チャーリーは、町の賑やかな通りを歩いていた。
「酒、酒、酒」

そう、セレーナに到着して3日目持ってきたお酒を全て飲んでしまったのである。

人々が行き交う中、彼の目は一軒の酒屋に釘付けになった。酒屋の入り口に立つと、酒の香りが漂い、目の前の棚には数々の酒瓶が並んでいた。彼は心躍らせながら店内に入り、手に取った酒瓶をじっと眺めた。

「これは…いいやつだな」とチャーリーはつぶやいた。彼は酒瓶を手に取り、その重みと冷たさを感じながら、心を落ち着かせた。彼にとって、酒は不安や悲しみから逃れる唯一の手段であり、その存在は彼にとっては身近でありながらも重要なものだった。

しかし、アスレイの商人は高値を吹っかけ、チャーリーは手持ちの金では購入できないことに気付いた。

彼は落胆しながら店を出たが、失望の気持ちを押し殺しながらも、まだあきらめるわけにはいかなかった。彼の手には、まだその酒瓶が欲しいという執着があった。
そう、震えるほどに。

向かいの通りで、昼間から酒を飲みながら歩いているケイナの老人を見つけたとき、彼の顔には希望が浮かんだ。

こいつはアル中（なかま）だ。



「手伝ってくれ。俺、その酒が欲しいんだ」とチャーリーは焦りを隠せない声で言った。

彼はまだ諦めるつもりはなく、その酒瓶を手に入れることが彼にとっての優先事項だったのだ。


老人はチャーリーの懇願に耳を傾け、真っ赤な顔で酒臭い吐息で気だるそうに彼に近づいた。「お酒が欲しいのか、、、？よーしわかった、私が案内してあげるよ。」

老人はチャーリーを導きながら、町の端にある小さな酒屋へと連れて行った。その酒屋は華やかな店内とは対照的に、シンプルで素朴な雰囲気を纏っていた。

「ここなら、手ごろな価格でいいお酒が手に入るわ」と老人が微笑んで語りかけると、チャーリーはほっとした表情を浮かべた。

感謝の言葉を口にし、その店から手に入れた酒瓶を大事そうに抱えた。しかし、その喜びも束の間、通りすがりのアスレイたちがチャーリーの手から酒瓶を奪い取り、「ケイナは昼から酒ばかり求めて、ろくに働きもしねえな。」

彼の言葉は、チャーリーの心にさらなる傷を負わせるばかりで、彼の怒りと絶望を募らせた。

健一とミアが駆けつけると、チャーリーは泣きながら膝まずいていた。彼らの心は痛みに包まれ、チャーリーの怒りが空気を支配した。

酒瓶を一口飲んで少し落ち着き、

「これで終わりにはしない。
彼らに復讐してやる」

とチャーリーは酒瓶を握り締め、アスレイたちに対する復讐を心に誓った。