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第1章: 新たな世界への目覚め

リリスは再び左目に集中し、視界の中に広がる光景を探り始めた。一方で、健一とチャーリーは酔いつぶれたままの姿勢を崩さず、アルコールの影響でふらつきながらリリスの報告を待っていた。

「まだ何か見えるか、リリス?」と五郎が促す。

「ちょっと待って…」リリスはじっくりと見つめた後、「お、見えたわ。遠くに…山の麓に大きな城がある。城には旗がたくさん立っていて、騎士たちが行進してる…そして…お、これは…金色の馬車がある。誰か重要な人が乗ってるみたい」と興奮気味に伝えた。

「くっそ、そんな大事な情報…何でお前が見てるんだよ…」と健一がさらに怒りを募らせた。「俺が見たかったんだよ!王様のことなんか…知るかってんだ!」

チャーリーは、酔っ払ったままに笑いながら、「いいじゃねぇか、健一。そんなに興奮するなよ。俺たちはここで酒飲んでりゃいいんだ」と呟いた。

五郎は深いため息をつき、「リリス、他には何か見えるか?」と尋ねた。

リリスは再び左目に集中し、今度はより遠くの光景を探った。「あ、見えた…これって…戦場みたい。騎士たちが戦ってる…血と砂煙が巻き上がってるわ。」

「戦場か…」と五郎が眉をひそめた。「それはどこだ?場所は分かるか?」

「うーん…詳細な場所までは分からないけど、かなり遠いところみたい。もしかすると、これから何か大きな戦いが起こるかも…」とリリスは心配そうに答えた。

「くっそ、そんなこと見たくねぇ!」と健一がグラスを乱暴にテーブルに置いた。「俺の酒がなくなっちまったことの方が大事だ!」

「いい加減にしろ、健一!」と五郎が怒鳴り返した。「リリスの見たものは重要だ。今後の行動を考えないといけないんだ!」


リリスが左目に集中し続ける中、健一とチャーリーは酒に酔いながらも何かしらの期待を抱いていた。五郎は冷静さを保ちながら、リリスの視覚情報を聞き出そうとする。

「リリス、まだ何か見えるか?」五郎が訊いた。

「ちょっと待って…」リリスはさらに深く集中し、遠くの光景を探り続けた。「あ、見えたわ。今度は…大きな海が見える。船がたくさん浮かんでるの。港町みたいで、活気があるわ。」

「いいなぁ…その港町には酒場があるか?」とチャーリーが興味津々に尋ねる。「俺たちもそっちに行って、もっと酒を飲もうぜ。」

健一も酔った勢いで、「おう、それはいい考えだ!もっといい酒が飲めるなら、そっちに行こうじゃないか!」と賛同した。

五郎は頭を抱え、「お前ら、本当にそれだけかよ…。リリス、他には何か見えるか?」と再び訊いた。

リリスは少し戸惑いながらも、さらに遠くを見渡してみた。「うーん…見えた。今度は…広い草原に大きな建物が建ってる。それに…その周りにはたくさんの人が集まってるみたい。祭りか何かかしら。」

「祭りか…楽しそうだなぁ」とチャーリーが呟いた。「俺たちもそっちに行って、一緒に楽しもうぜ。」

「待て、チャーリー。今はそんなことを考える時じゃない」と五郎が制止した。「リリス、もっと詳細に見えるか?あの建物は何なんだ?」

リリスは左目にさらに意識を集中させた。「うーん…どうやらそれは、神殿みたい。人々が祈りを捧げているのが見えるわ。あれは…何か特別な儀式を行っているみたい。」

五郎は真剣な表情で、「それは重要だ。もしかすると、我々の旅に関わる何かかもしれない」と考えを巡らせた。

「ちくしょう、俺たちがこんなに苦労してるのに、あいつらは祭りなんて楽しんでるのか!」と健一が再び怒りを露わにした。

「お前たち、本当にどうしようもないな…」と五郎がため息をつきながら呟いた。

その時、リリスの左目に何かが映り込んだ。「待って…何かが近づいてくる…大きな影が…」

一同が緊張した空気の中、リリスはその影を凝視した。「それは…巨大なドラゴンだわ!こちらに向かってきてる!」

一瞬で酔いが覚めたように、健一とチャーリーは目を見開いた。「ドラゴンだって!?どうするんだ、五郎!」

五郎は冷静さを保ちながらも、緊張した声で言った。「まずは落ち着け。リリス、どのくらいの距離にいる?」

「かなり近いわ…もうすぐここに来る…」

「全員、準備をしろ!」と五郎が叫び、彼らは一斉に動き出した。

パブを出た健一たちは、晴れ渡る空を見上げて
「おい、なんだ、あのデカい影は?」
健一が目を細めて呂律の回らない声で言った。

その影は次第に速度を上げ、
この街へと向かってくる。
近づくにつれて、その姿がはっきりとしてきた。巨大な赤黒い鱗を持つドラゴンだった。
口からは時折炎が漏れ、意識は虚ろな様子だ。

「ドラゴンか…今日は飲みすぎたか?」チャーリーが呆れたようにつぶやいた。

「ほんとにいるんだよ、バカ!」五郎が焦燥感を隠せない声で叫んだ。

ドラゴンは一行の目の前に急降下し、
大地を震わせながら着地した。

その巨大な体から放たれる熱気と威圧感に、戸惑いと恐怖が広がる。

ドラゴンは口から炎を漏らしながら、かすれた声で言った。「神の目を食わせろ…」

「な、なんだと?」健一は一瞬立ちすくんだが、すぐに決意を固め、皆に呼びかけた。

「みんな、戦うぞ!」

しかし、リリスの神の目には真実が見えた。
ドラゴンは無理矢理操られている。

操っている者がドラゴンに神の目を取ってくるように洗脳しているのだ。

「待って、健一!」リリスが叫んだ。

「このドラゴン、操られてる。神の目を取って来るように誰かに洗脳されてるの!」

「なんだって?それじゃあ、どうすればいいんだ?」健一がリリスに尋ねる。

リリスは即座に答えた。
「五郎の神の手で、ドラゴンへの洗脳攻撃を無効して!」

「任せろ!」五郎が力強く答えた。

その瞬間、ドラゴンの口から火弾が飛んできた。4人は咄嗟にそれを避け、散開した。

五郎はドラゴンの懐に素早く潜り込み、その胸に神の手を突き刺した。

ドラゴンは生気が無くなったようにその場に倒れた。

「やったな…」健一が息を切らしながら言った。

「ま、また酒が…飲みたい…」チャーリーがぐったりとした声で言った。

「これで終わりじゃない。操っている奴を見つけないと」と健一が言った。

「そうね。でも、今はこのドラゴンをどうにかしないと」とリリスが言った。

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