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第1章: 新たな世界への目覚め


一先ずはゴブリンを追い払ったことに安堵する住民たち。その目は希望と感謝に満ちていた。

しかし、ゴブリンの脅威は完全に去ったわけではない。

住民たちは期待と羨望の眼差しを彼らに向けた。健一、五郎、チャーリー、リリスは緊張と責任感を胸に、ゴブリンの足跡を追って森の奥深くへと進んでいった。逃げ込んだゴブリンは、どうやら森の奥にある洞窟に姿を消したらしい。

洞窟の前に立つと、五郎は慎重に言った。「気をつけて行くぞ。」しかし、疲労が彼らを蝕んでいた。健一、チャーリー、リリスの三人は、それぞれに持っていた酒瓶を取り出し、ゴブリンの追撃が面倒になっていた。

「ちょっと一休みだ。これがないとやってられないよ。」健一はフラフラと立ち止まり、一口酒を飲んだ。

「おい、何やってるんだ。今はそんなことしてる場合じゃないだろ。」
五郎は焦りを感じながらも、仲間たちを促そうとしたが、効果はなかった。

リリスは「五郎、少し休ませて。もう疲れたわ。」と言いながら、酒を一口。彼女の目はどこか虚ろで、戦意が感じられなかった。

一方、チャーリーは背中に大きな荷物を背負い、手には酒瓶。「お前ら、少しリラックスしろよ。」と不貞腐れた様子で五郎を無視し、さらに一口飲んだ。

「おい、チャーリー。なんでそんなに荷物を持ってきたんだ?お前は家出少年か?」五郎は呆れ顔で問いかけた。

「うるさいな、五郎。これが俺のスタイルだ。」とチャーリーは軽く答えた。

「まったく…」五郎は頭を抱えながらも、気を取り直して言った。
「とにかく注意してくれ。これ以上問題を増やさないでくれよ。」

四人は足取り重く、洞窟の中へと入っていった。暗闇の中、彼らの足音と時折響く酒瓶の音だけが洞窟内に反響した。洞窟の中は湿気と冷気が漂い、彼らの肌を刺すようだった。

洞窟の暗がりに足を踏み入れると、そこには2匹のゴブリンが待ち構えていた。五郎は大声で叫びながら左のゴブリンに向かって突撃した。

「左は俺がやる、右は健一がやれ!」と五郎が叫んだ。

一方、酔いが回っている健一は非常に不器用だったが、五郎の指示に従うことで未来に役立つかもしれないと考え、力を振り絞って立ち上がった。

ゴブリンが斧を振りかざして五郎に襲い掛かる。

五郎は神の小手で斧を受け止めた。

ゴブリンは攻撃のエネルギーを失い、硬直してしまった。その隙をついて、五郎は短剣を振り下ろし、敵の胸に突き刺した。

「健一、大丈夫か?」と五郎が振り返る。

一方、健一の腹から突然腕が伸び、ゴブリンを握り潰していた。戦いはすでに決着がついていた。

「心配するまでもなかったか」と五郎が笑った。

チャーリーとリリスは酒に酔い、陶酔の中にいた。

「ほほう、見てるだけで気分が盛り上がるぜ!」とチャーリーが笑いながら言った。

「あはは、こんなワイルドな冒険は久しぶりだわ!」とリリスが笑いながら手を叩いた。


洞窟の暗がりに踏み込むと、下の階へ続く穴にハシゴがかかっているのが見えた。五郎はその先を覗き込むと、明るい光が差し込み、30匹ほどのゴブリンが集まっているのがわかった。

「あの数を相手にするのは中々厳しいな。計画を練るか」と五郎がつぶやいた。

健一は即座に帰ることを提案し、酔い潰れてしまったリリスには何も言わず、五郎は2人の態度に怒りを覚えた。

「まあまあ、俺に任せとけよ」とチャーリーが言いながら、荷物から赤黒く輝く石を取り出した。

驚く五郎に健一が尋ねると、五郎は額に汗をかきながら説明した。

「爆弾だよ。半径100メートルが吹き飛ぶ超強力なやつだ。随分物騒なものを持ってきたな」と。

「街のヤツらがこれで復讐してくれってさ」とチャーリーが話した。

「とにかく、そいつは慎重に使うタイミングを考えよう」と五郎が言った。

「よっこらショット!」チャーリーが叫びながら、下の階へ爆弾を放り込んだ。

「よーいドンだ!」と健一が叫び、リリスを抱える健一とチャーリー、五郎は全力で走り出した。

驚くゴブリンたちは光に包まれ、ゴブリンの巣を中心に爆発が始まった。

走り疲れ倒れた健一、五郎、チャーリー、リリスは、爆発の威力から逃げ切ることに成功した。息を切らしながら、彼らは焦土と化した地を見渡した。

「いきなり爆弾を使う時は、いつ使うか俺のスケジュール帳に書いといてくれよ」と、五郎は皮肉を込めて言った。

「スケジュール帳片手にゴブリンと戦うなんて聞いたことねえよ」と、チャーリーが笑いながら振り返った。

健一は酒もふきとばされちまったと嘆き、「誰か助けてくれ」と呟いた。

一方、リリスはまだ酔いつぶれて眠っている。

酒を飲みながら金目の物は落ちていないかとうろつくチャーリー。

地面から何かが飛び出してきた。

体長2メートルはある。それはゴブリンキングだ。

チャーリー目掛けて拳を振り下ろす。しかし、瞬時にそれを神の如き手で受け止める五郎。健一は五郎の腰から短剣を抜き、ゴブリンキングの首を跳ねた。

「まだ酔っ払ってるのか」と、五郎が苦笑いしながら言った。

「俺のスケジュール帳通りだ」と酒瓶を振り回したあと一口飲んでニヤリと笑った。
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