翌朝、五郎は疲れた目をこすりながら一行を起こした。健一、チャーリー、リリスはまだ二日酔いでふらついていたが、彼らの旅は続かなければならなかった。

「おい、起きろ！」五郎が声を荒げる。ナゼールに向かうんだ。ゴブリンの襲撃に困っている街があるんだろ？」

健一は重たい頭を持ち上げ、目を半分開けた。「あぁ、わかってるよ。けど、もう少し寝かせてくれ…それと酒、どこにやったっけ？」と苦笑いを浮かべながら空の酒瓶を探し始めた。

チャーリーはぼんやりとした目で、「酒が残ってるな…けど、行かなきゃな…」とつぶやきながら、フラスコを取り出して一口飲んだ。

リリスもふらふらと立ち上がり、「そうね…行かなくちゃ…」と言いながら、健一の肩に寄りかかった。

それでも一行は準備を整え、ナゼールへと向かった。道中、五郎は慎重に周囲を警戒しながら進んだが、健一たちは酒の残り香を漂わせながらふらふらと歩いていた。

数時間後、ナゼールにたどり着くと、町の入り口で一人の兵士が彼らを迎えた。「お前たち、旅人か？この街に何の用だ？」

五郎が答えた。「ゴブリンの襲撃に困っていると聞いた。助けに来たんだ。」

兵士は疲れた目で彼らを見つめ、「そうか…ありがとう。だが、この状況は厳しい。多くの犠牲者が出ているんだ。」

健一はぼんやりとした目で兵士に話しかけた。「ゴブリンか…どこで暴れてるんだ？ それより、どこかで酒は買えるか？」

兵士は彼をじっと見つめ、「街の外れにある森から頻繁に襲撃してくる。警戒していてくれ。」

五郎は深く頷き、「わかった。すぐに対応しよう。健一、チャーリー、リリス、しっかりするんだ。」

リリスは頷きながら、「分かってるわ。やらなきゃね。」と決意を見せたが、手にはまだ酒瓶を握っていた。

街の中心に入ると、住民たちの不安げな顔が目に入った。彼らは一行に希望を託しているかのようだった。

「五郎、次はどうする？」健一が尋ねたが、酒瓶を探す手は止めなかった。

「まずは情報を集める。ゴブリンの動きを把握しなければならない。どんな手段を使ってでもね。」五郎は決然とした表情で答えた。

健一は酒瓶を取り出し、一口飲みながら、「よし、情報集めか。でも、まずはこの酒を楽しもうぜ、五郎。そんな急ぐ必要はないさ。」と笑った。

チャーリーも同意し、「そうだ、酒を飲んでから考えよう。ゴブリンなんて後で何とかなるだろ。」と言いながら、一口飲んでバランスを崩して椅子に倒れ込んだ。

リリスも微笑んで、「ええ、まずは楽しむべきよ。五郎、そんなに真剣にならなくてもいいわ。」と言って、ほろ酔いで健一の肩に寄りかかった。

五郎はため息をつき、彼らの様子に少し不安を覚えた。しかし、彼は彼らを見捨てるわけにはいかなかった。「でも、酔っていても冷静さを失ってはいけない。ゴブリンの襲撃は真剣な問題だ。いつでも行けるように準備を整えておこう。」

健一は酒を一口飲みながら、「わかった、わかった。お前の言うことも一理ある。でも、まずはこの酒だ。」と、手に持った酒瓶を振りかざした。

チャーリーも笑い、「そうだ、五郎。リラックスしろよ。冒険は後でも楽しめるさ。」と、酒をこぼしながらもう一杯注いだ。

リリスは五郎に微笑みかけ、「あなたがいれば大丈夫よ、五郎。私たちは信じてるわ。」と、ふらつきながら言った。

五郎は彼らの言葉に少し安堵しながらも、内心では彼らがこの危険な状況で本当に頼りになるかどうか不安を感じていた。彼は自分の役割をしっかりと果たす決意を固め、彼らを守るための準備を進めた。

その夜、一行は街の防衛隊とともにゴブリンの襲撃に備えた。健一、チャーリー、リリスもようやく真剣な表情を取り戻し、戦いの準備を整えた。

「ここで立ち止まるわけにはいかない。俺たちがやらなければ、この街はもっと危険にさらされる。」五郎は仲間たちに力強く言った。

「そうだな、五郎。お前の言う通りだ。」健一がうなずいたが、片手にはまだ酒瓶を持っていた。

「酒は後でゆっくり楽しむことにしよう。」チャーリーが冗談交じりに言ったが、すでに酔いの影響で少しふらついていた。

リリスも笑顔で応じた。「ええ、まずはこの街を守らないとね。」と言いながらも、手に持った酒瓶をしっかり握りしめていた。

そして、夜が深まる中、一行はゴブリンの襲撃に備え、静かに待ち構えた。街の人々のために、そして自分たちのために、彼らは全力で戦う決意を胸に秘めていた。

五郎は一行に計画を説明した。「ゴブリン討伐の計画はこうだ。夜に襲ってきたゴブリンたちを退治し、1匹だけを逃がす。それを追って奴らの巣を特定し、根絶やしにする。」

健一は酒瓶を持ちながら、「そいつはいい考えだな、五郎。やっつけてやろうぜ。」と興奮気味に言った。

チャーリーも酒瓶を振りかざし、「ゴブリンどもに教えてやるんだ、俺たちの強さを。」と同意した。

リリスも微笑みながら、「ええ、やりましょう。私たちならできるわ。」と言った。

その夜、一行は防衛隊とともに待ち構え、ゴブリンが現れるのを待った。街が静寂に包まれる中、一行は緊張感を高めながらその時を迎えた。

突然、闇の中からゴブリンの群れが現れた。彼らは一斉に街を襲い始めたが、一行は準備を整えて待ち構えていた。五郎が先陣を切ってゴブリンに突進し、次々と倒していった。

健一、チャーリー、リリスもそれぞれの力を発揮し、ゴブリンたちを撃退していった。酒の影響が残っているとはいえ、彼らの戦闘能力は健在だった。

やがて、五郎の指示通り、一匹のゴブリンだけを逃がすことに成功した。一行はそのゴブリンを追跡し、奴らの巣を特定するために動き出した。

「よし、あいつを追いかけよう。奴らの巣を見つけて、根絶やしにするんだ。」五郎が仲間たちに声をかけた。