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第1章: 新たな世界への目覚め

数日後

旅を続けた彼らは、ついに目的地へたどり着いた。チャーリーの故郷ノルン。

城塞都市ヴァルデンに隣接する穏やかな港町だ。

ミアが帰ってきた時のまま、戦艦は港に停泊していた。

「まずはロイに真実の鏡を渡してもらえるよう話してみよう」と五郎が提案した。

「調子に乗ったあの野郎は、また馬にしてやる」と健一が意気込むと、チャーリーは酒瓶を振りながら笑った。
「そりゃ面白ぇ!絶対やろうぜ、五郎!」

レイスは不安げに尋ねた。「その人に話せば、戦艦ももらえますかね?」

健一が応えた。「あぁ、戦艦の持ち主はミアだからな。ついでにミアにも許可を取っておくか。」

彼らはヴァルデンの城の門までやって来た。門番に対して、健一が手をかざし命じた。
「俺をミアのところへ、五郎たちをロイの元に案内するよう城中に伝えろ。」

健一の手は光り輝き、門番は従順に「分かりました」と応じて城の中へ入っていった。

しばらく待つと、執事が二人現れた。「健一様はこちらへ、五郎様たちはこちらへ」と、それぞれを城の中へ案内した。

城内を歩く中、チャーリーは酒瓶を持ちながらふらついて呟いた。

「懐かしいなあ。前はここで健一の世話係して、まあまあ贅沢できてたんだがな。」そう言いながら、瓶を口に運び、ゴクリと音を立てて飲んだ。

「そうだな。ここから俺が連れ出したんだったな。閉じ込めておいた方がよかったかい?」と五郎が皮肉を込めて問いかけた。

チャーリーは目を赤くしながら、笑い混じりに答えた。「やめてくれ。洗脳されて健一の世話を一生なんて考えただけで吐きそうだ。」彼の手は少し震えていたが、それを隠すようにもう一口飲んだ。

五郎は苦笑いしながら、「それならよかった。おっと、もう王様の元に着いたようだな」と言った。

執事が大きな扉の前で会釈し、「王の間でございます」と告げて扉を開け、中へ入るよう誘導した。その荘厳な部屋へと足を踏み入れた。


王となったロイは動揺を隠せない様子で、一行に向かって問いかけた。「何が目的で来た?」

健一はロイに向き直り、冷静さを装いつつもかつて洗脳されたことを思い出し、怯えながら尋ねた。「健一はどこにいる?」

その瞬間、酔っ払ったチャーリーがよろめきながら口を開いた。「昔、海賊が真実の鏡持って帰ってきたろ?あれがほしいんだ。」彼の手には、今も酒瓶がしっかりと握られている。

「健一は別の部屋でミアに戦艦を引き渡してくれるよう交渉している」と五郎は言った。

ロイは健一がいないことに安堵し、少し冷静さを取り戻した。

「健一がいないのであればよかった。真実の鏡は宝物庫にあると思う。こちらで宿屋を手配するので、そこで待っていてもらえれば使いの者に持って行かせよう。戦艦については、あれ以来誰も中に入れないよう見えない障壁がかかっていたので、ミアが何か知っているかもしれない。」

「早く城から出ていけってことか?」とチャーリーは酒瓶を振りながら嫌味を言った。彼の目は赤く、呼吸は酒臭い。

ロイは慌てて答えた。
「そういうわけじゃないんだよ。気を悪くしないでくれ。だいぶ飲んでるようだけど、酒鬼魔は健一に乗り移ったんじゃ?」

チャーリーは酒を飲みながら、少しふらつきつつ言い訳を始めた。

「ちょっとまあ、俺も色々ストレスあるんだよ…」彼の声は少し震えていたが、さらに一口飲んでごまかした。

五郎は丁寧に感謝の意を表し、「ご協力に感謝します」と言った。

レイスが続けて、「それじゃあそろそろ行きましょう」と促した。

城を出ると、綺麗な馬車が用意されており、執事が宿屋まで乗せてくれると言った。

五郎、チャーリー、レイスは馬車に乗り込んだ。チャーリーは酒瓶を手に、ふらつきながらぼんやりと窓の外を見た。「この街も随分変わったな…」彼の声はかすれ、目はほとんど閉じかかっていた。

レイスは綺麗な街並みに胸を躍らせていた。

「さて、真実の鏡とはなんなんだろうな」と五郎は考え込んだ。

馬車は思いのほか早く目的地にたどり着き、3人は降りた。

目の前には綺麗で大きな宿屋が立っていた。

受付には支配人と名乗る男が立っており、「健一様のお連れ様ですね。
最高クラスのお部屋を用意してあります」と言った。

レイスはすかさず、「2部屋にして」と告げた。

支配人は少し驚きつつも承知し、「お部屋は5階ですので、こちらのエレベーターでご案内します」と言った。

「この世界にエレベーターなんてあるんだな…」と五郎は驚いた。

五郎は支配人に、「後で使いの者が品物を持ってくるので、俺の所へ持ってきてくれ」と言った。

チャーリーは、酒瓶を片手にふらふらとしながら、「一番高い酒を頼む」と言った。

「分かりました」と支配人は答えた。

レイスは部屋に向かおうとすると五郎がレイスに声をかけた。「健一が帰ってきたら教えてくれ。」

「わかったわ」とレイスは微笑み、部屋へと向かった。
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