短編
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小鳩先輩誕生日おめでとうございました!!(大遅刻)
この世界は美しく、優しい偽りの世界。
現実ではないと気づいた時は、あぁ、やっぱり。だなんてすんなり納得出来てしまう程に、綺麗な理想の世界だった。
帰りたくない。このままここで微睡んでいたい。
そういう考えが頭を過ぎらなかったとは言わない。
この世界に来てしまう程には弱いから……小鳩先輩なんて逃げ回っていたぐらいだし…。
「何笑ってんの?あだ名ちゃん」
甘さの滲む声に横を見ればこちらを不思議そうに見つめる小鳩先輩と目が合った。
『なんでもないです。ただ、小鳩先輩が仲間になってくれてよかったなぁって』
「えっ?」
『小鳩先輩、強いから。心強いです』
私の言葉に小鳩先輩は表情を輝かせ、頬を赤く染めた。
「そ、それって……オレのこと、」
『?』
「だぁー!!!!あー、もう、なんだ!アレだわ、オレ、あだ名ちゃんのことめちゃくちゃ守るわっ!」
『……!う、嬉しいですけど、無理はしないでくださいね?』
「ハァ!?天使かよ!?」
何やら叫んで天を仰ぐ小鳩先輩に、正直少し引いてしまって1歩後退ってしまったのは内緒だ。
※※※※※
『っ!?』
敵の攻撃で身体が宙に浮いた。
(あ、これは、やばい……)
空中から落下する際に呑気にもそう思った。
「あだ名ちゃんっ!!!!」
焦りが滲む私を呼ぶ小鳩先輩の声に我に返り、そちらを向けば、下で腕を広げて私を受け止める体制の彼が目に入った。
『っ、小鳩先輩っ!!』
先輩なら受け止めてくれる。
そんな確信と信頼で私は小鳩先輩の腕目掛けて落ちる。
落下の衝撃に備えてぎゅっと目を閉じると同時に暖かな温もりと、がっしりした先輩の腕の感触がして私はゆっくり目を開いた。
「大丈夫か!?あだ名ちゃん!」
心配そうに私の顔を覗き込む先輩の顔が近くて、心臓がドキリと音を立てた。
この体勢は不味い……。
先輩の腕に抱えられる……つまり、お姫様抱っこされている状況に、羞恥で私の顔はどんどん熱を持ち出しはじめていた。
『ありがとうございます…。助かりました…!』
「……ん。怪我がなくてよかったよ」
『小鳩先輩…』
心底安堵した様子で笑った先輩は、そっと私を地面に降ろして、まだ敵と戦闘中の部長たちの方を見据えた。その瞳は、先程私に向けていたのとは違い鋭い。
まだ、二体いる敵の片方……先程私を吹き飛ばした方の敵は、かなり強いらしく部長たちも苦戦している様子だった。
「よし、ちょっと行ってくるわ」
淡々と軽い調子の小鳩先輩に驚いて見上げると、彼は瞳に怒りを湛えていて、思わず私は小さく声を上げた。
……もしかしなくても、先輩めちゃくちゃ怒ってる!
そう気づいた時にはもう遅く、小鳩先輩の足はまっすぐ敵に向かっていた。
その一歩一歩は重く、しっかりと地面を踏みしめるようで、まるで敵をぶっ飛ばすカウントダウンのようだと、やっぱり呑気にも私はそんなことを考えるのだった。
「オイ。さっきはよくもオレのあだ名ちゃんを吹っ飛ばしてくれたなァ?綺麗なあだ名ちゃんの身体に傷がついたらどうしてくれるつもりだ?今からたっぷりお礼してやるから覚悟しやがれッッッ!!!!」
「ちょ、小鳩さん!落ち着いて…」
「ノトギンと部長は下がってろ!あだ名ちゃんの仇はオレが討つ!」
『ちょ、先輩!私は大丈夫ですから……!!』
暴れ出す前に止めようとしたけれど、既に部長と能登くんの連携はストップし、小鳩先輩が纏めて敵を宙に吹っ飛ばした後だった。
ことの成り行きを見ていた劉都くんは崩れた連携と暴れ回る小鳩先輩にため息を吐き、私はそれに思わず謝ったのでした。
この世界は美しく、優しい偽りの世界。
現実ではないと気づいた時は、あぁ、やっぱり。だなんてすんなり納得出来てしまう程に、綺麗な理想の世界だった。
帰りたくない。このままここで微睡んでいたい。
そういう考えが頭を過ぎらなかったとは言わない。
この世界に来てしまう程には弱いから……小鳩先輩なんて逃げ回っていたぐらいだし…。
「何笑ってんの?あだ名ちゃん」
甘さの滲む声に横を見ればこちらを不思議そうに見つめる小鳩先輩と目が合った。
『なんでもないです。ただ、小鳩先輩が仲間になってくれてよかったなぁって』
「えっ?」
『小鳩先輩、強いから。心強いです』
私の言葉に小鳩先輩は表情を輝かせ、頬を赤く染めた。
「そ、それって……オレのこと、」
『?』
「だぁー!!!!あー、もう、なんだ!アレだわ、オレ、あだ名ちゃんのことめちゃくちゃ守るわっ!」
『……!う、嬉しいですけど、無理はしないでくださいね?』
「ハァ!?天使かよ!?」
何やら叫んで天を仰ぐ小鳩先輩に、正直少し引いてしまって1歩後退ってしまったのは内緒だ。
※※※※※
『っ!?』
敵の攻撃で身体が宙に浮いた。
(あ、これは、やばい……)
空中から落下する際に呑気にもそう思った。
「あだ名ちゃんっ!!!!」
焦りが滲む私を呼ぶ小鳩先輩の声に我に返り、そちらを向けば、下で腕を広げて私を受け止める体制の彼が目に入った。
『っ、小鳩先輩っ!!』
先輩なら受け止めてくれる。
そんな確信と信頼で私は小鳩先輩の腕目掛けて落ちる。
落下の衝撃に備えてぎゅっと目を閉じると同時に暖かな温もりと、がっしりした先輩の腕の感触がして私はゆっくり目を開いた。
「大丈夫か!?あだ名ちゃん!」
心配そうに私の顔を覗き込む先輩の顔が近くて、心臓がドキリと音を立てた。
この体勢は不味い……。
先輩の腕に抱えられる……つまり、お姫様抱っこされている状況に、羞恥で私の顔はどんどん熱を持ち出しはじめていた。
『ありがとうございます…。助かりました…!』
「……ん。怪我がなくてよかったよ」
『小鳩先輩…』
心底安堵した様子で笑った先輩は、そっと私を地面に降ろして、まだ敵と戦闘中の部長たちの方を見据えた。その瞳は、先程私に向けていたのとは違い鋭い。
まだ、二体いる敵の片方……先程私を吹き飛ばした方の敵は、かなり強いらしく部長たちも苦戦している様子だった。
「よし、ちょっと行ってくるわ」
淡々と軽い調子の小鳩先輩に驚いて見上げると、彼は瞳に怒りを湛えていて、思わず私は小さく声を上げた。
……もしかしなくても、先輩めちゃくちゃ怒ってる!
そう気づいた時にはもう遅く、小鳩先輩の足はまっすぐ敵に向かっていた。
その一歩一歩は重く、しっかりと地面を踏みしめるようで、まるで敵をぶっ飛ばすカウントダウンのようだと、やっぱり呑気にも私はそんなことを考えるのだった。
「オイ。さっきはよくもオレのあだ名ちゃんを吹っ飛ばしてくれたなァ?綺麗なあだ名ちゃんの身体に傷がついたらどうしてくれるつもりだ?今からたっぷりお礼してやるから覚悟しやがれッッッ!!!!」
「ちょ、小鳩さん!落ち着いて…」
「ノトギンと部長は下がってろ!あだ名ちゃんの仇はオレが討つ!」
『ちょ、先輩!私は大丈夫ですから……!!』
暴れ出す前に止めようとしたけれど、既に部長と能登くんの連携はストップし、小鳩先輩が纏めて敵を宙に吹っ飛ばした後だった。
ことの成り行きを見ていた劉都くんは崩れた連携と暴れ回る小鳩先輩にため息を吐き、私はそれに思わず謝ったのでした。