気分屋の薔薇
「闇の鏡の前に立つあなたに問う」
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「ぴったりな犬種になっているな、仔犬」
先生だ!!
声の方に駆け寄り、座ると軽く頭を撫でてくれた。
なんかめっちゃ嬉しい。
「……いっそこのままでもいいかもしれんな」
先生がボソッと言った一言、ちょっと怖いがまあいい。
人間の方が良いし、このままじゃ不便だ。
「それは困りますって~」
ダイヤモンド先輩が眉を下げて頬を掻く。
先生は少し残念そうにしながらも私に薬を振りかけた。
これで元に戻れる!
私の体を淡い光が包み込み、次第に体の変化を感じ取れた。
良かった、一件落着。
「……えーっと」
「やった、戻れたー!」
「……ははは」
「これは……」
すぐにみんなの反応が変なことに気づいた私は首を傾げる。
何か変なところでもあるのか。
……。
あるわ。
何かお尻とか太腿の変にすっごい違和感あるんだけど。
しかも何この圧迫感。後ちょっと痛い気がする。
「……俺は駄犬どもの様子を見てくる」
そそくさと立ち去る先生に皆んなが声を合わせて
クルーウェル先生!?と声をあげる。
「え、何、え???」
そんな中私は違和感と圧迫感と痛みが気になり、
違和感のある場所を触ると何かがあるのがわかった。
ズボンが膨らんで、圧迫されている。
妙に痛い。
それが何なのか、少し理解が追いつかなかった。
「え、え??尻尾???え??」
何で???
何とか理解はできたけど、どうしろと??
「とりあえず落ち着けレヴン」
「うっす…………」
情報量がやばいが、先輩が肩に手を置いて私を制する。
とりあえず返事はしたが、本当にどうすれば良いんだ???
動くの無理。
「今ケイトが借りに行っているよ」
「…うっす」
ひとまず、私はこの何とも言えない不快な感覚との
戦いに専念することにした。
とりあえずなんでもいいから早く来てダイヤモンド先輩。
▼
「お待たせーー!!」
「先輩ありがとうございます!!!!」
耐えに耐え、数分後教室に飛び込むような形で先輩が
制服のズボン片手に戻ってきた。
すぐさまそれを受け取り、速攻で着替える。
人前なのはもう仕方ない。
無理、尻尾が変なったまま歩けないんだもん。
「本当……助かりました先輩!!」
「いやぁ~良かったよぉ~」
尻尾がやっと服から出すことができてすっごい開放感。
「で、何時戻るんですかね?」
私の問いに、先輩や遠くにいるシューちゃん達はさぁ、と
肩をすくめた。
まあ、そうだよね。
「まあ、多分治るっしょ~。はい、チーズ♪」
そう言って先輩はまた自撮りモードで私と肩を組んで写真を撮る。
私は思わず、写っていた自分の姿に目を丸くした。
「耳!?」
私のリアクションに思わず先輩は吹き出し、気づいてなかったの?と
聞かれた。
「あー……うん、そうですよね……気づかなかったですね……」
「当たり前のことじゃないか」
寮長は呆れながらため息をはいた。
いや、そうだけども。
なんか、いつもの場所に耳がないのも何とも変な感じだなぁ。
「根本的解決ではないが一段落したんだ。僕達はこれで失礼するよ」
「じゃあまたな」
「まったね~♪」
そう言って3人は教室から去っていった。
