短編
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「キミには私だけを見つめていてほしいんだ」
……言ってしまった。
みんなと仲良しな名前くん。みんなに優しい名前くん。最初は、素晴らしい人だなと感心して見ているだけだったはずなのに――。
「みんな平等に接する名前くんは美しい。私もそんなキミが好きさ。だからこれは、私の個人的な感情で我儘にすぎない」
そっと名前くんの手を取り、その手の甲に唇を落とす。
驚いた様子で短く悲鳴を上げた名前くんの反応が面白くて顔が綻んでしまえば、彼女は恥ずかしそうに顔を紅く染めた。その表情が可愛らしくて、ますます私だけのものにしてしまいたい気持ちが強まってしまう。
魔法を使わずとも、自然と私だけを見てくれるようになったなら、それはどれだけ幸福なことだろう。想像するだけで胸が温かくなった。
『その、いきなりどうしたの…?』
彼女が疑問を抱くのも無理はない。たまたま会って、二人きりのラウンジで誰かが来る気配はない。いつも誰かと一緒にいる名前くんとこんな風に二人になれる機会は早々ない。その状況に浮かれて、半ば勢いのまま今まで胸に秘めていた想いを口にしてしまったのだ。
「あぁ。驚かせてしまって、すまない。けれど、私が先程口にした言葉は、全て本心なんだ」
至極真剣に彼女を見つめる。私の本気が少しでも伝わるようにと願いを込めて。
『ち、違うの。別にレイアの言葉を信じられないわけじゃなくて…。えっと…、レイアは、私のこと……』
「……うん。好きだよ」
柄にもなくテレてしまう。名前くんの前では格好良く振舞っていたかったし、余裕を持っていたかったけれど、肝心なところで私の顔は表情を取り繕ったままではいられなかった。
顔どころか全身が熱いし、ドキドキと心臓の鼓動が騒がしい。
……名前くんは、私のことをどう思っているのだろう。嫌われてはいないと、思ってはいるけれど。
自信なく見つめていると彼女は、嬉しそうに微笑んだ。
『ありがとう。私もレイアのことが――っ!?』
聞き終わるより先に私は思わず名前くんのことを抱きしめてしまう。
私を受け入れてくれたことが嬉しくて、思考するより先に身体が動いてしまったようだ。
初めて腕に抱いた彼女の身体は想像していたよりも柔らかく、甘く落ち着く名前くんの香りにずっとこうしていたいと思ってしまう程の魅力に抗えない。
『もう、最後まで言わせてよ…』
呆れたようで満更でもなさそうな名前くんの声に「申し訳ない」なんて素直に謝りつつも、離す気はないと抱きしめる力を強めれば、彼女は観念したように私の背に腕を回した。
『レイア。大好きだよ』
気を取り直すように名前くんがそう口にして、私は胸がいっぱいになってしまった。
「……とても嬉しいよ。だけれどきっと、私の方が名前くんのことを先に好きになっているし、誰よりも名前くんのことを愛していると思うんだ」
名前くんにもそれだけは譲れないし、負けるつもりはないとそう思う。
彼女はそんな私の言葉に『私の方が好きだよ、絶対』と張り合ってきたのが、あまりにも可愛すぎて早くも私は敗北しそうになってしまったのだった。
……言ってしまった。
みんなと仲良しな名前くん。みんなに優しい名前くん。最初は、素晴らしい人だなと感心して見ているだけだったはずなのに――。
「みんな平等に接する名前くんは美しい。私もそんなキミが好きさ。だからこれは、私の個人的な感情で我儘にすぎない」
そっと名前くんの手を取り、その手の甲に唇を落とす。
驚いた様子で短く悲鳴を上げた名前くんの反応が面白くて顔が綻んでしまえば、彼女は恥ずかしそうに顔を紅く染めた。その表情が可愛らしくて、ますます私だけのものにしてしまいたい気持ちが強まってしまう。
魔法を使わずとも、自然と私だけを見てくれるようになったなら、それはどれだけ幸福なことだろう。想像するだけで胸が温かくなった。
『その、いきなりどうしたの…?』
彼女が疑問を抱くのも無理はない。たまたま会って、二人きりのラウンジで誰かが来る気配はない。いつも誰かと一緒にいる名前くんとこんな風に二人になれる機会は早々ない。その状況に浮かれて、半ば勢いのまま今まで胸に秘めていた想いを口にしてしまったのだ。
「あぁ。驚かせてしまって、すまない。けれど、私が先程口にした言葉は、全て本心なんだ」
至極真剣に彼女を見つめる。私の本気が少しでも伝わるようにと願いを込めて。
『ち、違うの。別にレイアの言葉を信じられないわけじゃなくて…。えっと…、レイアは、私のこと……』
「……うん。好きだよ」
柄にもなくテレてしまう。名前くんの前では格好良く振舞っていたかったし、余裕を持っていたかったけれど、肝心なところで私の顔は表情を取り繕ったままではいられなかった。
顔どころか全身が熱いし、ドキドキと心臓の鼓動が騒がしい。
……名前くんは、私のことをどう思っているのだろう。嫌われてはいないと、思ってはいるけれど。
自信なく見つめていると彼女は、嬉しそうに微笑んだ。
『ありがとう。私もレイアのことが――っ!?』
聞き終わるより先に私は思わず名前くんのことを抱きしめてしまう。
私を受け入れてくれたことが嬉しくて、思考するより先に身体が動いてしまったようだ。
初めて腕に抱いた彼女の身体は想像していたよりも柔らかく、甘く落ち着く名前くんの香りにずっとこうしていたいと思ってしまう程の魅力に抗えない。
『もう、最後まで言わせてよ…』
呆れたようで満更でもなさそうな名前くんの声に「申し訳ない」なんて素直に謝りつつも、離す気はないと抱きしめる力を強めれば、彼女は観念したように私の背に腕を回した。
『レイア。大好きだよ』
気を取り直すように名前くんがそう口にして、私は胸がいっぱいになってしまった。
「……とても嬉しいよ。だけれどきっと、私の方が名前くんのことを先に好きになっているし、誰よりも名前くんのことを愛していると思うんだ」
名前くんにもそれだけは譲れないし、負けるつもりはないとそう思う。
彼女はそんな私の言葉に『私の方が好きだよ、絶対』と張り合ってきたのが、あまりにも可愛すぎて早くも私は敗北しそうになってしまったのだった。
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