきた。
「生クリーム作って持ってきたけど良かった?」
「ナイスすぎる」
「ふぅ〜〜!」
早く食べよう、と大食堂に急いで向かう。
「よっしゃ、早く食べよ!!」
早く早くと急かす私にジョワちゃんは笑って食いしん坊め~と
笑いながら「ほら、ケーキは逃げないから落ち着きなさい貴方」と
窘めつつ、それぞれのお皿にガトーショコラをわけ、
生クリームを添え、食堂で余っていたイチゴをもらってそれを
添えれば、ダイヤモンド先輩風に言うと映え~である。
「お皿寄せて寄せて~」
「ついに先輩に汚染されたか」
「違うしな~?」
一枚、写真をとり、ハッシュタグを適当につけて
マジカメに投稿しておく。
「よっしゃ、食べよ!!」
「はいはい」
「「「いただきます」」」
パクリ、と食べれば口中に広がる甘い甘いショコラ。
じんわりと喉に痛みが広がる。
「美味しいね~、やっぱクローバー先輩のお菓子美味しい」
「ほんとなー、もっと頑張ろ」
「ん……!!」
パクパクと口に運んでいれば、2人の顔が
引きつっているのに気づく。
「うまそーじゃん、一口ちょーだい」
「ヒェ」
どうしたんだろうと思っていた矢先である。
3人で仲良く食べていると後ろからギュゥっと
締め付けられるのと同時に頭の上から
張り付く様な声が降ってくる。
2人の方を見れば目を逸らされた。
さては後ろに迫ってるの気づいてたな?
思わず口から悲鳴が漏れ出た。
「めっっっっっちゃ、ビビったんですけど!?
はぁぁーッ、心臓痛い……」
仕方なし。仕方なしにガトーショコラを一口分切り、
生クリーム付けて先輩の口に突っ込む。
「ふぇえ、うまぁ~」
「ええ、ええ、そうでしょう!
なんたってクローバー先輩の手作りお菓子ですから」
2人が「なんでお前が得意げ?」と言う顔しているが無視だ。
「えぇ~……俺のも旨いよ~?
あっ、そうだぁ。今度モストロ・ラウンジにおいでよ~」
「えー……今度行きますよ~」
それだけ言うと「やったぁ。じゃあねメジナちゃん~」と
手を振って去っていった。
「ねえ、体めっちゃ痛いんだけど」
「だろうな」
「めっちゃ怖かったんだが????」
さっき締められた部分が痛む。
シューちゃんは至って冷静。ジョワちゃんは
少し顔色が悪くなっていた。
美味しいケーキが台無しである。
「お前絶対に目つけられただろ」
「同意」
「なんで?????」
「「分れ」」
