短編
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「のあはね。名前ちゃんのこと好きだよ」
ぎゅっとのあが後ろから名前ちゃんを抱きしめると名前ちゃんの身体が少し跳ねたのがわかった。
こわがってる名前ちゃんも可愛いな〜って背中にすりすり頬擦りしている間、名前ちゃんは何も言わないで固まったまま。それをいい事に抱きしめる力を強めて、柔らかくて温かい名前ちゃんの身体をのあの腕の中にひとりじめしちゃう。
優しくて甘い名前ちゃんの香りは良い匂いだし、安心する。はじめて甘えるように名前ちゃんに抱きついた時から、のあは名前ちゃんの匂いも大好き。
のあの絵をすっごく沢山褒めてくれる声も好き。かけてくれる優しい言葉も大好き。のあの話しを楽しそうに聞いてくれるところも、笑顔も好き。――でも、今のこわがってるところもみんな死んじゃったのが悲しくて、泣いてぐしゃぐしゃになってる顔だってのあは好きみたい。
『っ…ノアちゃん。どうして…?』
「うんうん。のあがなんでみんなを殺しちゃったのかが、名前ちゃんは気になってるんだよね〜?」
そう。のあが殺した。……ころしちゃった。
だって、名前ちゃんが優しいのはのあにだけじゃない。名前ちゃんが笑いかけるのは、のあにだけじゃない。名前ちゃんが好きなのはのあだけじゃないし、のあは名前ちゃんの特別じゃない。……そう思っちゃったら、急にみんなが邪魔に思えてきちゃって…。
「もちろん、のあと名前ちゃんが2人きりになるためだよ」
そんなのダメだってわかってた。みんなを殺すなんてよくないってわかってたのに……。どうしても我慢することができなかったの。
「だからね、名前ちゃんはもう諦めて、のあを好きになってね」
そうしないときっと、名前ちゃんに酷いことしちゃう。
それだけは、のあも嫌だから……。
