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第1章: 新たな世界への目覚め

レイスは健一と五郎に一通りの説明を終えると、静かに剣を構えた。その唇には冷たい笑みが浮かんでいた。

「神の目は、言わなくても全部お見通しでしたね」と、彼女は軽やかに言った。

五郎は焦りを隠せなかった。「悪いのは神器とタトゥーの男だ。俺はレイスと戦いたくない」と必死に訴えた。

健一は冷静な眼差しを崩さずに答えた。「神の目の特性は真実を見抜くこと。神の剣の特性は、全てを両断する力だ。」

五郎は一瞬息を飲んだ。「じゃあ彼女は、単純に人殺しを楽しんでいたってことか?」

健一は短く息をつき、
レイスに歩み寄りながら言った。
「兄が死んで悲しみ、敵を討つも、自身も人を殺してしまったことにより、更なる『痛み』に耐え切れず、その痛みを引き受ける別の人格が生まれてしまったというわけだ。」

五郎が問いかけるように呟いた。「解離性同一性障害ってやつか...?」

レイスは二人の会話を聞き流し、冷酷な笑みを深めた。「お喋りはそのくらいにしましょう。今日は二人も斬れるなんて。」彼女の目は狂気に光り、涎を垂らしながら健一に歩み寄った。

健一は右目を閉じた。
左目が黄金色に変わる。

剣の刃先が月光に煌めき、静寂を引き裂くように風を切る音が響いた。

レイスが振り下ろした剣を半歩で避け、健一は機敏に剣で反撃した。

レイスも最小限の動きで剣を避け、その瞬間、二人は剣の攻撃と回避を繰り返す中で、生死を賭けた戦いに身を投じていた。

「見せられる方はたまったもんじゃねえな」と五郎が呟いた。

「しかしぃ、勝負は一瞬だぞぅ!」と酩酊気味の口調でチャーリーが付け加えた。彼の視線は酒瓶から離れない。

「お前今頃着いたのか」と五郎が呆れた声を漏らす中、健一はレイスを挑発する言葉を口にする。


「殺された兄貴も無駄死にだったな」とレイスを罵り、その言葉に憤るレイスの攻撃には一瞬の隙が生じる。

「何だ急に」と手を止め憤るレイス。

五郎が不安げに「なにか策があるのか」と言った。


「妹を守るために逃がして、
自分が犠牲になって。

せっかく守ったのに、
快楽殺人者になった。

なんてクズな兄貴だ。
死んで当然。」
と健一がさらに罵る。

レイスは激昂し、健一の首を跳ねた。

「ほらな」と酒を一口飲んでチャーリーが
言った。
「次は五郎が行ってくれ、まだ飲み終わってないから。」とまた一口飲んで欠伸をした。

「神の手も両断されるんじゃないのか?」と
絶望する五郎。

しょうがないなあと、酒瓶を片手に立ち上がるチャーリー。
フラフラした足取りでセレスの方へ向かう。

「お前、剣持ってかなくていいのー!?」と驚き叫ぶ五郎。

健一の返り血を浴び、ヨダレを垂らし恍惚の表情のレイスは、「あ、一人増えてる!」と喜んだ。

「俺には酒(これ)さえあれば大丈夫さ」と笑いながらチャーリーが言う。

レイスと対峙するチャーリー。

レイスの背後で静かに首のない健一の腹から腕が出て、切り離された頭を掴み、首にくっつけた。

健一は再生し立ち上がり、レイス目掛けて走った。

レイスは殺気に気づき振り向いて驚く。声を出すまもなく、健一に頭を掴まれた。

「気づくのが遅かったな。お前の負けだ」と健一は言った。

「神の指輪の特性は洗脳と自己再生だ。一時的だが、お前は『戦闘不能だ』と告げた」と健一。

「わかりました」と戦意喪失のレイス。

「あいつの自己再生って、以前、死にかけた時に自分に絶対死なないって強力な洗脳をかけたことなんだけど、ほんとに死なないんだなあ」チャーリーはその場に座り込み呑気に酒を一口飲んで笑った。

健一は五郎に言った。「こいつの殺人衝動を0にしてやってくれ。」

「おまえ、最初からちゃんと考えてたんだな」と感心して、吾郎は神の手でレイスの手を握り、光り輝いた。「これで殺人衝動は0になったぞ」と言った。

「俺の女に触るな」と
健一は激昂し、彼の瞳には憎しみと怒りが宿り、精神は荒れ狂った海のように荒れ狂った。
ブチ切れた彼の声は、地獄の深淵から響くような低い唸りを持っていた。その一瞬、彼は闇の中に沈み、人間性が破壊されたかのように思われた。

「す、すみません」と五郎は少し落ち込んだ。

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