気分屋の薔薇
「闇の鏡の前に立つあなたに問う」
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「よし……終わった。あとは、これだよね~……」
「じゃ、ガンバ」
「じゃあの」
「薄情者!!」
レポートが終わり、背伸びをして見たくない現実に直面する。
山積みにされた荷物だ。
シューちゃんとジョワちゃんは手を振ってそそくさと
立ち去ってしまったし。
どうしたものか。
うーん……。
流石に往復はしたくない。
人に頼むのも面倒だ。
何か便利な魔法でもないものか。
そう考えているとふと夢の内容が思い浮かんだ。
あの黄金に輝いていた、夢。
「……導きの先……それは……私の元に続く……
”
詠唱は少し違うがそれでも私の周りを黄金の光が包み込んだ。
成功、らしい。
「……オンボロ寮へ、開けよ
何となく唱えてみると、黄金の波紋は私の目の前に広がり、
その奥にオンボロ寮が見えた。
「……やったぜ」
思わず漏れた喜びの声は想像以上に無気力ではあったが
私は構わずにその扉へ段ボールの山を運び入れる。
これは……楽だな。
「レヴン!?」
「あ、驚かせてごめん」
物音が激しかったのか、寮のドアを開けて顔を出したのはユウだ。
「えっと、この段ボールの山は……?」
「学園長に押し付け……頼まれて」
「あっ……そっか……ありがとう。それで、その……」
彼は驚いたまま私の背後を指差して尋ねた。
「うーん、私のユニーク魔法。食堂とオンボロ寮を繋げてる」
「なんか……すごいね。金色に輝いてるし、便利そう」
「せやろ~。あ、中に運び込もうか? めっちゃ量あるし」
「いや、申し訳ないよ!」
「良いって、まだこの半分はあるし」
「……じゃあ……お言葉に甘えて」
「りょーかい!」
彼は少し迷っていたが段ボールの量に気が遠くなったのか
ドアを大きく開けてそばにあった岩でドアを固定してくれた。
私は持って来た段ボールを中に運び込み、ユウもそれに続く。
ありがたい。
「このゲート? って僕が通っても大丈夫?」
「多分」
なんせ使ったことがないから何とも言えないでいると
不安そうな表情を浮かべるユウ。
「ユウはここで受け取ってくれれば良いんじゃない?」
「じゃあ、お願いするね」
「まっかせろ~」
私は段ボールをユウに受け渡し、たまに中へ一緒に運び入れたり。
そうこうしていると食堂に積まれたダンボールは全て
オンボロ寮の中へ消えていった。
「はぁ~~っ、お疲れ様~。やっと終わった!」
「ありがとうレヴン」
とてつもない疲労感に襲われながら少しの間地面にしゃがみ込む。
お礼に、とユウはジュースを一本くれた。
「どういたしまして。それにしてもめっちゃ疲れたなぁ……。
さてと、私は寮に戻るね」
それを快く受け取り、重い腰を持ち上げる。
「うん、気をつけて。本当にありがとう」
「いえいえ」
ユウに手を振り、私は横着をこいてゲートをハーツラビュル寮に
繋げて帰った。
それが、追い討ちになったのだろう。
