ロイがふと思いついたように言った。
「そうだ、近くにお酒が嫌いな神様が祀ってある場所がある。もしかしたら、そこに連れて行ってみるのはどうだろう？」

健一が興味深そうにうなずいて続けた。
「それに、酒鬼魔という悪魔が取り憑いているなら、神様の力でチャーリーの未来が変わるかもしれないな。」

ミアも賛成して言った。
「私たちの支えもあるから、きっと大丈夫よ。」

3人はチャーリーを連れて神社に向かい、お酒が嫌いな「酒禁神（しゅきんしん）」の祠の前に立った。

すると、神様が神聖な光を放ちながら降臨し、チャーリーの前に立った。
「子よ、私の神示に従い、お酒を断つ覚悟があるか？」とチャーリーに問うた。

しかし、チャーリーの体には「酒鬼魔（しゅきま）」が取り憑いていたことが判明し、神様と「酒鬼魔」の壮絶な戦いが始まった。悪魔は獰猛な力を持ち、神様に立ち向かった。

神様は一瞬の隙をついて「酒鬼魔」に致命傷を負わせたが、

そのとき「酒鬼魔」は健一の体に乗り移った。

神様は力尽き、健一がアル中になる運命を変えることはできなかった。

チャーリーは「酒禁神」の力によってお酒が飲めない体質に変わったが、

健一は「酒鬼魔」の影響を受けてしまい、アル中となってしまった。

「まさか、健一が…酒鬼魔の影響を受けたなんて。これは大変だ…」ロイは悔しそうに拳を握る

「本当にそんなことが…健一、大丈夫？」
ミアが心配そうに覗き込む。


「でも、俺は…本当にわからないんだ。」
健一の手が震えている。

「いや、待てよ。健一の身体が飲むって言ってる！」チャーリーはお酒を飲みたい気持ちを敏感に察知した。

その言葉に、健一は自分の手が酒を求めていることに驚きを隠せなかった。「えっ、俺が…酒鬼魔に取り憑かれた？信じられないよ…」

ロイの家に戻った一行は、神様が転生者の体には介入できないという事実を受け入れざるを得なかった。

その残念な結末を受け止めながらも、彼らの心は決意と希望に満ちていた。

「まさか、こんな展開になるとは…」ロイがため息をつきながら言った。

「神様の力に頼ることができないなら、どうすればいいんだろ、、？」ミアが不安そうに尋ねた。

「だけど、俺たちにはまだできることがあるはずだ！」健一が意気揚々と宣言した。

チャーリーが大量に持ち込んだノルンを次々と飲み干し陽気にはしゃぐ健一を見て、驚くばかりだった。

「えっ、健一、それはちょっと…」ミアが戸惑いながら言った。

「何だよ、みんな。こんなに楽しいんだから、もっと飲もうよ！」健一が笑顔で叫んだ。

彼の行動に、混乱と戸惑いが込み上げる中、彼らの未来はますます不透明なものとなっていった。

翌朝、健一は酷い二日酔いとよく眠れなかったことでクマができ、気持ち悪いと嘆いた。

「ああ、頭が割れるようだ…」健一がベッドから起き上がりながら呟いた。

隣で寝ていたミアが心配そうに彼を見つめ、「健一、本当にそのままでいいの？」と尋ねた。

健一は微笑みながら答えた。「大丈夫、大丈夫。これで元気が出るから。」彼の手には酒瓶が握られていた。

彼の言葉に、ミアは心配そうな表情を浮かべながらも、彼の決意を尊重した。

健一は酒瓶に残った酒を一気に流し込み口元が優しく緩んだ。