夢主喋ります!苦手な方は注意してください
ダンロン夢(シリーズごっちゃ)
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今日は学校全体がソワソワしている
なんてったってバレンタインデーなのだから
チョコを貰えるかもしれないと期待に胸をふくらませている人もいれば、いつチョコを渡せばいいのかタイミングを伺っている人もいる。
「ボクには…関係ないですね…」
ポツリと一言こぼす 空はオレンジ色に染まっていて既に放課後
自分でもわかっている 別にチョコを貰えないことが不満、というわけではなく
一日中過ごしていて"あの人"に会えなかったことが胸のここら辺でずっとモヤモヤし続けているのだ
「それにしても今日は散々な言われようでした…」
下校の準備が終わり、廊下を歩いていると先程交わした会話達が頭の中で駆け巡っていく
"チョコ分けてあげようか?でもロボットだから食べられないか〜…いや〜残念!"
"さっきクラスの女子たちが男子全員にチョコあげるって話を…あっ…ご、ごめん!キーボ君は食べられないんだったね……"
「うぅ…思い出すだけで頭痛がしてきます……」
ストレスから来る頭の痛みに襲われる…ような気がする
これはほんの一部で、クラスメイトのロボット差別を受けるたび余計あの人に会えない苦しみが増していった
「もう忘れましょう…今日はいつも通りの日、なんでもない日だったんです」
そりゃあ期待もする けれど歩き出している足を止めてあの人を探しに行く勇気はなかった
そもそも、もう帰ってしまっているかもしれない
だったら尚更早くここを去った方が気が楽。
もうちょっとで校舎の外に足を踏み入れる、というところで聞き覚えのある声がした
『わ〜っ!ちょっとまって!』
「〇〇さん!?」
まだ校舎内にいたのかと驚いた
「一体どうしたんですか?そんなに慌てて…髪もボサボサ……」
と、全てを言い終わる前にハッとした
髪がボサボサだなんて なんて失礼なことを〇〇さんに言ってしまったのか
「ご、ごめんなさい!そのっ、〇〇さんは髪の毛がどんなに乱れてたって素敵です!」
クラスメイトから散々指摘されてきた自分のノンデリカシーさを珍しく痛感する
発言や行動諸々が先走りすぎてしまったのは自覚しているが、誤解を解くためにも喋り続けなければ…
しかし目の前の人を見るとポカーンと口を開けてこちらをじっと見つめていた
し、失敗した……
「うう…その…ボク……」
『いやいや、別に気にしてないから!急いで来たからこんなになっちゃってるの』
あはは と笑いながらそう答えてくれた彼女を見ると"愛おしい"という感情が溢れて胸がはち切れそうになる
「急いで来た…って、何かボクに用事でもあるんですか?」
『うん ちょっとね…日直の仕事を済ませてたら遅くなっちゃった まだいるかな〜と思ってキーボくんのクラスに行ってみたんだけど、居なくて…』
実は今日の放課後、教室の掃除をしようと皆で意気込んだ……のはいいものの、後片付けを全てボクに押し付けるものだから帰りが遅くなってしまった
でも 後片付けを押し付けられなかったら〇〇さんに会うことが出来なかったかもしれない。
そう考えると さっきまでの嫌な気分が急に晴れてくる
「そうだったんですね…」
『けど今日中に会えてよかった 明日だとあんまり意味無いし』
「え、明日じゃダメな理由があるんですか?」
『ほら今日バレンタインデーだからさ これ。』
という言葉と共に渡されたのは包装紙に包まれた四角くて…感触が柔らかいものだった 中身はきっと布系のなにかだろう
〇〇さんの"開けてみて"という言葉を聞き 丁寧に包装紙を解いてみる
「これは…」
出てきたのは1つのマフラーだった
食事が出来ないボクにチョコレートを渡す訳にはいかない、という彼女の配慮を感じる。
『思いついたのがこれしかなくて…でも形に残るしいい考えだと思わない?』
「は、はい…!良いです!とっても…まさか〇〇さんから貰えるだなんて…ありがとうございます!」
ボクに涙が流れる機能がなくてよかった
きっとキミから貰ったマフラーを濡らしてしまうから
『そんな声震えるほど?』
またもや笑いながらボクに話しかける
「今日は散々だったので…」
『なんかそれいつも言ってない?』
「ボクだって毎日〇〇さんに愚痴を漏らしたくないんです!聞いてください!今日は特に酷かったんです…………」
なんてくだらなくて、たわいの無い話を1時間ほど続けていると 空はいつの間にか紺色になり冷たい風がさっきよりも強く吹いていた
「…はっ……!す、すみません!寒かったですよね!早く室内に入るべきでした…ボクが話し込んでしまったばかりに……」
『全然気にしないよ キーボくんと話してて楽しかったもん』
そう気遣ってくれる彼女の手はかじかんでいて微かに震えていた
「ボクに体温があれば〇〇さんを温めることが出来たんですけど…」
ボクの万能なドライヤー機能で温めてあげるのもありかもしれませんね…と考え提案をしようとしたその時、彼女は何を思いついたのか 手を自身のカバンにガバッと入れる
ガサゴソと筆箱の音や布が擦れる音などが聞こえてきて…何かを探しているようだ
『一応持ってきてよかった〜』
「それは…」
彼女の手にあったのはさっき自分が貰ったはずのマフラーと同じ色、同じ形をしたもう1つのマフラーだった。
〇〇さんがこちらを見て えへへ と笑う
『お揃いとか…嫌かな』
「……!嫌なわけないです!むしろ嬉しいです!」
本日二度目の失言をしてしまった気がする
"むしろ嬉しい"……もし、彼女と同じ気持ちじゃなかったら…
思考をグルグル巡らせていると
『ねぇ、キーボくん 明日もまた会わない?』
当たり前のことを言うものだから驚いた そんなの頷くに決まっている
「もちろんです!しかし…何故今更そんなことを聞くんですか?」
『この間ね、キーボくんと離れ離れになっちゃう夢を見たんだ ただの夢だけど、なんか心配になってきちゃって…』
『だから約束してみたの いつもはなんとなーく会って話してるけど、ちゃんと約束するのは初めてじゃん?』
『ちょっと…そんなことを思っただけ 気にしなくていいよ』
「……ボクは、」
「ボクは、〇〇さんのことを離したりはしません!世界の終末が訪れたとしても、隕石が降ってきて地球が終わりを迎えても、キミの手を握り続けます!」
『そ、そんな大袈裟な』
「大袈裟なんかじゃないです!ボクは真剣にそう思っていますよ」
〇〇さんの手をギュッと握って、ちゃんと目を見て、ボクはそう答えた。
言われた通り 確かに大袈裟かもしれない けれど、根本にある想いそのものは本物だとボクは信じていた。
『あはは…ありがとう 嬉しいな』
「す、すみません!勢い余って手を握ってしまい…」
『大丈夫、離さなくていいよ。』
自身の手を引こうとしたが、〇〇さんに阻止されてしまった
手を繋いでいるという状況を改めて認識してしまい恥ずかしさが込み上げてくる
「…その…マフラー似合ってます…よ……」
『キーボくんも似合ってるよ 私のセンスがいいのかな?』
「ふふっ そうかも…しれませんね」
この暖かい感触を逃したくないと、そう強く思った。
きっと今日起きた出来事は一生忘れることは無いだろう だって、チョコよりも甘い1日だったのだから
END
