夢主喋ります!苦手な方は注意してください
SL短編夢
空欄の場合は〇〇になります
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サンドランドの景色がよく見えるゴツゴツとした岩の高台が好きだった
朝焼けは綺麗だし、夕焼けはなんか切なくなる
けどそれでも好きなんだ
─────────────────
〇〇はオレの初恋の相手だ
初めて話した時はあんま喋んないくせに態度が生意気だと思ったし、悪魔の王子…つまりオレに対して敬意が感じられなかった!
でも、いつの間にかアイツに魅了されていたんだ
この胸のドキドキを病気だと思ってしまうほどに
今となっては恥ずかしいけど、心臓の鼓動が早くなってることをシーフに相談したら
"恋"らしき感情がオレに芽生えたってことをニヤニヤされながら言われた
おっさんにも笑われたし…オレは本気で悩んでたのによ…マジで最悪だった
なんだかんだあったけど結局付き合うところまでは行かなかった
オレたちでは寿命が違いすぎる どうせコイツが先に死ぬ。
でも心のどこかでオレたちはきっと愛し合っていたはず……多分な
─────────────────
「…相談、乗るぞ。」
そんな彼女と一ヶ月ぶりに会った
何故か元気が無くて、眉は垂れ下がってるし、背中は丸い。
どうやら1週間ほど家出をしていたみたいだ
だけどそれ以外に気になることがある
「なんかオレに隠してることあんだろ?いつもはそんなんじゃねーのに…まぁ…でも、元々たくさん喋る性格でも無いか」
この時オレは自分を取り繕うのに必死だった
どう考えてもいつもの〇〇じゃない。いや〇〇なんだけど…そうじゃない。包み隠さずに言うと
今すぐにでも死にそうな魂をしてるんだ
オーラというか、そういうのが分かっちゃうんだ
…分かりたくもなかったのによ
「なぁ…お願いだからオレに何があったか話してくれよ。全部受け止めてやるから!」
一ヶ月も会ってなかったんだ 少しぐらいはコイツの声を聞きてーし…
それがもし、明るい話でなかったとしても
『 』
〇〇から放たれた言葉は衝撃的なもので
一瞬、何を言われたのか理解ができなかった。
だってそれはにわかには信じ難い話だったから
同時に人間の愚かさも再認識した
「……それ、本当か?」
「もしかしてお前はずっと"それ"を一人で…抱え、込んでたのか…は、はは……なんだそれ」
つい言葉が途切れてしまう 今、オレの日常に繋ぎ止めれない程の衝撃を与えられてしまったから。
「実の父親に?無理やり、って母親も助けてくれないし金になるから止めてもくれない?ハァ…おかしいだろ…そんな…!」
事実を告げられた驚きより、オレを頼ってくれなかった悲しみより
遥かに"怒り"という感情が勝っていた
握った拳を開くと手のひらに爪の跡が付くぐらい
わざわざ口に出さなくてもそれが物語っていた
「なぁ…〇〇。あんな奴らの為に自分を売らなくていいんだ……お前は今何がしたい?」
この人間がしたいことを全部やらせてあげたいと思った
何のゲームをやりたいだとか何が食べたいだとか
…もしくは自分の親に復讐したいだとか
「なんでも叶えてやるよ!だってオレは悪魔の王子だからなっ!」
"じゃあ"とコイツが口を開いたかと思えばオレの予想は直ぐに裏切られた
答えは最悪で究極で真実で"最後の選択"だった
「一緒に死にたい…じょ冗談だって言ってくれよ、なぁ…目が、マジなんだよ。」
もう取り繕えない
「た、確かに〇〇のことを助けたいとは思ったけどそんなのオレだってお前だって…望んでないだろ?」
目の光がどんどんと薄れていく目の前の人間に足を半歩下げてしまう
それに少しだけ腰が引けた 相手は大好きな人なのに
…でもきっと〇〇は誰からも愛情を貰わずに生きてきたんだ
愛されないってどんな気持ちなんだろうな
苦しいのか?泣きたくなるのか?意外と楽だったりするのか?
よく分かんないけどその最悪な人生の休止符がオレと過ごした時間だったんだとしたら
オレはコイツの初めての願いを叶えてやりたい
「…〇〇〜オレさ、良い場所知ってんだ」
─────────────────
人間の里から20分ぐらい歩いた場所
サンドランドの景色がよく見える岩の高台 オレ以外は知らない特別な場所
朝焼けは綺麗だし、夕焼けはなんか切なくなる不思議な場所だ。
「あーッ!ほんっとお前の親最低だよな!思い出しただけでイライラしてきた!」
地団駄を踏むオレを見て〇〇は少しだけ口角が上がった
そうそう、その顔に惚れたんだ。
「なぁ、ちょっとだけ口貸してくれよ」
〇〇のほっぺをむにっと片手で掴み斜めに顔を傾けて──
「…んむっ…」
チュッチュッという可愛らしいリップ音から
生々しく艶かしい音に変わっていく
「っ……はっ」
りんごのように赤くなり、驚いた顔の人間が目の前に居た。
「イライラしたからちゅーしちゃった
へへ…上書き、ってやつ?…これで最期の記憶はオレに固定されたな!こんぐらい過激じゃないと記憶には残らないさ」
なんて、余裕ぶった一方的な会話をしているが自分だって心臓が飛び出そうだし、身体の色に似ていて分かりにくいけどほっぺは〇〇より真っ赤だ。
「……あー、でも良かった オレやっぱり間違ってなかったんだ」
頭の上にハテナを浮かべる〇〇
このまま秘密にしといてもいいけど…死んだ後になんで教えてくれなかったんだ!って 怒られそうだから今話しておくことにする
「オレさ、初めて人を殺したんだ。」
〇〇は目をまんまるくして微動だに動かない
確かにオレが人殺しなんてするわけない…そう思ってるんだろうな
「実は〇〇が悩んでたの薄々気づいてたんだ
でも知らんぷりできなくて…
だからお前の親、殺しちゃった。」
「〇〇は家出してたから知らなかったんだ
後を着いて行ったら殴られて苦しそうにしてる姿が見えて…〇〇が家を飛び出していったその後に…その……」
〇〇はとても複雑な顔をしていた
悲しそうな 嬉しそうで 困惑しているようにも見えた
「流石にそれ以上ひでぇことをされてたのは知らなかったけど…」
オレは自分の手のひらを見た
当時の記憶がフラッシュバックしてくる
「人間って、本当にこんな大量の血を出すんだって思った。魔物も人間も大して変わらないのに
本当…何なんだろうな」
2500年生きてても分からないことは沢山ある
人間なんか特にそうだ
「……昔、文字ばっかの難しい本を読まされた時に書かれてあった言葉で覚えてるのがあってさ"人生は偶然ではなく必然"って書いてあってよ
じゃあこの心中も必然だったってことだろ?笑えるよな」
無理やり昔話を捻り出してもこの場の天気は晴れないし…
どうしろっていうんだ…いや、オレのせいか?
『……ありがとう、ね。』
「…!」
ほぼ独り言のつもりだったのに無口な彼女に感謝されてしまった。少し照れくさくて
「……だろ?オレは間違ったことなんかしねぇからなっ!」
なんて誤魔化し方をしてしまった
だけどこれから先に待っているのは"死"だ
「今ならまだ死なないって選択もできるんだぞ オレに会いに来たってことは助けて欲しかったんだろ?まだ生きたいってことじゃねぇか」
〇〇は首を振る
…コイツの命を終わらせること
それがオレの最初で最期の使命
「…じゃあなるべく痛くない方法でお前を殺すぞ」
オレがとった方法は〝魂の火を徐々に消していく〟という悪魔特有の命の奪い方だった
「ん?オレはどうやって死ぬのかって?そうだな〜…ま、オレも〇〇とおんなじやり方で死ぬかな 多分一番苦しくないし」
日が沈む中で2人は高台の地面に座った
「上手くできるかなぁ〜…あ?そんなに怖がんなって!大丈夫だから!何とか頑張ってみるよ
……はっっ!」
〇〇の胸の前で両手をパッと広げたあとグッと何かを握るかのような動作をした
どうやら成功したようだ 灯火が不規則に揺らいでいる
それと同じ動きを自分の胸の前でもやってみた
「よしっ!これで1分後にはもう…って、〇〇早すぎねぇ?」
体力が元々無い人間だからか〇〇にはもう今際の際が迫っている
「もたれかかんなよー」
自分の身体にかかる重さが増していく
「なんかオレも眠くなってきた…心なしか心臓もちょっと痛いかも…?」
〇〇の手をギュッと優しく握る
「もう太陽も沈んじゃうな〜風も寒いし〇〇なんて手めっちゃ冷たくなってんじゃん」
そう自分の脳を誤魔化しながら言葉を放った
「〇〇〜?」
「もう寝ちゃった?」
「…オレさ〇〇のこと本当に」
「…いや、これは言わないでおこうかな」
「向こうでちゃんと伝えてやるよ」
次の日、サンドランドに昇ってくる太陽は手を握り横たわった2人を美しく照らしていたという。
END
朝焼けは綺麗だし、夕焼けはなんか切なくなる
けどそれでも好きなんだ
─────────────────
〇〇はオレの初恋の相手だ
初めて話した時はあんま喋んないくせに態度が生意気だと思ったし、悪魔の王子…つまりオレに対して敬意が感じられなかった!
でも、いつの間にかアイツに魅了されていたんだ
この胸のドキドキを病気だと思ってしまうほどに
今となっては恥ずかしいけど、心臓の鼓動が早くなってることをシーフに相談したら
"恋"らしき感情がオレに芽生えたってことをニヤニヤされながら言われた
おっさんにも笑われたし…オレは本気で悩んでたのによ…マジで最悪だった
なんだかんだあったけど結局付き合うところまでは行かなかった
オレたちでは寿命が違いすぎる どうせコイツが先に死ぬ。
でも心のどこかでオレたちはきっと愛し合っていたはず……多分な
─────────────────
「…相談、乗るぞ。」
そんな彼女と一ヶ月ぶりに会った
何故か元気が無くて、眉は垂れ下がってるし、背中は丸い。
どうやら1週間ほど家出をしていたみたいだ
だけどそれ以外に気になることがある
「なんかオレに隠してることあんだろ?いつもはそんなんじゃねーのに…まぁ…でも、元々たくさん喋る性格でも無いか」
この時オレは自分を取り繕うのに必死だった
どう考えてもいつもの〇〇じゃない。いや〇〇なんだけど…そうじゃない。包み隠さずに言うと
今すぐにでも死にそうな魂をしてるんだ
オーラというか、そういうのが分かっちゃうんだ
…分かりたくもなかったのによ
「なぁ…お願いだからオレに何があったか話してくれよ。全部受け止めてやるから!」
一ヶ月も会ってなかったんだ 少しぐらいはコイツの声を聞きてーし…
それがもし、明るい話でなかったとしても
『 』
〇〇から放たれた言葉は衝撃的なもので
一瞬、何を言われたのか理解ができなかった。
だってそれはにわかには信じ難い話だったから
同時に人間の愚かさも再認識した
「……それ、本当か?」
「もしかしてお前はずっと"それ"を一人で…抱え、込んでたのか…は、はは……なんだそれ」
つい言葉が途切れてしまう 今、オレの日常に繋ぎ止めれない程の衝撃を与えられてしまったから。
「実の父親に?無理やり、って母親も助けてくれないし金になるから止めてもくれない?ハァ…おかしいだろ…そんな…!」
事実を告げられた驚きより、オレを頼ってくれなかった悲しみより
遥かに"怒り"という感情が勝っていた
握った拳を開くと手のひらに爪の跡が付くぐらい
わざわざ口に出さなくてもそれが物語っていた
「なぁ…〇〇。あんな奴らの為に自分を売らなくていいんだ……お前は今何がしたい?」
この人間がしたいことを全部やらせてあげたいと思った
何のゲームをやりたいだとか何が食べたいだとか
…もしくは自分の親に復讐したいだとか
「なんでも叶えてやるよ!だってオレは悪魔の王子だからなっ!」
"じゃあ"とコイツが口を開いたかと思えばオレの予想は直ぐに裏切られた
答えは最悪で究極で真実で"最後の選択"だった
「一緒に死にたい…じょ冗談だって言ってくれよ、なぁ…目が、マジなんだよ。」
もう取り繕えない
「た、確かに〇〇のことを助けたいとは思ったけどそんなのオレだってお前だって…望んでないだろ?」
目の光がどんどんと薄れていく目の前の人間に足を半歩下げてしまう
それに少しだけ腰が引けた 相手は大好きな人なのに
…でもきっと〇〇は誰からも愛情を貰わずに生きてきたんだ
愛されないってどんな気持ちなんだろうな
苦しいのか?泣きたくなるのか?意外と楽だったりするのか?
よく分かんないけどその最悪な人生の休止符がオレと過ごした時間だったんだとしたら
オレはコイツの初めての願いを叶えてやりたい
「…〇〇〜オレさ、良い場所知ってんだ」
─────────────────
人間の里から20分ぐらい歩いた場所
サンドランドの景色がよく見える岩の高台 オレ以外は知らない特別な場所
朝焼けは綺麗だし、夕焼けはなんか切なくなる不思議な場所だ。
「あーッ!ほんっとお前の親最低だよな!思い出しただけでイライラしてきた!」
地団駄を踏むオレを見て〇〇は少しだけ口角が上がった
そうそう、その顔に惚れたんだ。
「なぁ、ちょっとだけ口貸してくれよ」
〇〇のほっぺをむにっと片手で掴み斜めに顔を傾けて──
「…んむっ…」
チュッチュッという可愛らしいリップ音から
生々しく艶かしい音に変わっていく
「っ……はっ」
りんごのように赤くなり、驚いた顔の人間が目の前に居た。
「イライラしたからちゅーしちゃった
へへ…上書き、ってやつ?…これで最期の記憶はオレに固定されたな!こんぐらい過激じゃないと記憶には残らないさ」
なんて、余裕ぶった一方的な会話をしているが自分だって心臓が飛び出そうだし、身体の色に似ていて分かりにくいけどほっぺは〇〇より真っ赤だ。
「……あー、でも良かった オレやっぱり間違ってなかったんだ」
頭の上にハテナを浮かべる〇〇
このまま秘密にしといてもいいけど…死んだ後になんで教えてくれなかったんだ!って 怒られそうだから今話しておくことにする
「オレさ、初めて人を殺したんだ。」
〇〇は目をまんまるくして微動だに動かない
確かにオレが人殺しなんてするわけない…そう思ってるんだろうな
「実は〇〇が悩んでたの薄々気づいてたんだ
でも知らんぷりできなくて…
だからお前の親、殺しちゃった。」
「〇〇は家出してたから知らなかったんだ
後を着いて行ったら殴られて苦しそうにしてる姿が見えて…〇〇が家を飛び出していったその後に…その……」
〇〇はとても複雑な顔をしていた
悲しそうな 嬉しそうで 困惑しているようにも見えた
「流石にそれ以上ひでぇことをされてたのは知らなかったけど…」
オレは自分の手のひらを見た
当時の記憶がフラッシュバックしてくる
「人間って、本当にこんな大量の血を出すんだって思った。魔物も人間も大して変わらないのに
本当…何なんだろうな」
2500年生きてても分からないことは沢山ある
人間なんか特にそうだ
「……昔、文字ばっかの難しい本を読まされた時に書かれてあった言葉で覚えてるのがあってさ"人生は偶然ではなく必然"って書いてあってよ
じゃあこの心中も必然だったってことだろ?笑えるよな」
無理やり昔話を捻り出してもこの場の天気は晴れないし…
どうしろっていうんだ…いや、オレのせいか?
『……ありがとう、ね。』
「…!」
ほぼ独り言のつもりだったのに無口な彼女に感謝されてしまった。少し照れくさくて
「……だろ?オレは間違ったことなんかしねぇからなっ!」
なんて誤魔化し方をしてしまった
だけどこれから先に待っているのは"死"だ
「今ならまだ死なないって選択もできるんだぞ オレに会いに来たってことは助けて欲しかったんだろ?まだ生きたいってことじゃねぇか」
〇〇は首を振る
…コイツの命を終わらせること
それがオレの最初で最期の使命
「…じゃあなるべく痛くない方法でお前を殺すぞ」
オレがとった方法は〝魂の火を徐々に消していく〟という悪魔特有の命の奪い方だった
「ん?オレはどうやって死ぬのかって?そうだな〜…ま、オレも〇〇とおんなじやり方で死ぬかな 多分一番苦しくないし」
日が沈む中で2人は高台の地面に座った
「上手くできるかなぁ〜…あ?そんなに怖がんなって!大丈夫だから!何とか頑張ってみるよ
……はっっ!」
〇〇の胸の前で両手をパッと広げたあとグッと何かを握るかのような動作をした
どうやら成功したようだ 灯火が不規則に揺らいでいる
それと同じ動きを自分の胸の前でもやってみた
「よしっ!これで1分後にはもう…って、〇〇早すぎねぇ?」
体力が元々無い人間だからか〇〇にはもう今際の際が迫っている
「もたれかかんなよー」
自分の身体にかかる重さが増していく
「なんかオレも眠くなってきた…心なしか心臓もちょっと痛いかも…?」
〇〇の手をギュッと優しく握る
「もう太陽も沈んじゃうな〜風も寒いし〇〇なんて手めっちゃ冷たくなってんじゃん」
そう自分の脳を誤魔化しながら言葉を放った
「〇〇〜?」
「もう寝ちゃった?」
「…オレさ〇〇のこと本当に」
「…いや、これは言わないでおこうかな」
「向こうでちゃんと伝えてやるよ」
次の日、サンドランドに昇ってくる太陽は手を握り横たわった2人を美しく照らしていたという。
END