気分屋の薔薇
「闇の鏡の前に立つあなたに問う」
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周りを見れば少しづつ状況は落ち着いてきていたようだ。
「シューちゃん~!!」
「うっわ来んな!」
しかし、シューちゃん達とはまだ距離があると言うか。
獣人とは云え犬だからか……。
逃げ方が何時もより少し必死。
「そんなに逃げなくても良いじゃん~~~」
「キモい」
「ひーん」
「まあ、犬よりはだいぶ良いかな」
ジョワちゃんはまあまあ大丈夫らしい。
シューちゃんも嫌がり方は何時もより激しいけど犬よりは
平気みたいだ。
まあ、解決はしてないけど良かったっちゃ良かったのかな。
「めっちゃ尻尾振るやん……」
「体は正直ってかっ?」
「うるせぇやい!」
私の尻尾を見てドン引きシューちゃんとニヤニヤ笑うジョワちゃん。
クルーウェル先生が遠くからしばらくすれば治ると言うことも
教えてくれたので私たちはひとまず昼食を摂る為、食堂へ向かった。
「お前……どうしたんだそれ」
「おージャック君じゃん!うちのクラスでの錬金術失敗騒動は
知ってる?」
食堂に行けば、何か察知したような顔でこちらに駆け寄ってきた
ジャック君が驚いたように話しかけてきた。
「ああ、知ってる」
「それの被害受けて、犬になってクルーウェル先生が
治す薬かけてくれたんだけど中途半端に戻ってさ~」
「あー……なるほどな」
ご飯を買うために一緒に並びながら事情を説明する。
「お前も大変だな」
「ほんまな~」
「……お前も訛りとかあるんだな」
「そう?まあ、この状態、なんか慣れないからちょっとね…」
「あー……確かにな。匂いとかな」
「うん……けど、食べ物の香りとかすっごい美味しそうな感じで
良いこともいっぱいだけども!」
「まあ……お前が良いならそれで良いんじゃねぇか?」
そんな感じの会話をしつつ、私達は昼食を購入後それぞれ
別れてテーブルに向かった。
「おまた~」
「おっそ」
「おっ先ー」
私よりも少し早くご飯を買っていた二人の元に合流し、
共に昼食を摂る。
「おや、フラッシュさんではありませんか。奇遇ですね」
「あ、アーシェングロット先輩。こんにちは」
声のする方を向けば、いつぞやのアーシェングロット先輩が
立っていた。
とりあえず、口に含んでたものを飲み込み軽い挨拶を交わす。
「こちら失礼しますね」
「あ、はい」
先輩が手で指した場所は丁度私との向い。
ジョワちゃんから少し離れているが隣と言える距離の場所。
「それにしても貴方まで被害を受けているとは……」
「あはは……」
哀れ、とでも言いたげな目で私を見る先輩。
少しムッとなるが我慢。
「あぁ、何と可哀想に……獣のような耳!尻尾!
……今ならこちらの魔法薬、お安くしておきますよ?」
何か企んだような目で私を見る先輩。
ああ……と何となく察した。
そして、「可哀想」と言うフレーズで頭にきてしまった。
「いいえ、私は要らないです。
……あ、どうしてもって言うのなら買ってあげましょうか?
まあ、ただで買って上げる気はあんまないんですけど
それでも良いのなら是非!」
満面の笑みを作り、先輩に告げる。
少し嫌な言い方だが、まあ良い。
変に舐められるのは困るし、雑に売り込まれたなら雑に返す。
あくまでも商売なら対等であって欲しい。
つまり、出直せ。
まあ、先輩だし直球には言わないけども。
先輩は少し驚いた様子で、謝罪をした後食事を持って席を
離れていった。
何だったんだ全く。
「え……お前、こわ……」
ちなみにその後、会話を聞いていた2人にドン引かれた。
解せぬ。
