短編
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顔面蒼白で怯えた様子の名前を気にかけるようになったのはいつからだっただろうか。
「名前」
裁判が終わってまた人数が減った。13人いても元々広かった牢屋敷が、更に広く感じる。
仲間の悲惨な処刑を見て、ポロポロと静かに涙を流し、一人で肩を震わせる彼女の背にそっと声を掛けた。
「早く監房に戻ろう。今日はもうゆっくり休んだ方がいい」
『…っ、ヒロちゃん…』
今にも消え入りそうな声で名前を呼ばれて、私は咄嗟に名前の手を強く握った。
「大丈夫だ。名前のことは私が守る。…だから、泣くな」
思えばずっとそうだった。
私は名前の弱った姿を見ると焦燥感で居てもたってもいられなくなる。
最初は同情心を抱いたからだったからかもしれない。気の毒になるぐらい怖がっている姿が見ていられなかった。気にかけて声を掛けるようになってから、私がただ弱いだけの子ではないことに気づくのに時間はかからなかった。
情に厚く困っている人を放っておけず、みんなの心にそっと寄り添う姿に胸を打たれた。
いつしか同情からではなく、心から名前を守りたいと思うようになった。
素直で優しいこの子が、傷つき胸を痛め恐怖し震えるのを私は黙って見ていられない。
名前が安心して過ごせないこの状況は間違っている。早く、一刻も早く正さなくては…っ。
『ヒロちゃん…?どうしたの?』
心配そうに私の顔を覗き込んできた名前を安心させるように微笑んで、その綺麗な瞳から未だ滲んでいる涙を指でそっと拭った。
「いや、なんでもない。……それよりも、今すぐに監房に戻った方がよさそうだ」
『っ!そうだね…!』
看守がじっとこちらを見ていることに気づいた名前が僅かに身を竦ませた。
恐怖で支配されてしまう前に、私は看守から名前を隠すように立ち、そのまま手を引いてその場から立ち去ったのだった。
「名前」
裁判が終わってまた人数が減った。13人いても元々広かった牢屋敷が、更に広く感じる。
仲間の悲惨な処刑を見て、ポロポロと静かに涙を流し、一人で肩を震わせる彼女の背にそっと声を掛けた。
「早く監房に戻ろう。今日はもうゆっくり休んだ方がいい」
『…っ、ヒロちゃん…』
今にも消え入りそうな声で名前を呼ばれて、私は咄嗟に名前の手を強く握った。
「大丈夫だ。名前のことは私が守る。…だから、泣くな」
思えばずっとそうだった。
私は名前の弱った姿を見ると焦燥感で居てもたってもいられなくなる。
最初は同情心を抱いたからだったからかもしれない。気の毒になるぐらい怖がっている姿が見ていられなかった。気にかけて声を掛けるようになってから、私がただ弱いだけの子ではないことに気づくのに時間はかからなかった。
情に厚く困っている人を放っておけず、みんなの心にそっと寄り添う姿に胸を打たれた。
いつしか同情からではなく、心から名前を守りたいと思うようになった。
素直で優しいこの子が、傷つき胸を痛め恐怖し震えるのを私は黙って見ていられない。
名前が安心して過ごせないこの状況は間違っている。早く、一刻も早く正さなくては…っ。
『ヒロちゃん…?どうしたの?』
心配そうに私の顔を覗き込んできた名前を安心させるように微笑んで、その綺麗な瞳から未だ滲んでいる涙を指でそっと拭った。
「いや、なんでもない。……それよりも、今すぐに監房に戻った方がよさそうだ」
『っ!そうだね…!』
看守がじっとこちらを見ていることに気づいた名前が僅かに身を竦ませた。
恐怖で支配されてしまう前に、私は看守から名前を隠すように立ち、そのまま手を引いてその場から立ち去ったのだった。
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