短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
6月12日(恋人の日)夢。平和な世界線でお送りします。
『苗木誠の場合』
「ねぇ、手繋いでもいい?」
横を歩く苗木くんを見つめてそう問いかける。
私と苗木くんはもう付き合って大分経つのにキスやハグなんて一切したことなく、もちろん手だって繋いだことがない。そう、とてつもなく清いお付き合いをしている。
恋人らしいことといえば、休日にデートしてこうして隣を歩くことぐらいだ。
最初はそれだけで幸せで満足だった。でも、だんだん足りなくなってもっと近づきたい。触れてみたいと思うようになってしまった。
それと同時に、なんにも手を出してこないなんて、自分には魅力ないのかなぁなんて悩んで落ち込んだ末、意を決しての先程の彼への問いかけだった。
私の問いに苗木くんは固まって数秒、ほんのり赤く染まった顔で私に手を差し出した。
「も、もちろん」
「っ!やった…!」
彼の答えに不安が吹っ飛んで、喜びつつそっと手を握れば苗木くんは口元を片手で押さえた。
「困ったな……。ずっと我慢してたから、嬉しすぎてニヤけちゃうよ」
「えっ……!?我慢って?」
「あ、えっと、その……!」
言うつもりはなかったのか少し慌てた後、苗木くんは恥ずかしそうに私から目を逸らした。
「ちょっとでも触れたら、もっと触りたくなっちゃう気がして……苗字さんのこと大事にしたいから」
「……苗木くん」
苗木くんがそこまで私のことを考えてくれていたなんて嬉しい。けれど、私は苗木くんに触れてほしいって思ってるって知ったら彼はどう思うだろう。
「あの、抱きしめてもいい……?」
本日2回目の問いかけに更に顔を赤くして固まった彼。
「うん。ていうか、ボクが苗字さんを抱きしめてもいいかな?」
「っ……うん!ど、どうぞ」
歩いていた足を止め、向かいあった彼を腕を広げて待っていると、緊張した様子で優しく抱きしめられた。
「……想像してた以上に緊張するね」
「…うん。凄くドキドキする」
私達はその場で暫く抱きしめ合いながら笑いあった。
なんとなく離れ難くて、私がギュッと抱きしめる力を強めたら苗木くんも私を強く抱きしめ返してくれた。
――幸せだ。凄く。
「ねぇ、キスしてもいい?」
そっと小さな声で問いかけられて、私は返事の代わりに彼から一歩離れてそっと目を瞑った。
『狛枝凪斗の場合』
「恋人の日かぁ。私には関係ないなぁ」
今日も今日とて賑やかな教室の窓際の席でスマホのカレンダーを見つめてそう呟けば、クラスメイトの様子をニコニコと楽しそうに眺めていた前の席の狛枝くんが振り返って驚いた顔で私に言った。
「えっ…。…どうして関係ないの?」
「どうしてって、だって恋人いないもん」
言ってなんだか虚しくなりつつ驚いた顔の狛枝くんを見つめれば彼は信じられないと言うように声を上げた。
「苗字さんみたいな素晴らしい人に恋人がいないなんておかしいよ!キミの魅力に気づけないなんて、ボクみたいなゴミ以下な人間でも苗字さんのこと素敵な女の子だと思ってるっていうのに、みんな変なんじゃないのかな?」
「……そ、そうかな?ていうか、ゴミ以下って…」
狛枝くんの勢いに押される。
狛枝くんは両手で私の手を握ってきた。
「うん。キミに嘘なんかつかないよ。絶対にね」
「こ、こまっ狛枝くん!?」
「あぁ……ボクなんかが希望溢れる苗字さんの手を握っちゃってゴメンね。穢れちゃうよね。あとで消毒しなくちゃ」
1人でどんどん話す狛枝くんに私はどうしていいかわからず流されるまま。
いつもより近い狛枝くんとの距離とか、謝りつつも離されない握られたままの手がやけに熱いとか、彼の声がいつもより低いとか、見つめられた目が逸らせないとか、狛枝くんのことで頭がいっぱいで、こんなに一人の人のことで頭がいっぱいになったのは初めてで、だから私はこの時まともじゃなかった。まともな判断が出来る状態じゃなかったんだとみんなに言い訳させてほしい。
「その、もし、もしもなんだけど……苗字さんが嫌じゃなければ、どうか、ボクの恋人になって下さい」
「えっ」
「ボクなんかが身の程知らずにもほどがあるって思うんだけど、どうしても好きなんだ。苗字さんのこと」
「……私でよければ」
「っ……!ありがとう!」
ギュッと机を挟んで狛枝くんが私を抱きしめた。
そこでやっと私は我に返る。
あっ……ここ教室だった。と。
恥ずかしさで真っ赤になった顔をクラスメイトの視線から隠すように私は狛枝くんの肩に顔を埋めると、狛枝くんは何やら騒ぎ出したけど、今はそんなのは無視して顔の熱が引くのを待った。
『最原終一の場合』
「えーっと、今日は恋人の日ですね」
「?そうですね」
一緒にコーヒーを飲んでいたテーブルを挟んで向かいの席の終一くんが何故か敬語でそう言った。
確かに今日は恋人の日で某SNSでもその話題で盛り上がっていたから、私も彼を真似て敬語で返す。
「僕たちは恋人ですよね」
「ふふっ。そうですね」
「っ……恋人らしいこと、しませんか?」
「っ!はい。もちろん」
真っ赤な顔の終一くんに微笑んで頷けば何処か安堵したような嬉しそうな笑みを浮かべ彼は私の手を優しく握って席から立ち上がらせた。
「でも、よくよく考えてみると恋人らしいことってなんだろうね?」
「うーん。こう、かな?」
サラッと私の髪をひと房耳にかけた終一くんがそっと私の唇にキスを落とした。
突然のことに開いていた目をぎゅっと閉じれば終一くんの腕の中に閉じ込められてしまう。
「……名前さん」
熱を帯びた私を呼ぶ声にそっと目を開けば優しく私を見つめる彼が視界にいっぱいに映り込む。
「愛してるよ」
「うん…。私も」
再びそっと目を閉じれば、今度は深い口付けがふってきて私は彼の服の裾をギュッと握りしめた。
「ふふっ。名前さん可愛い」
額に音を立ててされたキスに全身が熱くなった。
「っ、終一くん」
お返しに私も背伸びして彼の頬にキスをお見舞いすれば、目の前の終一くんはビックリするぐらい真っ赤な顔になった。
「あ、えっと……その、不意打ちはズルいっていうか……もちろん、嬉しいんだけど…!」
「けど?」
「……心臓に悪いからお手柔らかにお願いします」
「……はい。善処します」
「うん。でも、そういう名前さんも好きだから、たまにはいいかも」
「っ……!」
今日も彼には適いそうになくて、心臓が苦しいくらい。
「終一くん好き。大好きだよ」
「っ……!」
ギュッと勢いよく抱きしめられて、耳元に「僕も名前さんが好き。大好きだ」って心底嬉しそうな声音が聞こえてきて、幸せで胸がいっぱいになる。
彼の背に腕をまわせばそのままふわりと身体が浮いて終一くんに抱き上げられ、私はそのまま彼の身体に身を預けた。
『苗木誠の場合』
「ねぇ、手繋いでもいい?」
横を歩く苗木くんを見つめてそう問いかける。
私と苗木くんはもう付き合って大分経つのにキスやハグなんて一切したことなく、もちろん手だって繋いだことがない。そう、とてつもなく清いお付き合いをしている。
恋人らしいことといえば、休日にデートしてこうして隣を歩くことぐらいだ。
最初はそれだけで幸せで満足だった。でも、だんだん足りなくなってもっと近づきたい。触れてみたいと思うようになってしまった。
それと同時に、なんにも手を出してこないなんて、自分には魅力ないのかなぁなんて悩んで落ち込んだ末、意を決しての先程の彼への問いかけだった。
私の問いに苗木くんは固まって数秒、ほんのり赤く染まった顔で私に手を差し出した。
「も、もちろん」
「っ!やった…!」
彼の答えに不安が吹っ飛んで、喜びつつそっと手を握れば苗木くんは口元を片手で押さえた。
「困ったな……。ずっと我慢してたから、嬉しすぎてニヤけちゃうよ」
「えっ……!?我慢って?」
「あ、えっと、その……!」
言うつもりはなかったのか少し慌てた後、苗木くんは恥ずかしそうに私から目を逸らした。
「ちょっとでも触れたら、もっと触りたくなっちゃう気がして……苗字さんのこと大事にしたいから」
「……苗木くん」
苗木くんがそこまで私のことを考えてくれていたなんて嬉しい。けれど、私は苗木くんに触れてほしいって思ってるって知ったら彼はどう思うだろう。
「あの、抱きしめてもいい……?」
本日2回目の問いかけに更に顔を赤くして固まった彼。
「うん。ていうか、ボクが苗字さんを抱きしめてもいいかな?」
「っ……うん!ど、どうぞ」
歩いていた足を止め、向かいあった彼を腕を広げて待っていると、緊張した様子で優しく抱きしめられた。
「……想像してた以上に緊張するね」
「…うん。凄くドキドキする」
私達はその場で暫く抱きしめ合いながら笑いあった。
なんとなく離れ難くて、私がギュッと抱きしめる力を強めたら苗木くんも私を強く抱きしめ返してくれた。
――幸せだ。凄く。
「ねぇ、キスしてもいい?」
そっと小さな声で問いかけられて、私は返事の代わりに彼から一歩離れてそっと目を瞑った。
『狛枝凪斗の場合』
「恋人の日かぁ。私には関係ないなぁ」
今日も今日とて賑やかな教室の窓際の席でスマホのカレンダーを見つめてそう呟けば、クラスメイトの様子をニコニコと楽しそうに眺めていた前の席の狛枝くんが振り返って驚いた顔で私に言った。
「えっ…。…どうして関係ないの?」
「どうしてって、だって恋人いないもん」
言ってなんだか虚しくなりつつ驚いた顔の狛枝くんを見つめれば彼は信じられないと言うように声を上げた。
「苗字さんみたいな素晴らしい人に恋人がいないなんておかしいよ!キミの魅力に気づけないなんて、ボクみたいなゴミ以下な人間でも苗字さんのこと素敵な女の子だと思ってるっていうのに、みんな変なんじゃないのかな?」
「……そ、そうかな?ていうか、ゴミ以下って…」
狛枝くんの勢いに押される。
狛枝くんは両手で私の手を握ってきた。
「うん。キミに嘘なんかつかないよ。絶対にね」
「こ、こまっ狛枝くん!?」
「あぁ……ボクなんかが希望溢れる苗字さんの手を握っちゃってゴメンね。穢れちゃうよね。あとで消毒しなくちゃ」
1人でどんどん話す狛枝くんに私はどうしていいかわからず流されるまま。
いつもより近い狛枝くんとの距離とか、謝りつつも離されない握られたままの手がやけに熱いとか、彼の声がいつもより低いとか、見つめられた目が逸らせないとか、狛枝くんのことで頭がいっぱいで、こんなに一人の人のことで頭がいっぱいになったのは初めてで、だから私はこの時まともじゃなかった。まともな判断が出来る状態じゃなかったんだとみんなに言い訳させてほしい。
「その、もし、もしもなんだけど……苗字さんが嫌じゃなければ、どうか、ボクの恋人になって下さい」
「えっ」
「ボクなんかが身の程知らずにもほどがあるって思うんだけど、どうしても好きなんだ。苗字さんのこと」
「……私でよければ」
「っ……!ありがとう!」
ギュッと机を挟んで狛枝くんが私を抱きしめた。
そこでやっと私は我に返る。
あっ……ここ教室だった。と。
恥ずかしさで真っ赤になった顔をクラスメイトの視線から隠すように私は狛枝くんの肩に顔を埋めると、狛枝くんは何やら騒ぎ出したけど、今はそんなのは無視して顔の熱が引くのを待った。
『最原終一の場合』
「えーっと、今日は恋人の日ですね」
「?そうですね」
一緒にコーヒーを飲んでいたテーブルを挟んで向かいの席の終一くんが何故か敬語でそう言った。
確かに今日は恋人の日で某SNSでもその話題で盛り上がっていたから、私も彼を真似て敬語で返す。
「僕たちは恋人ですよね」
「ふふっ。そうですね」
「っ……恋人らしいこと、しませんか?」
「っ!はい。もちろん」
真っ赤な顔の終一くんに微笑んで頷けば何処か安堵したような嬉しそうな笑みを浮かべ彼は私の手を優しく握って席から立ち上がらせた。
「でも、よくよく考えてみると恋人らしいことってなんだろうね?」
「うーん。こう、かな?」
サラッと私の髪をひと房耳にかけた終一くんがそっと私の唇にキスを落とした。
突然のことに開いていた目をぎゅっと閉じれば終一くんの腕の中に閉じ込められてしまう。
「……名前さん」
熱を帯びた私を呼ぶ声にそっと目を開けば優しく私を見つめる彼が視界にいっぱいに映り込む。
「愛してるよ」
「うん…。私も」
再びそっと目を閉じれば、今度は深い口付けがふってきて私は彼の服の裾をギュッと握りしめた。
「ふふっ。名前さん可愛い」
額に音を立ててされたキスに全身が熱くなった。
「っ、終一くん」
お返しに私も背伸びして彼の頬にキスをお見舞いすれば、目の前の終一くんはビックリするぐらい真っ赤な顔になった。
「あ、えっと……その、不意打ちはズルいっていうか……もちろん、嬉しいんだけど…!」
「けど?」
「……心臓に悪いからお手柔らかにお願いします」
「……はい。善処します」
「うん。でも、そういう名前さんも好きだから、たまにはいいかも」
「っ……!」
今日も彼には適いそうになくて、心臓が苦しいくらい。
「終一くん好き。大好きだよ」
「っ……!」
ギュッと勢いよく抱きしめられて、耳元に「僕も名前さんが好き。大好きだ」って心底嬉しそうな声音が聞こえてきて、幸せで胸がいっぱいになる。
彼の背に腕をまわせばそのままふわりと身体が浮いて終一くんに抱き上げられ、私はそのまま彼の身体に身を預けた。
